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「シン・ドーナツ/紗妖香(さやか)の都合」/冬宮あみ シチュエーション・ロマンス作品集2

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紗妖香の怒声が響く。

「孝雄さん!あなたは私をバカにしてるの!?イケメンだからっていい気にならないで!」

「とんでもございません!完全に僕のミスです…。本当にすみませんでした!」

「口先だけで謝れば済むと思ってるの?どうすれば誠意が伝わるかよく考えなさい!」

「すぐにご自宅にご注文のドーナツをお届けします」

受話器を置くと、孝雄は目の前が真っ暗になった。

何て日だ。

今日はショックな出来事が立て続けに起こった。

恋人から突然別れを告げられたこと、数年来お世話になってきた常連客の紗妖香を怒らせてしまったこと…。

とにかく今は急いで紗妖香の自宅を訪問し、謝罪しなければならない。紗妖香の注文品は更衣室の自分のロッカーにあるはずだ。

もう閉店の時間。

店長に相談し、紗妖香の件を処理したら直帰できることになった。

謝罪の準備に動き周りながら、なんとか冷静になろうと努め、頭の中で状況を整理する。

そう、今日は恋人の誕生日。

勤めているスイーツショップを退勤したら、ホテルの展望ラウンジでお祝いする計画だった。

プレゼントも用意してある。

でも先週あたりから彼女の様子がおかしくなった。

電話が来なくなったし、こちらからメールしても対応が素っ気ない。

会ったらその事情も訊いてみるつもりだった。

ところが、今日の昼時になって(誕生日は別の人にお祝いしてもらうことになった。もう会えない。今までありがとう。さようなら)という一方的なメールが来てそれっきりとなってしまった。

