296 / 361
9人いれば
しおりを挟む構内踏み切りを渡ると、右側にある倉庫は
綺麗に塗りなおされて。
seven stars in kyusyu と、金色の☆が描かれていた。
パティは「野球部ね」と、にこにこ。
友里絵は「へー。女子野球部かー。よく飛んだでしょ、タマ」
パティ「タマ?ハイ。場外ホームラーン!」と、スイングのマネ。
カーン。って音も入れて。
遠くを望む仕草。おでこに掌のせて。
ブロンドの髪、ふわふわ。
とことこ歩いていくと、ホームの屋根があるところに来て。
[1]と、書いてある行灯の、ホーム番線表示。
見上げる、駅のお屋根は
カテドラルみたいに。
ガラスが綺麗なのは、不思議。
オープン・ラッチの由布院駅改札を抜けると、ホールのところで
ともちゃん、さかまゆちゃん。待っててくれて。
「バッグ届いたんだ」と、友里絵。
ともちゃん「はい。重いのね」と。
大型のスポーツバッグを持っている。
「菜由と、愛紗は・・・ああ、バスか」と、友里絵。
「由香、どこ行ったんだろ。便所かな」と、友里絵。
由香はと言うと、駅舎の反対側から戻れずに・・・迷子になっていた(笑)。
真面目に、踏み切りのあるところから回ろうとしたので・・・踏み切りは駅から
結構離れている(笑)。
「おーい・・・・」と、友里絵にデンワ掛けて(^^)。
友里絵は、由香からデンワを受けて「ああ、なに?あー、それね。
線路渡っちゃえばいいじゃん」
由香は歩きながら「それがさー、アンタたちが渡った後、電車が来て。
駅員さんが見てるから、渡れないジャン」
友里絵は「おつかれー、じゃ、のんびり回って」
由香は「はいよっ!」と、ケータイを切って「ったくもう、オマエのこと心配して
やったのに」
とぼとぼ、ひとりであるく田舎道(^^;
「由香は、踏み切りまわってくるって」と、友里絵はそう言って
「じゃ、駅前でまっててあげよ」。
バスの営業所から、愛紗と菜由が戻ってきて
「どしたの?遅いね」と、菜由。
友里絵が「由香が迷子だってー。駅の向こうに行って」
愛紗は「大丈夫?」
友里絵は「平気だよ、こっちに向かってるってさ・・・あ、来た来た!おーい
ゆかーぁ!」と、友里絵は両手を振った。
由香は、線路の100mくらい野矢よりの並木にある踏み切りを回ってきて。
小学校の脇を通って
「ゆーりーぇーー!」と、駆け出してきた。
パティは「なんで?」
友里絵は「なんだか、駅員さんが見てるから
線路渡れなかったんだってさ」
ともちゃん「まあ、そうですね」
さかまゆちゃん「あぶないし・・・。」
友里絵は「パティ、野球部だったんだって」
ともちゃん「ハイ。そうだって」
友里絵は「野球できるねーみんなで」
さかまゆちゃん「9人いるかな?」
友里絵は、指折り数えて「えーと、あたしでしょ?ゆかでしょ?・・・
みんなで九人じゃない?」
パティ「ハハハ。スポーツはいいよー」と、素振りのフォーム。
由香は、息切らせて来て「はー、疲れたーぁ」
友里絵は「運動不足だよーん」と、笑顔。
由香「オマエを心配してやったのに!」と。
友里絵は「めんごめんご。じゃーいこっかぁ。由香さあ、9人いるから
野球できるって、今話してて」
由香は「あと9人いるじゃん」
友里絵「あ、そっかー。じゃ、バンド作ってライブ合戦とか」
由香「深夜アニメみたいだな、なんか」
菜由は「なんとかライブとか」
パティ「音楽、いーですねー。あ、アタシ、家行って荷物置いてきます!」と、
ぱたぱた、駆けていったのは川上町のほう。
愛紗が「行き先わかるー?」
と、言うと
パティは振り返って「はーい、知ってマース」
菜由は「そっか、住んでるんだもんね。」
ともちゃんは「いいなぁ、由布院に住んでるなんて」
さかまゆちゃん「ホント。温泉もあるし」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる