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第九章 Grand Galaxy Grand prix [Ready?〕
到着
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テイルウィンドから降りる、フウマとミオ。
「えっと、ようやく着いた訳だけど、行先は確か……」
情報によると、とりあえずの行き先はここから上の、大ホールらしい。
そこでは開会式が行われるとの事だが、入れるのはレーサーとして登録した者だけだ。
「それじゃあ私は、ここでテイルウィンドの様子を確認しておくわね。あんなに飛ばした後だし、レース中で何かあると大変だから」
「分かった。それじゃあ、後でまた」
フウマは頷き、ミオとテイルウィンドと離れた。
そして格納区画を移動する中、再び道を確認しようと、端末を開く。
フウマの手元にある端末には、大ホールまでの地図が掲載されている。……しかし。
「でも――ちょっと複雑だな」
そんなフウマの心配は的中した。
あれから格納区画を出て、何度もエレベーターを乗り換え、通路を行き来して移動を続け、半分迷いかけながらも、本来なら十数分で到着するはずだった大ホールに到着したのは、それから一時間後だった。
――はぁ、ようやく着いたよ――
目の前には、大きな扉。ご丁寧に看板が掛けられ、そこには『G3レース参加者御一行様』と、てかてかと載せられている。
――それじゃあ、中に入ろうか――
フウマは、大ホールへの扉をくぐる。
――そこには、二百人を超えるほどのレーサーがホールの中でごったがえしていた。
この間の親善試合の時も、出場したレーサーは多かった。
だが、今いるレーサーの数は、それを遥かに上回っていた。
そんな中、フウマを発見したジョンが駆け寄る。
「やぁやぁ、ずいぶんと遅かったね二人とも。僕はずいぶん先に着いていたのに」
「ははは、ちょっと迷ってね」
フウマは苦笑いを見せる。
「……ところで、こんな所に集まって……随分賑やかだね」
「ああ。何しろここまで大規模なレースは、なかなかないさ。――にしても、本当にギリギリだったな、今から開会式が始まろうとしていた所だったんだ」
見ると、レーサー達が集まる中、前には高い壇上の舞台がある。
舞台の横には椅子が並べられ、今回のレースで支援を行った、有力者などが座っている。その中にはスリースター・インダストリーのゲルベルトと、そしてゲルベルト重工のゲルベルトの姿、そして解説のリオンド・マーティスまでいる
こうした大きいレースになると、観客に対してだけでなく、レースの参加者の対しても説明会込みで、行われることもある、と言うわけだ。
「ああ! シロノも無事に到着したみたいですね! 安心しましたよ」
いきなり後ろから声を掛けられ、フウマが振り向くと、そこにはシロノとリッキーの二人がいた。
「シロノ、それにリッキー。やっぱり先に着いていたんだ」
「勿論だぜ! そっちこそ、てっきり海賊に捕まっちまったと思ったぜ」
「はっ! この僕が捕まるわけがないだろ!」
そんな会話を聞いていたジョンは、少し安心した様子を見せた。
「どうやらお仲間と、再開出来たみたいで良かった。なら僕は、これで失礼しようかな」
フウマは了解する。
「分かったよ、ジョン。……色々と話せて良かったよ、レースでも正々堂々、良い試合をしよう!」
にこやかにそう伝えるフウマ。
これにジョンは、一瞬複雑な表情を見せるも、すぐに笑顔を返す。
「……もちろんさ。それじゃあ、また本番で会おう」
ジョンは手を振り、レーサー達の人混みに消えた。
「本当に大変だったんだから、まさか海賊が、あんな所に現れるなんてさ」
フウマの言葉に、シロノは考えるように
「確かにまた、大変な目にあいましたね。この前にはレース機体の破壊工作もあったと言いますのに」
心底うんざりしたかのように、シロノはため息をつく。リッキーもその気持ちは同じだ。
「ああ、俺のシュトラーダも燃やされちまった。ったく、あんな真似を命じた黒幕が誰だろうと、そのうち後悔させてやるぜ」
そんな話を聞いて、フウマはある事を思い出す。
「そう言えば、テイルウィンドも誰かに襲われたよね。あの時はリッキーが来てくれたから、良かったけれど」
リッキーはフッと、彼に笑みを見せる。
「まぁな、大事なライバルが戦いもせず減るのは、悔しいからな。――こうもレースに、水を差される真似ばかり。まさか、本番でも邪魔される事は、ないだろうな?」
「……さぁ」
シロノは、横目に舞台に座る、ゲルベルトに視線を向ける。
――ヘンリック、そしてクラウディオさんの話によると、怪しいのはこの男、アーノルド・ゲルベルト。しかし私は一介のレーサーですものね。ですが――