「僕が何か悪いことをしたのだろうか?誰と会うのだろう?過去のけんかを恨んでいるのだろうか?…」

ネガティブな思考がグルグルと脳内を巡り、仕事が手につかない。

小さなミスをたくさん重ねた。

そして、来店した紗妖香に渡すべき商品を取り違えて、よりによってアレを渡してしまった…。

2年ほど前、孝雄が入社して最初に接客した相手が紗妖香であった。

お店のスイーツを大変気に入ってくれており、時々大口の注文や取引先の紹介をいただいたこともある。

孝雄のことを弟のようにかわいがっており、少々ミスをしても怒ったりせず、優しくアドバイスをしてくれたり、接客のコツを教えてくれた。

ちょっとぽっちゃりしてて、ふくよかな胸元。

メリハリが効いて起伏に富んだヒップライン。

きゃぴきゃぴしてない落ち着いた潤いのある声。

いつも仄かに漂う甘い女性らしい香り…。

文房具やアクセ雑貨のデザイナーで、ウェブでオリジナルブランドを展開しており、新聞に取り上げられたこともある。

自立している尊敬できるお姉さんだ。

その紗妖香をあんなにキレさせてしまうなんて…。

孝雄は沈んだ気持ちで夕暮れの街にトボトボと向かった。

何度か配達に行ったことがある紗妖香のマンションが見えてきた。

一人暮らしだが、ファミリー向けの1戸をアトリエ兼用に使っている。

逡巡のすえ、意を決してエントランスゲートのコールボタンを押す。

「入りなさい。部屋の鍵も開いてるわ」

それだけ言うと回線が切れた。

「あの、このたびは誠に申し訳ございませんでした」

部屋に入るなり、孝雄は深々と頭を下げる。

「とにかくお掛けなさい」

二人はリビングのソファで向かい合って座った。

テーブルの上には取り違えたケーキ箱。

「こんなことをするなんてあなたらしくないわ。どんな事情があったの?」

紗妖香は怒気を含んだ語調ながら、冷静に感情を抑えているようだ。

火照った頬に少しお酒の匂いがする。

「えと…、今日、彼女に振られました。誕生日のお祝いをする予定だったのに…。それで、用意したものが…」

「新作ドーナツだっていうから楽しみに持ち帰って、開けてみたらこれが入っていたわ」

紗妖香が箱を開けた。

そこにあるのはスイーツの類ではない。

吸引機能付きクリトリス専用ローター。

しかも、それはパッケージから取り出され、使用した直後のように泡立った粘液にまみれ、濡れて光っている。

「遂に登場!究極のクリトリス専用オナニーマシン・クリQUEEN!!普通のローターに飽き足らない上級者の貴女に贈る夜の秘密道具。人の手のひらを模したリアルな造形。ヴァギナに覆い被せるようにセットしたらスイッチオン!指1本1本に仕込まれた5つの小型強力モーターが7つの強弱パターンを駆使して、恥丘、大陰唇、小陰唇、膣口を緩急巧みにマッサージ。人の舌の感触に近いシリコン製のヒダヒダが連動し、まるでクンニリングスされているかのような感覚を味わえます。また、吸い口部分をクリトリスに密着させ吸引ボタンを押すと、専用AIモーターが状況を忖度して作動!シリコン舌でペロペロしながら強力にキュイーンと吸引します。完全防水仕様なので愛液や潮吹きもへっちゃら。水洗いできて清潔です。業界最高水準の静音設計。スタミナバッテリー内蔵、USB充電対応。オナニーのお供に、セックスの小道具に大活躍!今夜もヤッちゃいましょう!イッちゃいましょう!姉妹品:Gスポット突き突き機能付き電動リアルディルド・ペニQUEENもよろしく!」

紗妖香がパッケージの説明文を淡々と読み上げる。

憧れのお姉さんが真顔で淫語を発声する場違いな光景。

孝雄はあっけに取られながらも誤解を解くために懸命に説明する。

「これ…本当は彼女へのプレゼントだったんです。サプライズでケーキ箱に入れて渡すつもりで、お店でこっそり用意してるときにお別れメールが来て、僕もパニックになっちゃって…」

「それで、私の注文品と取り違えたのね?」

「はい…。自分のロッカーにしまったつもりが、しまったのは紗妖香さんの注文品の方で、ローターの方を紗妖香さん宛てに包装してしまったんです…。本当にすみません」

「私はてっきり、これを使えっていう意図だと思ったわ」

「使ったん…ですか?」

孝雄が恐る恐る尋ねる。

紗妖香の長く深いため息。

そして、静かに、けれど早口に答える。

「ムラムラして使っちゃったわ。気持ちよかったぁ。でも…、段々腹が立ってきたの。私が毎日オナニーしてて、物足りない思いをしていることを知ってて、わざとこういうものを渡してきたんでしょ?」

「そんなつもりでは…。本当に単なる間違いで…」

「しかもクリ専用!こんなものを使った後には、絶対おまんこに本物のちんぽが欲しくなるに決まってるじゃない!ますますムッラムッラして困ってる私を、あなたは笑い者にしてるんでしょ!?」

紗妖香が激高する。

「笑い者になんてしてません…。紗妖香さんみたいに素敵な人がそんなに性欲を持て余しているなんて、想像もできないです…」

「持て余してるなんてもんじゃないわ!四六時中ちんぽと精子のことで頭ん中は一杯っ!出先でも疼いて疼いてしょっちゅうトイレに駆け込んでバイブオナニー!仕事だってはかどりゃしない!」

「紗妖香さんなら普通に歩いてるだけでも声を掛けられそうですし、すぐに彼氏できると思いますけど…」

「彼氏なんてめんどくさいものは要らないわ。私が欲しいのは、必要なときにいつでも私を気持ちよ~く癒してくれるペットみたいな男。おっぱいも脇の下もおまんこも肛門もペロペロ舐めて、鉄の棍棒みたいな硬~い生ちんぽで、優しく激しく、子宮の奥までズコズコ突いて、私がイクまで何度でも、何~度でも射精できるタフな慰安夫。エッチしたからって、恋人気取りで付きまとったりしない、ちゃ~んとわきまえてる肉紳士。それに!新作ドーナツは?ワインと一緒に味わおうと、お腹ペコペコで楽しみにして帰ってきたのにぃ!私の久しぶりの安息の夜が台無しっ!一体どうしてくれるのよ!」

「本当に…すみません。事情はわかりました。ドーナツは持参してますが、僕なりの誠意をもってお渡しします。少しだけ待っていてください」

孝雄はリビングから一旦廊下に退出し、扉の裏でなにやらモゾモゾやってから再び現れた。

「お待たせしました」

「!!」

孝雄の姿に仰天する紗妖香。

全裸。

そして、フル勃起して天空を仰ぐペニスに貫かれた新作ドーナツ。

まるで輪投げの的にハマった輪のように。

「シン・ドーナツです」

「新ドーナツ?…真?それとも…神?」

「正解はありません。食べる人が感じた思いがその人の答えです。英語のTHIN(スィン・細い)も掛けてます」

「確かに普通のドーナツより生地が細いわね。私の手の輪とほとんど同じサイズだわ」

思いの丈を吐き出して、多少冷静になったらしい紗妖香。

その白くて艶めかしい両手の人差指と親指どうしをくっつけて輪を作ってみせた。

「生地を細くしてボリュームを3分の1に抑えています。一度にたくさんの種類が楽しめるような配慮です。トッピングや組み合わせの違いで31種の味あります」

「いい発想だわ。普通のドーナツなら2~3個でお腹いっぱいだけど、このサイズなら何個でも食べられる。早速いただこうかしら」

「どうぞお召し上がりください。よかったら…この僕も…。これが…僕の誠意です」

「ふふふ、イケメン細マッチョで、きれいな体をしているのに、ちんぽにドーナツ…。ギャップに萌えるわ。うーん、どっちも美味しそうね」

紗妖香は仁王立ちの孝雄の前に跪き、ペニスとドーナツをしげしげと見つめる。

パンパンに張り切って赤黒い光沢をまとうツヤツヤの亀頭。

ドクンドクンという肉茎の脈動に合わせて小さく揺れるドーナツ。

「いただきます」

まず紗妖香はドーナツに口を付けた。

「おいしい!外はサクサクで中はしっとり。普通のドーナツみたいなズッシリ感がない。香ばしいけど癖もないし、色んなトッピングにも合いそうね」

「クッキーシューの生地で軽く仕上げています。これはプレーンシュガー味ですが、輪の中にチョコやクリームを仕込むこともできます」

「じゃあ、2個めはチョコにするわ。でも、その前に…」

紗妖香はドーナツを平らげると、愛玩犬を可愛がるように、反り返る肉サラミに頬擦りしながら上目遣いで孝雄を見つめる。

ボヨ~ンボヨンとバネを弾ませてじゃれ付く亀頭。

「このちんぽ、ドーナツを引っ掛けるために、わざわざ立たせたの?」

「いえ、紗妖香さんが使ったローターを見てたら、僕もエキサイトしてきて、納まりがつかなくなってしまって…」

「今日彼女に振られたんなら、ちょうどよかったわ。この立派なちんぽは私が使うわよ」

「はい、紗妖香さんにご満足いただけるようがんばります」

「ふふ、こんなに硬くしてぇ。こうすればもっとエキサイトするのかしら?」

紗妖香はニヤニヤと悪魔的に微笑しながら、口から舌先だけ出して、ポコンポコンと血管の浮き出た肉竿や亀頭のカリ首、裏筋をチロチロ舐めた。

「はあぁ、はあぁ~。すごく…、興奮します…」

肉うまい棒はいちいち律儀にビクンビクン反応する。

亀頭の先の割れ目からは透明な汁が滲み出て来て、垂れそうになっている。

チロッと舐めるとツツ―ッと糸を引く。

「ガマン汁ぅ~しょっぱいぃ~。(チロッチロッ)ふふふふ…」

「はぁ~ふぅ~」

「竿も金玉袋も(チロッチロッ)ちゃんときれいに陰毛が剃ってあるのねぇ。(チロッチロッ)すごく舐めやすいわ。ふふふ。へそ下の(チロッチロッ)チョビ髭みたいな残し毛もかわいいわ。(チロッチロッ)」

「はぁはぁ、彼女が…、毛深いのが苦手なので、はぁはぁ。エッチの前には剃ってるんです。はぁはぁ、ううぅ。舌だけじゃなく、口で咥えてほしいです…」

「ふふん。ちゃんとフェラチオしてほしいの?」

「はい、はぁはぁ、フェラされるの大好きです…」

「いいわよ。しゃぷしゃぷしてあげる。その代わり後で私の舐め犬になってしっかりご奉仕するのよ」

「はぁはぁ、わかりました…」

「パクッ、んぐ、あぐ、ジューポッ…ジューポッ…ジューポッ…」

「はぁうぅ、舌すごい…。おぉぅ~吸われるぅ~」

紗妖香は舌をレロレロしながらペニスを先端から根元まで咥えこみ、ゆっくり口ピストンを施す。

その小梅みたいな「おちょぼ口」のどこにこんなド太い肉バットが入る余地があるのだろう?

「んぐぐ、おいひい~。ズォーチャッ…ズォーチャッ…ズォーチャッ…」

湿った吸引音とともに、その頬は凹んだ膨らんだり。

「吸い込まれるぅぅ~」

孝雄は悲鳴のような声をあげる。

「ここも?ここも?」

紗妖香が同時多発エロ開始。

口でおしゃぶりタスクをこなしながら、右手は玉袋をこちょこちょ優しくマッサージ。

左手は孝雄の男らしい小振りな乳首をチネッチネッと摘まみ摘まみしたり、ポチポチポチッとトリプルクリック。

職人技のスムーズな3点責めに孝雄は耐えきれない。

「あおぅ~、き…気持ちぃいいい~。はぁはぁ。あぃん~、い…いぎっ…そう~」

「え?もう?」

思わずフェラを中断し孝雄の顔を睨めつける紗妖香。

その口元から垂れるヨダレを気にも留めない。

我慢が利かない弱虫チンチンは今にも射精せんばかりにピックピックピックピックと小刻みに痙攣している。

「しょうがないわねえ。じゃぁ一回イキなさい。ほら」

紗妖香はガッシと男根を握るとシコシコしごき始めた。

「あぉふっ、はぁはぁ。そんなにしたらっ、はぁはぁ。もうっ~」

「精子(シコシコ)飛ぶとこ、(シコシコシコ)見せなさい。(シコシコシコシコ…)」

「あヲぅっ、い、イッぐぅ~~」

ビュッシュッ、シューゥゥゥン、ピッシュッピッシュッ、ベチャベチャッ、ベチョッ。

風切り音とともにペニキャノンから白濁弾が発射。

紗妖香の頬を汚し、跳弾してなお、額や髪の毛、部屋着まで汚染し、床にも散った。

周囲は独特の粉物臭い精液の芳香に包まれる。

「やだ~顔射浴びちゃった~。ザーメン熱い~、ザーメン臭い~」

「はあぁはあぁ、す…すみません…はあぁ」

「ふふふ、いいのよ。ザー汁ぶっかけられるのは嫌いじゃないの。発射の瞬間も見れたし。一瞬、亀の頭がプクッて膨らんで、普段は閉じてる先っぽの割れ目が、ぽ、って言って開いて、ブルブルッて震えて、ピュッて出るのよね。ふふん、かわいい。それにしてもすごい量ね」

