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human nature
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「曾孫だよ」と、にゃごは
穏やかな表情でめぐに告げる。
10年前は、言葉少なに
虚無的な彼だったのだが。
愛する対象があると、変わるものであるらしい。
それと、歳を経て
生き物としての排他性が
薄れて来たせい、
その両方だろう。
バイタリティーがあれば、行動を起こす。
それが、時として
排他性につながる事もしばし、なので
歳を経て、そういう活動力が減ってくると
自然に、収まるもの。
そういう事もあるのだろう。
にゃごは、もともと
クリスタさんへの愛を捧げるために、
猫に生まれ変わった。
それが、猫として
愛されてしまったために(笑)
心とは別に、猫としての
子孫ができてしまったりするけれど
それも、生き物なので
仕方ないところもある。
傍目には、不条理に見えても
天使、クリスタさんの博愛は
無償なものであったので
そういう形に、落ち着いたのだろう。
めぐは、それを見ていて思う。
例えば、魔法使いとして
いろんな世界を旅して。
愛を求められたとしても。
人間としての愛とは違う、って
割り切る事が
めぐ自身には出来るだろうか?
クリスタさんは、やっぱり天使さんだから
それが、難無くできるのだろう。
「あたしも......。」魔法使いとして
いつか、そんなふうに割り切れるのだろうか?
なんて、めぐは遠い将来の自分を夢想したり。
「にゃごってさ、前は悪魔くんだったんだよね。]と
めぐは、にゃごに語りかけた。
「ああ、好きで悪魔になった訳じゃない。
そう呼ばれただけだ。」と、にゃご。
それはそうかもしれない。
元々は人間だったけど
ほんの少し、運が悪かっただけだ。
幼かった彼の母も
、運が悪かっただけかもしれない。
生き物としての行動力が、有り余って
力を使う目的を見失っていただけ、なのだろう。
もし、その時の彼に
愛すべき対象があったなら。
そのために、彼は尽力しただろう。
ちょっとした、行き違い。
「なあ、めぐ」と、にゃごは
しわがれ声で語る。
「なに?」とめぐ。
「俺は、おそらく生まれ変わる事になるだろう。
こんど、人間になれたら.....。
もし、覚えていたら。
また、クリスタのそばに来るつもりだが。
もし、忘れていたら。
俺に、思い出させてほしい。」と、にゃごは、きっぱりと
そう言う。
思い出させるもなにも、誰に生まれ変わるか
わからないよ、と
めぐは
言いそうになった。
でも、老い先の短い彼に
そんな事を言うのは酷だろうと
思って、めぐは、思いとどまる。
「わかったよ。」と
さっぱりとめぐは、にゃごに伝える。
にゃごは、穏やかに微笑み「良かった。魔法使いのお前なら
なんとかできるだろう。
忘れさせる事ができるなら、思い出させる事、も。」と
にゃごは、思いがけない事を述べた。
「知ってるの?」めぐは、夢の中に旅うする魔法の事は
誰にも言っていないのに。と
ちょっとびっくり。
「ああ、頼んだよ。それと、俺の曾孫たちの事もな。」
にゃごは、おじいちゃんの顔に戻って
そう言った。
生き物としての幸せ。
それを全うするのも、幸せなのかもしれないとめぐは、なんとなく揺れる心で
そう思う。
穏やかな表情でめぐに告げる。
10年前は、言葉少なに
虚無的な彼だったのだが。
愛する対象があると、変わるものであるらしい。
それと、歳を経て
生き物としての排他性が
薄れて来たせい、
その両方だろう。
バイタリティーがあれば、行動を起こす。
それが、時として
排他性につながる事もしばし、なので
歳を経て、そういう活動力が減ってくると
自然に、収まるもの。
そういう事もあるのだろう。
にゃごは、もともと
クリスタさんへの愛を捧げるために、
猫に生まれ変わった。
それが、猫として
愛されてしまったために(笑)
心とは別に、猫としての
子孫ができてしまったりするけれど
それも、生き物なので
仕方ないところもある。
傍目には、不条理に見えても
天使、クリスタさんの博愛は
無償なものであったので
そういう形に、落ち着いたのだろう。
めぐは、それを見ていて思う。
例えば、魔法使いとして
いろんな世界を旅して。
愛を求められたとしても。
人間としての愛とは違う、って
割り切る事が
めぐ自身には出来るだろうか?
クリスタさんは、やっぱり天使さんだから
それが、難無くできるのだろう。
「あたしも......。」魔法使いとして
いつか、そんなふうに割り切れるのだろうか?
なんて、めぐは遠い将来の自分を夢想したり。
「にゃごってさ、前は悪魔くんだったんだよね。]と
めぐは、にゃごに語りかけた。
「ああ、好きで悪魔になった訳じゃない。
そう呼ばれただけだ。」と、にゃご。
それはそうかもしれない。
元々は人間だったけど
ほんの少し、運が悪かっただけだ。
幼かった彼の母も
、運が悪かっただけかもしれない。
生き物としての行動力が、有り余って
力を使う目的を見失っていただけ、なのだろう。
もし、その時の彼に
愛すべき対象があったなら。
そのために、彼は尽力しただろう。
ちょっとした、行き違い。
「なあ、めぐ」と、にゃごは
しわがれ声で語る。
「なに?」とめぐ。
「俺は、おそらく生まれ変わる事になるだろう。
こんど、人間になれたら.....。
もし、覚えていたら。
また、クリスタのそばに来るつもりだが。
もし、忘れていたら。
俺に、思い出させてほしい。」と、にゃごは、きっぱりと
そう言う。
思い出させるもなにも、誰に生まれ変わるか
わからないよ、と
めぐは
言いそうになった。
でも、老い先の短い彼に
そんな事を言うのは酷だろうと
思って、めぐは、思いとどまる。
「わかったよ。」と
さっぱりとめぐは、にゃごに伝える。
にゃごは、穏やかに微笑み「良かった。魔法使いのお前なら
なんとかできるだろう。
忘れさせる事ができるなら、思い出させる事、も。」と
にゃごは、思いがけない事を述べた。
「知ってるの?」めぐは、夢の中に旅うする魔法の事は
誰にも言っていないのに。と
ちょっとびっくり。
「ああ、頼んだよ。それと、俺の曾孫たちの事もな。」
にゃごは、おじいちゃんの顔に戻って
そう言った。
生き物としての幸せ。
それを全うするのも、幸せなのかもしれないとめぐは、なんとなく揺れる心で
そう思う。
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