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第三章第十話 【合流】

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一成は、ダリアと馬に騎乗して北上した。

ダリアの方が馬乗りには慣れていたが、チャレンジャーである一成が馬の手綱握り、時々、ダリアが指示を与え、一成はそれに従った。

やがて、前方に荷馬車と仲間の3人の姿がみえて来た。

一成は思わず、「うりゃー」と、雄叫びの声をあげた。


そしてドクター藤田、岩崎ちひろ、そして城之内美晴と無事、合流を果たした。

そして、一成は全ての経緯と謝罪を繰り返した。

「あの夜、俺は無意識のうちに北上するのを拒絶したのだと思う。
そして馬に乗り南下してしまった。
本当に心配と迷惑を掛けてしまった事を謝罪したい。」


そこへダリア・シュールが自己紹介も兼ねて彼が抱いていた。
都会への強迫性障害に触れた。

「彼はあの夜に馬に独りで乗り私のギルド付近で馬に放り投げられた感じになって意識を失い私が世話をさせて貰った。
その時、彼は夢うつつで寝語を繰り返した。
寝言の内容は、都心部へは行きたくない、管理がどうのこうの言っていた。」


ちひろは名前を名乗り返答した。
「そうだったのですね。
今の意見を聴く限り、私たちの知っている一成さんと、もう一人の一成さんが遊離しているのだなと理解します。」

美晴は丁寧に「本当にうちの一成がお世話になりました。
感謝します。」と頭を下げた。

「いいえ、とんでもないです。」
とダリアは答えた。

最後にドクター藤田が締め括るようにこういった。

「元々、この旅を始める時私とちひろ君は任意で同行させて貰っているので彼を責めるだとかは毛頭ないので言うなれば、この旅全て自己責任というのが本当の所なのです。
今後もそれは変わらないし、もっともっとカンファレンスを繰り返しながらこの旅をどういうものにしていくか考える必要があります。」

「本当にみんな許してくれて感謝する。
こんな俺だけどもっと打ち明け話をするよう努めるよ。
最後にダリア・シュールを仲間にしてあげたいのだけど・・・。」

一同「勿論よ」



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