「彼女とのエッチに…はぁはぁ。備えて…1週間…はぁはぁ。溜めてました…はぁはぁ」

「スケベねぇ。こんなネバネバの濃ゆ~い膿を1週間も溜めてたら、変な病気になっちゃうわよ。どうれ、きれいにしてあげる」

自分の顔に付着した粘り汁が顎からプラ~ンと垂れているのも構わず、紗妖香は再びペニ棒に舌を付けた。

射精直後のペニスは、ヒクヒク引きつっていて、最大仰角から角度を落とし徐々に下を向き始めている。

「あぁはぁ…あぁはぁ…イッた後、舐められるのも気持ちいいです…」

「おちんぽ亀の張りが引いて、粘膜の表面がシワシワになってる。ふふん、可哀想~」

ちん棒をひととおりペロペロ舐めてからカプッと亀頭を咥える。

激しさを抑えた優しいお掃除フェラ。

唇をすぼめ、ペニスをストローみたいにチューチュー吸って、尿道の中に残った精液の残滓も容赦なくすすり取る。

「ああ、あぁ~」

気持ちがいいのか、辛いのか、表情を歪めて声を漏らす孝雄。

「やっぱり若い男の生ちんぽはおいしいわ。不潔な器官だし、汗臭いのと精子臭いのが混じって、臭っさ汚いはずなのに、舐めたくてたまらなくなるのよねぇ。不思議…」

「臭さ汚くて…すみません」

「でも、私の口に合う風味よ。このカルピスもね」

紗妖香は舌を伸ばして口の周りに貼り付いたネバネバ汁を舐めとり、口の中でゆっくり咀嚼し飲み干した。

「さあ、次は私に尽くしてちょうだい」

紗妖香はゆっくり立ちあがり、孝雄の手を取りベッドルームに誘導する。

「あ、これも…」

孝雄は気を利かせてクリ専用ローターを持つ。

ふかふかのダブルベッド、壁の大きな鏡。

シンプルだが優雅な寝室は仄かにナチュラルなアロマの香りに満ち、とても気持ちが落ち着く空間だった。

「彼女とはお付き合いは長いの?」

顔や髪にベットリ付着した男汁をウェットティッシュで拭いながら、紗妖香が尋ねる。

「1年くらいです」

「普段はどんなエッチしてるの?誕生日にローターあげるくらいだから、いつも変態プレイしてるんでしょ?」

「自分ではそんなに変態とは思いませんが、思い返すと、彼女には辛いことを求めちゃったのかなって…」

「どんな要求?」

「強引にフェラさせたり、目の前でおしっこさせたりとか…」

「ほほほほ。かわいい変態ね。元々相性が合わなかったのよ。別れられてよかったじゃない」

「ポジティブですね…」

「ふふふ。別な女とエッチすれば元気が戻るわよ。さあ、私のも脱がせて。あなたが汚したのよ、このイカ臭いワンピース」

「こうですか?」

頭ひとつ小さい紗妖香に相対し、孝雄は素直にその部屋着を脱がしにかかる。

ゆったりした丈のあるワンピースの裾を丁寧に持ち上げる。

脛、膝、太股…と徐々にその体が露わになる。

柔らかそうな張りのある肌。

太陽の下の雪のようにツヤツヤ輝く驚きの白さ。

その眩しさに目を細める孝雄の肉息子は、また上を向き始める。

ピンクのショーツ、腰のくびれ、揃いのブラ…。

どれも宝石のように煌めいている。

遂にワンピをめくりきり、子どものようにバンザイする紗妖香から剥がし去る。

なんと豊かなボディ。

女体はこうも起伏に富んでいるものなのか。

「ブラも」

「はい」

抱きつくように手を回し、背のフックを外すと乳房の弾力でブラが跳ね、孝雄の体に当たる。

「ほら、おっぱいよ」

「はあぁっ、きれいです…」

たわわに実った乳房は何カップかは判らないが、ブラのサイズでは聞き慣れないアルファベットだろう。

垂れて形崩れすることもなく優美な曲線を保っている。

紗妖香のごく些細な所作にも忠実に付従し、プルルンプルルンと揺れる。

ツンと上を向いた桜色の乳首、大きすぎず小さすぎず黄金比を体現した乳輪。

ため息と共に見とれるしかない。

「おっぱいでギュってしてあげる」

「あ…はい…」

恍惚から醒めやらぬ孝雄は、ゆっくり膝立ちになり、弾む肉の谷間に両頬を当ててみる。

温かくて柔らかい。

