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第一章第二話 深夜の作業部屋

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その人は真っ暗な作業部屋にスタンドライトを灯し、天井にはたくさんの惑星を巧妙に手を施し作業部屋はプラネタリウムのように、星々が光沢を放っている。

今夜は地球儀に今しがたいのちを刻んでいるところだ。

手始めにその人は、地球誕生のプログラムをタイプライターで構成し展開を試みる。

すると太陽系を緻密にプログラムされたファイルが展開されていく。

完全に展開されていくにはまだ時間を要す、

その間に地球のプログラムに移っていく、その人は、まず地球に必要な大きな海を満たし、次に大気圏をつけ足し、次に生命の誕生と進化を打ち込んだ。

そこまで進めると約50分の休憩に入った。

その人は葉巻を取り出すとあらかじめ冷蔵庫に冷やしておいたエネチャージドリンクをアンティーク調のテーブルに置き、葉巻に火を灯し至福の時を楽しんだ。


端末を開き音楽を掛けた。
宇宙音楽を好んで聴いた。

ひとしきり、エンジンが満たされると、その人は、作業部屋のスタンドライトを消し、寝室にタイプライターを持ち込み作業を進めた。

そしてやがて寝落ちした。
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