ふたりのMeg

深町珠

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天使さんと絵本

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書架を整理しながらも、時間は
経過する。

「はい。図書館の仕事はだいたい、これで全部。おつかれさまでしたー。」と、めぐはにこにこ。

「ありがとうございます。あの、絵本の読み聞かせって、さっき聞いた・・。」

と、クリスタさんは覚えてた。


司書主任さんが「声がいいから」と
推薦してくれた、児童図書館の

ちいさな子へのサービス。


絵本を、読んであげたりするのだけど


お母さんが、本を探す間とかに
ちいさな子が、退屈しないように、って
考えたサービス。



3階のシアターで、子供向けの
映画を見せたり。


児童福祉のような事もしていたのは
もちろん、公共サービスという
側面もある。


「あ、じゃ。行ってみましょうか。
1階だもん」と、めぐは
カートを押して、カウンターへ。


主任さんはいなかったけど
司書さんの仲間に「ちょっと、児童コーナー見てくるね」と言って。


うん。と、カウンターの仲間がうなづいて。



児童コーナーへ向かう。




そこには、以前と同じように

チャイルドマインダーが
ちいさな子と一緒に
本を読んでいたり。



「楽しそう」クリスタさんは
にこにこ。

天使さんだから、幸せそうな
ひとを見てるのが好きなのかしら。。


そんなふうに、クリスタさんを見て

めぐは思った。



オープンスペースの、その場所は

児童図書館の、奥にある。



靴を脱いで、子供たちが

転がってもいいように。
クッションフロアになっていて。


大きな、ぞうさんの形のクッションとか、キリンさんのとか。

子供達が喜んで、じゃれている。



クリスタさんとめぐが、コーナーに入ると


ひとりの子が、絵本を持って
クリスタさんに近づいて。

じっと、彼女を見上げた。


「ご本、読むの?」と、
クリスタさんは、綺麗な声で言う。

その子は、まんまるの笑顔で

うなづいた。


「はい。それでは」と

クリスタさんは、フロアーの隅のソファーに腰掛けて。

ひざに、その子を乗せて。


「ゆきのひとひら」と言う
その絵本を、読みはじめました。



「スノー・フレイクは
こなゆきのなかで、めざめました。

まっしろな、どこまでもつづく
ゆきのはらへ。

ゆっくり、ゆっくりと

おそらから、まいおりるのです。




少し、難しい言葉のところがあって
絵本、と言うよりは
児童文学の、その本を
クリスタさんは、ちいさな子が
喜んでくれるように、やさしく読みました。



綺麗な澄んだ声なので、マインダーさんも

しばし、その声に心惹かれました。



めぐは、思います。


「歌を歌ってあげたら、みんな喜ぶかしら」



とても綺麗な声なので、メロディにのせたら
さわやかな風のよう。


そんなふうに思った。




クリスタさんは、絵本を読み続けます。


「まっしろな、おかのむこうに

おみみが、ぴょこん。


さく、さく、さく・・・・・。


なにかしら、と、スノゥ・フレイクは

おもいました。


ゆきうさぎさんでした。



おくちを、もくもく。

あかいおめめは、きらきら。



はじめまして。


そう、スノゥ・フレイクはこころで
つぶやきました。



ゆきうさぎさんは、おみみをぴょこ。



はじめまして。


ゆきうさぎさんは、そうおへんじしたのです。







「うさぎさん、かわいー」と、


クリスタさんのおひざで、絵本を読んでもらっている
その子は、にこにこしました。


その声を聞いて、みんなが集まってきます。


おとなりに、ひとり、ふたり・・・・。



いっぱい、ちいさな子が集まってきました。





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