マシュマロパイに深く顔を埋ずめる。

ムギュギュ~、ムギュギュ~。

「男の人っておっぱいに挟まれるの好きよね。ふふふ」

「うふぅ。この多幸感、半端ないです。彼女のこと忘れられそう…」

「でしょ?さ、舐めなさい」

舌を伸ばし下乳から舐め始める。

顎で円を描くように顔を大きく動かし、乳房の外周から渦巻の軌跡を残しながらエロ舌が乳首を目指す。

片手でもうひとつの乳房を揉み揉み、揉み揉み、揺っさ揺っさ、揺っさ揺っさ。

本当に柔らかい。

手の平に余るボリュームに孝雄の中の情欲の炎が火力を増す。

乳首をクキュッ、クキュッと摘まんだり、人差し指のワイパーでポヨン、ポヨンと弾く。

「うっふぅ~、あん~」

紗妖香の口からは怒声とは全く違う鳴き声が漏れる。

もうすっかり機嫌は直ったようだ。

「もっとペロペロして、そうそう。もっとチュパチュパ吸うのよ。そう」

「こうれふかぁ?ベロロ~ベロロ~。うぐっあぐっ。ヂュッパ~ヂュッパ~ヂュッパ~」

乳首を口に吸い込み、舌を鞭のように動かし乱打する。

口の中は嵐のようだ。

「あふぅ~。いいぃ~。チクニーより気持ちいいぃ~。ほら、脇もよぉ~」

無毛に近い脇の下にも活発な舌が伸びる。

「僕…ベロロ、ベロロ…。人生初の脇舐め…ベロロ、ベロロ…。です…」

口と手で乳房や脇の下に奉仕しながら、孝雄のもう片方の手は、落差の激しいウェストとヒップを撫でまわしている。

アコースティックギターのひょうたん型の形状は女体を模したものだと以前聞いたことがある。

目の前のこの体がそのモデルになったと言われたら信じてしまいそうだ。

紗妖香の呼吸は乱れ、真っ白な全身の肌も桃色を帯びて上気してきた。

「ショーツも脱がせて…」

「はい…」

乳房への愛撫を一時休止し、秘貝を包む小さな布地に手をかける。

そのピンクの底部にはすでに濡れ染みができている。

ゆっくりとずり下げる。

「おお…」

感嘆する孝雄。

盛り上がる恥丘に幼女のような一筋の割れ目。

その割れ目から濡れ染みにネバ~ッと糸が伸びる。

陰毛は極端に細く少ない。

「きれいだ…」

陰部が露わになった途端、ヌア~ッと熱を帯びた性臭が漂う。

男を狂わせる匂いだ。

「どう?舐めたい?」

「…舐めたいです…」

「ふふっ。お舐め」

陰毛の上からキスをする。

舌を伸ばして割れ目の周りからペロリペロリ。

そして、舌先を谷間に滑り込ませ、その奥を掘るようにタフに地道に動かす。

ジュルルル~、ジュルルル~とクリトリスも吸う。

「あうぅ~ん、くぅ~ん…」

紗妖香の子猫のような声が漏れる。

両手で孝雄の頭をグイグイと自分の股間に押さえ付ける。

孝雄もそれに応えて息苦しさに耐えながら、吸って舐めてしゃぶり続ける。

愛液が溢れに溢れ、ポタポタとフローリング床に垂れる。

軟化して広がった割れ目からは生ホタテの貝ヒモのような濡れたビラビラの小陰唇がはみ出している。

「あはあん~。気持ちぃ~。指も使ってぇ」

「ペロッ、チュパッ、ペロッ、チュパッ、かうれしゅか?」

ジュブブブ。

膣口から2本指をゆっくり真っ直ぐ刺す。

グリン、グリン、回転。

「あゎあゎあゎあゎ~」

さっきと違う声質でよがる。

100回転した後、今度はフック船長の義手みたいに鉤形に曲げた、その2本指で濡れ壺の中を優しく引っ掻きまわすように責め立てる。

「ぅふぁふぉふ~ぅふぁふぉふ~」

シャッシャッ、シャーッ。

シャッシャッ、シャーッ。

「わっ」

突然の潮吹きに驚く孝雄。

「す、すごい…。顔に掛かっちゃいました…」

「あぅふぅん、ごめんね。だってぇ、そのいやらしい指がぁ、噴射ボタン押すんだもん…」

「お潮…ちょっとしょっぱいです」

「ふふっ。そりゃあ、シオだからねぇ。ほら、きれいにお掃除クンニしなさい」

「はい…。ペロロ~チュルル~…」

「気持ちうぃ~よ~。後ろからも舐めてぇ」

