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第十章 Grand Galaxy Grand prix [Action!〕
白と赤と
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――――
そんなフウマとジョセフの更に先には、シロノとマリンの一騎打ちが、嵐のまっただ中で繰り広げられていた。
「……やはりなかなか、やるではないですか、マリン」
嵐の強風をかいくぐりながら、シロノは通信越しに、そう伝える。
辺りは昏く、濃い灰色の景色が続き、激しい風と雨が、機体を襲う。
ホワイトムーンとクリムゾンフレイムは、互いに拮抗状態。
だが、クリムゾンフレイムは加速こそ強いが、逆に言えば元々、他を犠牲にして加速性能ばかりに特化した機体だ。
改修により幾らかマシにはなったものの、やはりその他の性能は高いとは、お世辞にも言えない。
対するホワイトムーンは、どの性能も基本高い高性能機だ。 確かに加速ではクリムゾンフレイムに負ける。しかし、乱気流が吹きすさぶこの場においては、シロノでさえ幾らかの苦戦はすれど、加速性よりその流れを察知するレーダー性能に、それを乗りこなせる機動性で勝る分、そちらが有利だ。
現に今、僅かではあるがリードしているのは、ホワイトムーンである。
それでも、この状況で不利なのにも関わらず、クリムゾンフレイムは遅れることなく、追いすがっていた。
低い性能は加速と、そしてパイロットの技量で何とか補っている。不利な状況である分、マリンの実力を通常時よりも高く引き出させる結果になる。
〈正直、こっちも辛いのよね。でも……こんな大舞台で、無様な真似は出来ないじゃない!〉
そう話すマリンは、好戦的な表情でシロノを睨む。
〈ふふっ、今日こそシロノを私の物に――と、言いたいけど、
ちょっと考えてみると今のままでは、それも難しいかもね。
だから試しにちょっと、ここでは一旦、忘れる事にするわ!
本当はちゃんと、レースも恋愛も両立したいんだけどね。 残念だけど、シロノの先には、あのジンジャーブレッドがいるのよ。
……つまり、私にとって今のシロノは、ただの前座! 悪く思わないでね!〉
調子の良い、マリンの様子。若干シロノはムッとする。
「私を前座扱いとは、随分偉くなりましたね。親善試合の時には、良いチームプレイもしたと言うのに」
途端、加速を増したクリムゾンフレイムが嵐の乱気流を掻い潜り、わずかにリードしていたホワイトムーンに並び、そして追い抜いた。
彼女は勝ち誇ったように笑う。
〈ハハハハッ! 甘いわねシロノ! それはそれ、これはこれよ。だってレースは基本、個人競技、当然でしょ?〉
……だが、それも束の間。それから数秒もしない内に、ホワイトムーンは再び、クリムゾンフレイムを追い抜いた。
「そんな事、私が分かっていないとでも? 残念ですがここでは、ホワイトムーンが有利なのですよ」
ディスプレイ上のマリンは、若干悔しそうな顔を見せる。が、同時にとても楽しそうに笑みを浮かべる。
〈やっぱり、さすがシロノ。そう来ないと……面白くないわ。けど、まだまだ――〉
マリンが言葉を続けようとした、そんな時……。
互いに意識していたせいで、ノーマークだった後ろから、超高加速で一機の機体が、ホワイトムーンとクリムゾンフレイムの二機とも、あっと言う間に追い抜いた。
「いけませんね。私としたことが、マリンにばかり気をとられたせいで……」
追い抜いたのは、かつてのリッキーの愛機、シュトラーダを思わせるようなロケット型の機体。
もちろん、そんな形状だと大気圏飛行は難しいと思われるが、機体後部の四連ブースターからは、真っ赤なエネルギーを大噴射させる。
それを想定していなかったのは、マリンも同じだった。
〈やっぱり腕の良いレーサーが、各地から集まるだけあるわね。油断していたと言っても、私たち二人を追い抜くなんてね。
