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第一章

歓迎パーティーと寮

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 エドワードとアルと別れて、寮に入った。

 寮は、男子寮と、女子寮に分かれていて、男子寮は1年生の校舎、女子寮は2年生の校舎の隣に建設されている。

 パンフレットを確認すると、俺は低学年の男子寮の、3階の角部屋だった。アルと同じ階でちょっと安心。エドワードは、最上階の4階だったから、爵位とかで分けられているのかもしれない。





 結構中は広くて、リビング、寝室、キッチン、お風呂、クローゼットがあった。リビングは10畳、寝室は8畳くらいあった。

 荷解きをしようとしたが、大体の物がメイドさんたちによってすでにされており、家具をどこに置くかを言ってしまえば、十数分ほどで終わってしまった。





「あれ、早かったですね、ギル」

 模様替えが終わったのでエントランスに行こうとしたら、部屋から出たところでアルと会った。

「ほぼほぼ、メイドさんたちがやってくれたからね。エドワードはもう少し時間かかるかな?」

「エドワードは、私達より部屋の数が多いらしいですよ。下で待っていましょう」









 五分後くらいに、エドワードがやってきた。

「お待たせ、二人とも。それじゃあ、歓迎パーティーに行こうか」

「会場は、体育館の地下にあるそうです。パンフレットを見ながらいきましょうか」

「歓迎パーティーって、どんなことやるんだろう」





 パーティー会場に行くと、会場に居た人が皆一斉にこっちを向いた。

 めっちゃ怖いんだけど。エドワードがいるからかな? 別々に入ればよかった。

「あら、エドワード殿下。お久しぶりでございます」

 どこからか声が上がった。こんなに人がいたら、どれが誰か分からないじゃん。

 だが、そこは王族。特別な訓練を受けているのか、スッと人がいるところを通り過ぎ、挨拶をしている。

 あれぐらいの慣れが社交の場には必要なのだろうか。だとるすと、晩年ボッチだった俺には無理かもしれない。

「ふー、大体挨拶し終わったね。それじゃあ、ご馳走を食べよう。あっちに美味しそうなパスタがあったよ」

 さすがだ。挨拶のついでに美味しそうなご飯をマークしていたらしい。恐ろしい食い意地だ。

「あまり食べ過ぎないようにしてくださいね。明日から授業があるんですから」

 ここまでくると、アルがお母さんのように思えてくる。





 それからは、三人でたくさんご馳走を食べた。エドワードは、肉とかパスタが多め、俺はスイーツが多め、アルはバランスよくと言った感じだ。ちょくちょく、俺やエドワードの皿に野菜を入れていた。

「それでは、歓迎パーティーを終わりたいと思います」

 特に何事もなく、終わった。ただ、大人数で夜ごはんを食べただけだ。

「はぁ~、美味しかった。早く寮に戻って、明日に備えておこう」

「そうですね、もう10時くらいですので、すぐに寝たほうがいいかと」





 ちなみに、寮にはエレベーターの役割をしてくれる魔法陣があり、念じた階に行けるらしい。エレベーターより便利だ。

「それじゃあ、エントランスでお別れだね。ばいばい、エドワード、アル」

「ばいばーい、また明日」

「おやすみなさい、二人とも」
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