寅さんと「少年寅次郎」

深町珠

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18作

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さて本日は此方。美しいお話です。無償の愛、ですね。寅さんらしい、人間らしいお話。

美しく哀しいお話でしたね。
寅さんの少年時代、女学生だった綾さんに再会するのです。
とても優しく穏やかなお姉さんだったのでしょうね。
しかし不治の病である。それを知らず、懸命に尽くすのですが、やがて別離が訪れる。
寅さんの「聖母」の原型、光子さんように、結婚で苦労し、病死..辛いですね。

綾さんもまた、愛のない婚姻を家の事情でせざるを得なかった。そう言う健気な方ですが、お嬢様なのでふんわりと穏やか。その辺りが更に物悲しいですね。そのような人生を送って来た綾さんに、寅さんはどことなく光子さんの事を連想したのでしょうね。共に過ごした時、空間に居た人ですから。しかし...

「悪童」読後だと、違うお話に見えますね、こんな風に。映画には光子さんは出てこないし、育ての親のつねさんは元気。なぜ綾さんに惹かれたか、尽くし、そして綾さんが最期の時を迎える前、なぜ寅さんがあれほど取り乱すのか。心に封印していた哀しい別れを連想しているから、なんでしょうね

寅さんにとって不運だったのは、優しい光子さんが優しいまま死んじゃった辺りで。「お返ししたい」と思っても相手がいない訳でだし、ふつう、段々口煩い婆(笑)になっていくので「こんなもんいらねぇや」って。それができないから美化された理想像ができちゃう。


そのお話は、37作「幸せの青い鳥」で描かれて居ます「正直言って、死んでほしいと思った」年老いて認知症になった父を看取った娘は寅さんに言います。旅回り一座の、大空小百合ちゃん。やっとこさ解放されて。でも、面倒くさい男とくっついちゃうお話。ま、脳がそれに慣れている訳で。

この辺りは、脳の構造と思考を、例えばプログラムで再現したら良く解ります(けど、そんな人は少ない。大抵面倒くさいのでAIで済ましちゃう)脳の根底は、生物なの。単純に刺激を受けると、慣れる。(脳の持ち主の好みに関わらず)なので、薬物依存が起きたりしますね。自害もそう。脳も死ぬのに。



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