それにあれは、私のクリムゾンフレイムのシステム・スパークラーと同じ、ブースト機能なのかしら。随分高い出力のブーストだけど、こんな所で使った日には……〉
マリンが言いたいことは、シロノにも分かる。
機体の加速は、確かに高い。それこそ乱れる気流を突っ切って、二機よりも高速度で飛行できる程に。
だが、こんな強引な手段を取って、ただで済むわけはなかった。
突っ切ってはいるものの、強い嵐の乱気流は機体を打ち、ややぐらつき、お世辞にも安定しているとは言えない。
そして――やはりブーストは長続きするものでは、なかったらしい。ブーストが止まり、加速が落ちた途端、今まで不安定だった制御が、更に悪くなる。
無重力と、空気抵抗のない真空の宇宙空間ではまだ良かったかもしれないが、生憎ここは重力も働く、惑星の大気圏内だ。一度ブーストの停止した分の低下は、相当なものになる。
制御を失い、さらには乱気流に巻き込まれ、機体は一気にその態勢を崩し、そのまま後ろに、気流によって吹き飛ばされた。
そして、その先には……マリンのクリムゾンフレイムがあった。
〈……うげっ! ウソでしょ!?〉
とっさに彼女は、前から吹き飛んで来た機体を避けるも、その一部がクリムゾンフレイムの船体に衝突した。
その衝撃で彼女の機体はバランスを崩し、ぶつかった機体ともども墜落していった。
通信は、そこで途切れた。
突然の出来事に、驚きと心配を隠せないシロノ。
だが今更出来ることもなく、せいぜいマリンの無事を、祈るくらいしかない。
それに、レース機のコックピットブロックは脱出ポットであり、強固な作りでなおかつ、可能な限り衝撃を和らげるように作られている。
最悪、墜落の仕方が悪く、機体はバラバラになろうとも、パイロットは無事なはずだ。
――ついてないですね、マリン。でも彼女の実力なら、何とか立て直せると、そう願うしかありませんね――
相手の無事を祈るシロノ。そして正面ディスプレイに目に移すと、ようやく出口が見えた。
今まで飛行していた、暗く灰色な雲に覆われ、豪雨と暴風が吹き荒れる空。
しかし、ディスプレイに映る空の先には、白く輝、日の光のカーテンが下りている。
――どうやら嵐は、あそこまでですね。ようやく、この嵐ともオサラバです――
シロノは安堵の息をつく。
――第三陣のレース機はほぼ超しましたし、あの先を行くのは、第二、第一陣のレース機と……それに、ジンジャーブレッドのブラッククラッカー。彼も先に行っていますし、私も急ぎませんとね――
既に一番の相手は、さらに先へと越していた。
『白の貴公子』、そんな異名を持つほどのプロレーサーである彼でさえ、レースはまだまだこれからだ。
――――
墜落して行く、クリムゾンフレイム。
そのコックピットでマリンは、制御を立て直そうとしている。だがそれは、難しそうであった。
――機体は、クルクル回転が速いし、周りの気流だって。……それに、落下の速度も――
彼女は、苦渋の表情を見せる。
――やっぱり恋愛感情を捨てて、目先の勝負ばかりに集中したのが、不味かったかな? 慣れない事なんて、ね。
ごめんねシロノ、格好悪い所を見せて――
後悔しながらも、マリンは手を止めることなく動かし、スラスター制御を行い、墜落から再飛行するためのブースター数度、試しに動かす。衝突した誤作動で、停止してしまっていたからだ。
しかしそんなさ中にも、海面は刻一刻と迫る。
姿勢は、幾らかは直った。後は再び飛び立つだけだ。
――これでどうにか。だから、お願い! クリムゾンフレイム!――
もはや猶予もない。下の海までぎりぎりまで迫っている。
そう願い、マリンは全力で下部のスラスターとブースターを、起動させた。
瞬間……高い水飛沫が巻き上がり、高い波を立てながら無事、クリムゾンフレイムは再び飛び立った。
初めは低空だったが、次第に高く空に上がる。
これにはマリンも、歓喜の様子を見せた。
――ふっ! 私だってまだまだ行けるわ!
