ふたりのMeg

深町珠

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ゆきのひとひら

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「スノー・フレイクは
こなゆきのなかで、めざめました。

まっしろな、どこまでもつづく
ゆきのはらへ。

ゆっくり、ゆっくりと

おそらから、まいおりるのです。




少し、難しい言葉のところがあって
絵本、と言うよりは
児童文学の、その本を
クリスタさんは、ちいさな子が
喜んでくれるように、やさしく読みました。



綺麗な澄んだ声なので、マインダーさんも

しばし、その声に心惹かれました。



めぐは、思います。


「歌を歌ってあげたら、みんな喜ぶかしら」



とても綺麗な声なので、メロディにのせたら
さわやかな風のよう。


そんなふうに思った。




クリスタさんは、絵本を読み続けます。


「まっしろな、おかのむこうに

おみみが、ぴょこん。


さく、さく、さく・・・・・。


なにかしら、と、スノゥ・フレイクは

おもいました。


ゆきうさぎさんでした。



おくちを、もくもく。

あかいおめめは、きらきら。



はじめまして。


そう、スノゥ・フレイクはこころで
つぶやきました。



ゆきうさぎさんは、おみみをぴょこ。



はじめまして。


ゆきうさぎさんは、そうおへんじしたのです。







「うさぎさん、かわいー」と、


クリスタさんのおひざで、絵本を読んでもらっている
その子は、にこにこしました。


その声を聞いて、みんなが集まってきます。


おとなりに、ひとり、ふたり・・・・。



いっぱい、ちいさな子が集まってきました。


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