くるりと後ろ向きになり、バレーボールのレシーバーのように尻を突き出す紗妖香。

熟れた果実のような、はちきれんばかりの桃尻肉。

むしゃぶりつきたい衝動を抑え切れない。

「お尻もきれいです…。レロンッ、ベロロッ、チュッパチュッパ。お尻の穴も、ペチャチャ、ズズズ、ペチャチャ、ズズズ、ひくひく言ってます」

尻の割れ目に顔を埋め、膣穴、会陰、肛門と丁寧な舌仕事で献身する孝雄。

「あひふぅ~うぃいぃ~…。ねえ、次こっち…」

紗妖香は孝雄の手を引き、ベッドに腰かける。

「もう回復したでしょ?」

ベッドサイドに立たせた孝雄のペニスをあんぐっと咥えて、レロレロ、ベロベロと勃起度合を確認する。

「うん。使える使える。ちんぽぉ、リバイブ!」

少女のようにはしゃぐ紗妖香。

再度フル勃起したことが判ると、その肉竿をむんずと握る。

ベッドにゆっくり仰向けになりながら開脚し、握ったペニスを自分の淫貝に導き引っ張る。

「あ、ちょっ…。痛ててて…」

なすがままの孝雄。

なし崩しに挿入。

ボッキボッキに濡れ濡れだからスムーズだ。

「あぁん~ふぅん~」

「あふふ~、生で挿れちゃって大丈夫ですか?」

「んあぅ~。ピル飲んでるから平気…。あんん。突いて~」

「はぁう~、中…、すごく熱い…。燃えてる」

ズボーッシュ、シュボーッシュ、ズボーッシュ、シュボーッシュ…。

最長ストロークでゆっくりピストン。

「そう、そう、そう、そう~。はうぃ~気持ち~。ちんぽぉ~いいぃ~」

「おまんこもいいですぅ~。締まるぅ~。絡むぅ~。すごい~」

ズボッシュズボッシュ、ズボッシュズボッシュ…。

ピストンはヒートアップ。

ズボッシュズボッシュ、ズボッシュズボッシュ…。

紗妖香の体に肉の波涛が伝わり、乳房も八方に乱舞。

ズボッシュズボッシュ、ズボッシュズボッシュ…。

「やっぱりぃ~男ってぇ~いい~。ちんぽぉちんぽぉちんぽぉぉ~。いくぅ~いくぅ~いくぅ~」

シャッシャッ、シャーッ、シャッシャッ、シャーッ。

「また…潮ぉ。すごうぃ~。やば。あぁっ。い。い。いっぐぅ~」

「見せてぇ、見せてぇ。精子ぃ~、精子ぃ~」

イク直前にペニスを引き抜く。

ジュボゥン!ピシュッ!ピシュシュシュッ!ビュシュッ!

勢いよく撃たれたホットカルピスは、飛び石のようにバウンドし、紗妖香のヴィーナス丘、若草のアンダーヘアー、ウエスト、乳房、鎖骨まで広範囲に跳梁跋扈。

「アチチッ!はふうぅっ、はふうぅっ。熱い…。すごい飛んだね。はあふぅ」

「はああ、はああ。また汚しちゃいました…。はああ、はああ」

潮汁、ザーメン、愛液、二人の汗やよだれ…。

体もシーツもぐっちょぐちょ。

部屋中が栗臭いようなチーズ臭いような野生の獣臭で満ちている。

もはやアロマも効かない。

「次はバックから突いてちょうだい…、クリローターも使いながらね」

「はああ、ちょっと待って…ください。はああ、今イッたばかりで…」

「どうれ、立たせてあげる。ペロペロ、パクッ、レレロロ、レレロロ…」

「あぶぶぅ」

「ふふ。フニャっとしてる。横になって股を広げて」

「続けて2発も出したから…勃つまで時間かかるかも…」

「自分で足を持ってM字開脚しなさい」

「てへへ…。男のM字って恥ずかしいです」

ふと壁の大鏡を一瞥すると、両脚を抱えてに丸く寝そべる男の肉バナナを、豊饒な肉体を持つメス狼が四つん這いになって捕食する図だ。

ルネサンス期にもこんなにストレートに女の性欲を描いた作品はなかった。

いつの間に用意したのか、紗妖香は自分の人差指にコンドームを被せている。

そしてまた、孝雄の股間に覆いかぶさり半立ちのぺニスをペロペロ舐める。

コンドーム付きの指は玉袋をこちょこちょしていると思いきや、孝雄の肛門をなぞりなぞりしている。

「せっかくチン毛は剃ってあるのに、ケツ毛はモジャモジャ。普段から金玉袋の裏もクソ穴の周りも全部きれいにしておきなさい」

ズボボッ!

「あ!そ、そこは!ダメです!あが!」

ゴム指がズブズブッと肛門に侵入。

「大丈夫だよ。このゴム、ローション付きだから痛くないよ」

案外スムーズに入る。

「ちょっ!やめてくだ…あぐぅ!!」

紗妖香は孝雄の片脚を丸太ん棒でも担ぐように自分の肩にガッチリとホールドしていてもがいても逃がさない。

意外に怪力だ。

紗妖香は冷静に孝雄の表情、目の前の肉茸の反応を観察しながら、慎重に指を動かす。

「このへんかな?前立腺」

「え?うががががあ!」

「男の人ってここいじられると気持いいんでしょ?」

肛門から7~8cmのポイントを確定するとヘソ方向へグイグイ押す。

「ぽわぅ。あ、あれ?これって…。ええ?あふひゅうぅ…」

「どんな感じ?」

「なんか…、変な感じ…。射精とは違う気持ち良さで…。脳が痺れるっていうか…。あ、汚い例えですけど、太くて硬いウンチが出るときもこんな感覚が…」

「気持ちいいのね。じゃあ、もっとやってあげる」

「んがぐうううぅ~」

「ふふふ。ちんぽも硬くなってきたわ」

「あうあうふ。ほんとだ…」

マルチタスクの得意な紗妖香は指ジョブと同時に、目の前の生ソーセージをほおばり、舌と唾液と吸い込みで再び硬く育てている。

孝雄に何度目かの前立腺エクスタシーが訪れた。

「ちんぽビンビンね。はい、じゃあ、前立腺おしまい。次は私の番。ほらぁバックバックぅ~。犯してぇ~」

「は…はい…」

ぬぶぶぶぶぶぶぶぅ。

「ああん~。ふううん~…クリトリスにもローター当てて…。吸~引~、吸~引~。そうそう…あっふぅ~」

……………………………………………………………………………………

枯れない泉を何度貫いたことだろう。

何発射精したことだろう。

どれだけの体液を放出したことだろう。

何時間経ったのだろう。

もう体力も考える気力も途切れ、勃起も射精もしなくなった孝雄。

時々ワインで喉を潤し、合間にペニス刺しチョコドーナツを食べ、ご満悦の紗妖香。

「あぁ、気持よかったぁ、ありがとう。満足できたわ。おかげでしばらくは仕事に集中できそうよ」

「はあ、はあ、はあ…」

「無理させちゃったね。ごめんね」

「いえ、僕も…はあ…気持ち…よかった…です…。はあ」

「私ってね、エッチのときに人が変わるんだって」

「彼氏に言われたんですか?」

「うん。性欲おばけとか、SMしない女王様とかも言われた」

「今の今まで想像つかなかったです」

「セックスの欲求不満が溜まってくると狂ったように男を求めて、お酒が入るともっとひどくなって、何回もやり続けて、満たされるとケロッとして元に戻るんだって。こんな女って引く?」

「いえ…。最初はちょっとビックリしましたけど。それだけ自分に素直っていうことですよ。僕だってしょっちゅう女の子とエッチするところを想像しますし」

「まあ、素直すぎるのかなあ。彼氏がいてもエッチして充足すると、すぐに相手のことなんかどうでもよくなって、邪険にしちゃうの。1週間もすると、またムラムラしておちんちんが欲しくなってきて、仕事も手につかなくなるんだけどね…」

「ある意味、男らしい性欲ですね」

「ふふふ。女の皮を被ったおっさんって言われたこともあるわ。スケベなおっさんは最初は女性にいろいろ優しくするけど、射精して満足した途端に冷たくなったりするでしょ?エッチして精子を出すことがゴールだから、その先は無いのよ」

「そういうのわかります。僕だって、ムラッと来たとき、ナンパみたいに出会って、今後会うこともない相手には、エッチの後はもう興味がなくなるってことありますし」

「話が合うわね。逆にエッチのたびに恋愛沙汰になってたら、めんどくさくてしょうがないわ。お腹が空いたらごはんが食べたくなるし、疲れたら眠くなる。それと同じ。ムラムラしたらちんちんが欲しくなる。ただそれだけなのよ。相手が誰でもいいってことはないけどね」

「女性にもそういう感覚ってあるんですね」

「ええ。貞淑が美徳と考える世間の人達にはあんまり共感は得られないでしょうけど。さあ、ここまで本音で話したら、次はどう動けばいいか、あなたには察しがつくんじゃない?」

「わかりました。紗妖香さんがご満足できたみたいなので、僕はもう帰ります。今日は久しぶりの安息日なんですよね。どうぞゆっくりお休みください」

「私のキャラを分かってくれてありがとう。気を付けてお帰りなさい」

「ありがとうございます。また僕が入り用なら呼んでください。飛んで来ますから」

「ふふっ。たぶん1週間ももたずに呼ぶことになるわ。また注文するから今日みたいに体を張って届けてちょうだい。シン…、いえ、チン・ドーナツをね」

(END)
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