……それにやっぱり、レースも、恋愛も全力で行かないとね。どの道一番で優勝すれば、シロノは私のものだし、伝説のジンジャーブレッドに勝てば、私が宇宙一のレーサーだって証明にだって――
視界の先には、厚い雲の切れ目が見える。ここから先が嵐の出口だ。
――待っていなさいよ! 少し遅れちゃったけど、クリムゾンフレイムならすぐに、追いついてみせるんだから!――
クリムゾンフレイムは遅れた分を取り戻そうと、ブースターを強力に噴かして先を急ぐ。
そんなフウマとジョセフの更に先には、シロノとマリンの一騎打ちが、嵐のまっただ中で繰り広げられていた。
「……やはりなかなか、やるではないですか、マリン」
嵐の強風をかいくぐりながら、シロノは通信越しに、そう伝える。
辺りは昏く、濃い灰色の景色が続き、激しい風と雨が、機体を襲う。
ホワイトムーンとクリムゾンフレイムは、互いに拮抗状態。
だが、クリムゾンフレイムは加速こそ強いが、逆に言えば元々、他を犠牲にして加速性能ばかりに特化した機体だ。
改修により幾らかマシにはなったものの、やはりその他の性能は高いとは、お世辞にも言えない。
対するホワイトムーンは、どの性能も基本高い高性能機だ。 確かに加速ではクリムゾンフレイムに負ける。しかし、乱気流が吹きすさぶこの場においては、シロノでさえ幾らかの苦戦はすれど、加速性よりその流れを察知するレーダー性能に、それを乗りこなせる機動性で勝る分、そちらが有利だ。
現に今、僅かではあるがリードしているのは、ホワイトムーンである。
それでも、この状況で不利なのにも関わらず、クリムゾンフレイムは遅れることなく、追いすがっていた。
低い性能は加速と、そしてパイロットの技量で何とか補っている。不利な状況である分、マリンの実力を通常時よりも高く引き出させる結果になる。
〈正直、こっちも辛いのよね。でも……こんな大舞台で、無様な真似は出来ないじゃない!〉
そう話すマリンは、好戦的な表情でシロノを睨む。
〈ふふっ、今日こそシロノを私の物に――と、言いたいけど、
ちょっと考えてみると今のままでは、それも難しいかもね。
だから試しにちょっと、ここでは一旦、忘れる事にするわ!
本当はちゃんと、レースも恋愛も両立したいんだけどね。 残念だけど、シロノの先には、あのジンジャーブレッドがいるのよ。
……つまり、私にとって今のシロノは、ただの前座! 悪く思わないでね!〉
調子の良い、マリンの様子。若干シロノはムッとする。
「私を前座扱いとは、随分偉くなりましたね。親善試合の時には、良いチームプレイもしたと言うのに」
途端、加速を増したクリムゾンフレイムが嵐の乱気流を掻い潜り、わずかにリードしていたホワイトムーンに並び、そして追い抜いた。
彼女は勝ち誇ったように笑う。
〈ハハハハッ! 甘いわねシロノ! それはそれ、これはこれよ。だってレースは基本、個人競技、当然でしょ?〉
……だが、それも束の間。それから数秒もしない内に、ホワイトムーンは再び、クリムゾンフレイムを追い抜いた。
「そんな事、私が分かっていないとでも? 残念ですがここでは、ホワイトムーンが有利なのですよ」
ディスプレイ上のマリンは、若干悔しそうな顔を見せる。が、同時にとても楽しそうに笑みを浮かべる。
〈やっぱり、さすがシロノ。そう来ないと……面白くないわ。けど、まだまだ――〉
マリンが言葉を続けようとした、そんな時……。
互いに意識していたせいで、ノーマークだった後ろから、超高加速で一機の機体が、ホワイトムーンとクリムゾンフレイムの二機とも、あっと言う間に追い抜いた。
「いけませんね。私としたことが、マリンにばかり気をとられたせいで……」
追い抜いたのは、かつてのリッキーの愛機、シュトラーダを思わせるようなロケット型の機体。
もちろん、そんな形状だと大気圏飛行は難しいと思われるが、機体後部の四連ブースターからは、真っ赤なエネルギーを大噴射させる。
それを想定していなかったのは、マリンも同じだった。
〈やっぱり腕の良いレーサーが、各地から集まるだけあるわね。油断していたと言っても、私たち二人を追い抜くなんてね。
それにあれは、私のクリムゾンフレイムのシステム・スパークラーと同じ、ブースト機能なのかしら。随分高い出力のブーストだけど、こんな所で使った日には……〉
マリンが言いたいことは、シロノにも分かる。
