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プロローグ
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とある田舎の農村にて、1人の男児が生まれた。質素ではありながらも仲睦まじく暮らす、どの田舎の農村にもいそうな平均的な夫婦。その夫婦から子が生まれた。身長、体重、共に平均的であり健康状態にも申し分ない。見たところ、他の赤ちゃんと何ら変わりのない、恵まれた子であった。
━━━━ただ一つの点を除けば
もしその点さえなければ、その子供は他の子供と同じように育ち、結婚し、子を育て、そして幸せな一生涯を全うしたであろう。しかし、現実はそうではなかった。普通の子供の目は、黒目や青目、はたまた金色の目であるのに対しその子の目は、まるで血の海に浸したかのように濡れた紅い色の目であった。
ここはとある王国の辺境に位置する農村だが、王国に伝わる絶対的なルールとして、紅い目の子が生まれた場合すぐさまその子を殺さなくてはいけないことになっている。
王国に伝わる伝統として、紅い目の子は国に災いをもたらす人災であることが、王国の中央政府直轄の対魔研究会によって認定されている。
「何で……何で、この子が……」
悔しさと悲しさに満ち溢れた涙を流しながら、母親は、茫然自失とする父親のかたわらで言葉を発した。
通常、人災認定されるような子供は、それこそ王国護衛団の一翼を担うような武闘派の家系から生まれるものだ。それも毎年生まれるわけではなく、数年に一回あるかないかぐらいだ。
それなのに…………
「………何故、この子なんだ……」
父親は我が子をギュッと抱きしめた。
「……私には殺せないわ」
「僕だって無理だ」
自分たちで産んだ子を自分たちの手で殺す。そんなこと、できるはずがなかった。
━━━━━ふと、父親にある考えが浮かんだ
「そうだ、この子を育てよう」
と。
━━━━ただ一つの点を除けば
もしその点さえなければ、その子供は他の子供と同じように育ち、結婚し、子を育て、そして幸せな一生涯を全うしたであろう。しかし、現実はそうではなかった。普通の子供の目は、黒目や青目、はたまた金色の目であるのに対しその子の目は、まるで血の海に浸したかのように濡れた紅い色の目であった。
ここはとある王国の辺境に位置する農村だが、王国に伝わる絶対的なルールとして、紅い目の子が生まれた場合すぐさまその子を殺さなくてはいけないことになっている。
王国に伝わる伝統として、紅い目の子は国に災いをもたらす人災であることが、王国の中央政府直轄の対魔研究会によって認定されている。
「何で……何で、この子が……」
悔しさと悲しさに満ち溢れた涙を流しながら、母親は、茫然自失とする父親のかたわらで言葉を発した。
通常、人災認定されるような子供は、それこそ王国護衛団の一翼を担うような武闘派の家系から生まれるものだ。それも毎年生まれるわけではなく、数年に一回あるかないかぐらいだ。
それなのに…………
「………何故、この子なんだ……」
父親は我が子をギュッと抱きしめた。
「……私には殺せないわ」
「僕だって無理だ」
自分たちで産んだ子を自分たちの手で殺す。そんなこと、できるはずがなかった。
━━━━━ふと、父親にある考えが浮かんだ
「そうだ、この子を育てよう」
と。
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