「……それでも、気を付けた方が、いいかもしれませんね。……何もないとは保証できませんから」
「えっと、ようやく着いた訳だけど、行先は確か……」
情報によると、とりあえずの行き先はここから上の、大ホールらしい。
そこでは開会式が行われるとの事だが、入れるのはレーサーとして登録した者だけだ。
「それじゃあ私は、ここでテイルウィンドの様子を確認しておくわね。あんなに飛ばした後だし、レース中で何かあると大変だから」
「分かった。それじゃあ、後でまた」
フウマは頷き、ミオとテイルウィンドと離れた。
そして格納区画を移動する中、再び道を確認しようと、端末を開く。
フウマの手元にある端末には、大ホールまでの地図が掲載されている。……しかし。
「でも――ちょっと複雑だな」
そんなフウマの心配は的中した。
あれから格納区画を出て、何度もエレベーターを乗り換え、通路を行き来して移動を続け、半分迷いかけながらも、本来なら十数分で到着するはずだった大ホールに到着したのは、それから一時間後だった。
――はぁ、ようやく着いたよ――
目の前には、大きな扉。ご丁寧に看板が掛けられ、そこには『G3レース参加者御一行様』と、てかてかと載せられている。
――それじゃあ、中に入ろうか――
フウマは、大ホールへの扉をくぐる。
――そこには、二百人を超えるほどのレーサーがホールの中でごったがえしていた。
この間の親善試合の時も、出場したレーサーは多かった。
だが、今いるレーサーの数は、それを遥かに上回っていた。
そんな中、フウマを発見したジョンが駆け寄る。
「やぁやぁ、ずいぶんと遅かったね二人とも。僕はずいぶん先に着いていたのに」
「ははは、ちょっと迷ってね」
フウマは苦笑いを見せる。
「……ところで、こんな所に集まって……随分賑やかだね」
「ああ。何しろここまで大規模なレースは、なかなかないさ。――にしても、本当にギリギリだったな、今から開会式が始まろうとしていた所だったんだ」
見ると、レーサー達が集まる中、前には高い壇上の舞台がある。
舞台の横には椅子が並べられ、今回のレースで支援を行った、有力者などが座っている。その中にはスリースター・インダストリーのゲルベルトと、そしてゲルベルト重工のゲルベルトの姿、そして解説のリオンド・マーティスまでいる
こうした大きいレースになると、観客に対してだけでなく、レースの参加者の対しても説明会込みで、行われることもある、と言うわけだ。
「ああ! シロノも無事に到着したみたいですね! 安心しましたよ」
いきなり後ろから声を掛けられ、フウマが振り向くと、そこにはシロノとリッキーの二人がいた。
「シロノ、それにリッキー。やっぱり先に着いていたんだ」
「勿論だぜ! そっちこそ、てっきり海賊に捕まっちまったと思ったぜ」
「はっ! この僕が捕まるわけがないだろ!」
そんな会話を聞いていたジョンは、少し安心した様子を見せた。
「どうやらお仲間と、再開出来たみたいで良かった。なら僕は、これで失礼しようかな」
フウマは了解する。
「分かったよ、ジョン。……色々と話せて良かったよ、レースでも正々堂々、良い試合をしよう!」
にこやかにそう伝えるフウマ。
これにジョンは、一瞬複雑な表情を見せるも、すぐに笑顔を返す。
「……もちろんさ。それじゃあ、また本番で会おう」
ジョンは手を振り、レーサー達の人混みに消えた。
「本当に大変だったんだから、まさか海賊が、あんな所に現れるなんてさ」
フウマの言葉に、シロノは考えるように
「確かにまた、大変な目にあいましたね。この前にはレース機体の破壊工作もあったと言いますのに」
心底うんざりしたかのように、シロノはため息をつく。リッキーもその気持ちは同じだ。
「ああ、俺のシュトラーダも燃やされちまった。ったく、あんな真似を命じた黒幕が誰だろうと、そのうち後悔させてやるぜ」
そんな話を聞いて、フウマはある事を思い出す。
「そう言えば、テイルウィンドも誰かに襲われたよね。あの時はリッキーが来てくれたから、良かったけれど」
リッキーはフッと、彼に笑みを見せる。
「まぁな、大事なライバルが戦いもせず減るのは、悔しいからな。――こうもレースに、水を差される真似ばかり。まさか、本番でも邪魔される事は、ないだろうな?」
「……さぁ」
シロノは、横目に舞台に座る、ゲルベルトに視線を向ける。
――ヘンリック、そしてクラウディオさんの話によると、怪しいのはこの男、アーノルド・ゲルベルト。しかし私は一介のレーサーですものね。ですが――
「……それでも、気を付けた方が、いいかもしれませんね。……何もないとは保証できませんから」
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