機体の加速は、確かに高い。それこそ乱れる気流を突っ切って、二機よりも高速度で飛行できる程に。
だが、こんな強引な手段を取って、ただで済むわけはなかった。
突っ切ってはいるものの、強い嵐の乱気流は機体を打ち、ややぐらつき、お世辞にも安定しているとは言えない。
そして――やはりブーストは長続きするものでは、なかったらしい。ブーストが止まり、加速が落ちた途端、今まで不安定だった制御が、更に悪くなる。
無重力と、空気抵抗のない真空の宇宙空間ではまだ良かったかもしれないが、生憎ここは重力も働く、惑星の大気圏内だ。一度ブーストの停止した分の低下は、相当なものになる。
制御を失い、さらには乱気流に巻き込まれ、機体は一気にその態勢を崩し、そのまま後ろに、気流によって吹き飛ばされた。
そして、その先には……マリンのクリムゾンフレイムがあった。
〈……うげっ! ウソでしょ!?〉
とっさに彼女は、前から吹き飛んで来た機体を避けるも、その一部がクリムゾンフレイムの船体に衝突した。
その衝撃で彼女の機体はバランスを崩し、ぶつかった機体ともども墜落していった。
通信は、そこで途切れた。
突然の出来事に、驚きと心配を隠せないシロノ。
だが今更出来ることもなく、せいぜいマリンの無事を、祈るくらいしかない。
それに、レース機のコックピットブロックは脱出ポットであり、強固な作りでなおかつ、可能な限り衝撃を和らげるように作られている。
最悪、墜落の仕方が悪く、機体はバラバラになろうとも、パイロットは無事なはずだ。
――ついてないですね、マリン。でも彼女の実力なら、何とか立て直せると、そう願うしかありませんね――
相手の無事を祈るシロノ。そして正面ディスプレイに目に移すと、ようやく出口が見えた。
今まで飛行していた、暗く灰色な雲に覆われ、豪雨と暴風が吹き荒れる空。
しかし、ディスプレイに映る空の先には、白く輝、日の光のカーテンが下りている。
――どうやら嵐は、あそこまでですね。ようやく、この嵐ともオサラバです――
シロノは安堵の息をつく。
――第三陣のレース機はほぼ超しましたし、あの先を行くのは、第二、第一陣のレース機と……それに、ジンジャーブレッドのブラッククラッカー。彼も先に行っていますし、私も急ぎませんとね――
既に一番の相手は、さらに先へと越していた。
『白の貴公子』、そんな異名を持つほどのプロレーサーである彼でさえ、レースはまだまだこれからだ。
――――
墜落して行く、クリムゾンフレイム。
そのコックピットでマリンは、制御を立て直そうとしている。だがそれは、難しそうであった。
――機体は、クルクル回転が速いし、周りの気流だって。……それに、落下の速度も――
彼女は、苦渋の表情を見せる。
――やっぱり恋愛感情を捨てて、目先の勝負ばかりに集中したのが、不味かったかな? 慣れない事なんて、ね。
ごめんねシロノ、格好悪い所を見せて――
後悔しながらも、マリンは手を止めることなく動かし、スラスター制御を行い、墜落から再飛行するためのブースター数度、試しに動かす。衝突した誤作動で、停止してしまっていたからだ。
しかしそんなさ中にも、海面は刻一刻と迫る。
姿勢は、幾らかは直った。後は再び飛び立つだけだ。
――これでどうにか。だから、お願い! クリムゾンフレイム!――
もはや猶予もない。下の海までぎりぎりまで迫っている。
そう願い、マリンは全力で下部のスラスターとブースターを、起動させた。
瞬間……高い水飛沫が巻き上がり、高い波を立てながら無事、クリムゾンフレイムは再び飛び立った。
初めは低空だったが、次第に高く空に上がる。
これにはマリンも、歓喜の様子を見せた。
――ふっ! 私だってまだまだ行けるわ!
……それにやっぱり、レースも、恋愛も全力で行かないとね。どの道一番で優勝すれば、シロノは私のものだし、伝説のジンジャーブレッドに勝てば、私が宇宙一のレーサーだって証明にだって――
視界の先には、厚い雲の切れ目が見える。ここから先が嵐の出口だ。
――待っていなさいよ! 少し遅れちゃったけど、クリムゾンフレイムならすぐに、追いついてみせるんだから!――
クリムゾンフレイムは遅れた分を取り戻そうと、ブースターを強力に噴かして先を急ぐ。
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