ふたりのMeg

深町珠

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たどりついた食堂車は、キッチンのドアが開いているだけで
他に、入口はなかったから

3人は、となりの車両のドアから乗った。



「すいませーん」とか、いいながら。


食堂車のドアを開ける。
でも、ウェイトレスさんがにこやかに「今夜の営業は、お酒が入るから、高校生はダメね。
明日の朝から。5時よ、起きられる?」リサみたいな口調で、さっぱりとした短い髪の
小柄な女の子。

めぐたちと、さほど
変わらない歳に見えるけど。




「はい、わかりましたー」って
めぐと、れーみぃ。



Naomiは、「あたしはどうします?」


ウェイトレスさんは「あれ?あなたも高校生?」と言うので


めぐも、れーみぃも爆笑(笑)。



それじゃ明日、と言う事になって(笑)。




「おばさんっぽいのかな、あたし」なんて

Naomiは傷つくふり(笑)。




「大人っぽいもん」ってれーみぃ。



「スーパーモデルみたいだもん」とめぐ。



慰めじゃなくて、本当に、そう思う。



意外に、ひとも羨む美貌にも
それなりの悩みもあるんだな、なーんて(笑)

めぐは思ったり。





「じゃ、お部屋に行こう?」と


Naomi。



揺れる車両を、走りながら行くのは
疲れるから


ホームに下りて
歩いて行こうって


なんとなく、誰ともなく。





連結部分の鉄の渡りいたには
十字の模様、すべりどめが刻んであって。


それは昔のままだけど

列車が曲がる時に傾くので

円弧の模様に傷がついていて。


めぐは、それが年輪みたいに見えて。




「ばーむくーへんみたい」と

食べ物を連想する。



「おなかすいた?」とれーみぃ。




「ううん、お腹空いてたら、お菓子はね」と(笑)
楽しげなめぐ。





ただ、模様がそんなふうに見えたりしただけ。



ことばって、そんなふうに

イメージしたことを、そのまま伝えてる
訳でもない。



めぐは、模様が木の年輪みたい、って思ったけど



れーみぃは、めぐが
なんか食べたいのかな?なんて

(笑)。


れーみぃも、食べたいのかな(笑)。





naomiは、「お菓子あるよ」と言うので


れーみぃは「どこ?どこ?」

ワゴンにね、とnaomiが言うと



なーんだぁ、とめぐとれーみぃが
同じ事を言うので
みんな、おかしくなって笑った。



次の車両のデッキに立って、ステップを下りると
ホームは、なぜか階段ひとつ分高い。




「おもしろいね」と、naomi。




古い列車なので、昔の規格なのだろう。






階段にひっかからないように

気をつけて、ホームへ上る(笑)。

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