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夢のゆめ
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玄関を入ると、右手に大きな食堂を見て
まっすぐが、広い廊下。
廊下を挟んで、反対側はまた、温泉(笑)
お湯が豊かな土地らしい。
1階は、会議室とか
卓球場とか。
そのあたりはホテルとちょっと違って
鉄道会社の宿泊所らしい。
「じゃ、寝るだな」とおじさんも、のんびり。
エレベーターなんてないのは
古い建物らしい。
めぐたちは、上の階。
もともと、女子社員は泊まり勤務がないので
当然だが、小部屋である。
男は、2階の大部屋が居並ぶあたりで
雑魚寝である。
でも、特急乗務員たちの寝泊まりする
ここは、国鉄でも特別な待遇であって
普通列車の乗務員たちは、ローカル線の
線路沿いにある国鉄OBの提供する民家で寝たりとか
貨物列車の乗務員に至っては、民家もない
貨物駅の外れにある小屋で
深夜から早朝までの数時間、石炭ストーブを
焼べながら仮眠、とか
それでも、国鉄を支える人達には
使命感がある。
だから、きつい仕事でも
不幸せと言う事はない。
むしろ、幸せなのだろう。
人として、真っ当な事のために
働くなら、それがどんなに辛い事でも
幸せだ。
楽で儲かるとしても
その為に、尊敬できない人に
服従したりするより
余程幸せなのだろう。
人として、生き物として
みんなの為に生きられるなら。
そういう気持ちを持っている、国鉄の
職員たちが集う、宿泊所は
どことなく、和やかなムードだ。
リサたちの女子部屋が、フロア違いで
男子と同じ宿舎だとしても
不思議と、リサたち、そして
女子職員たちも嫌悪感を持たないのは
同士。
そんな意識のせいかもしれない。
凛々しい制服を纏い、白い手袋で
信号、よし!
そんな、安全に心を砕く人達に
雑念などない。
いつかは、リサも、その仲間。
そう、いつかと言っても
もう少し、半年も立てば、そうなるのだけれど。
時間というのは淡々と流れる。
神様は、人間のふりをして
オリエンタルエクスプレスに乗って行こうか、なんて(笑)
お茶目に、おひげをなでなでして
「ビロードのズボンでもはこうかの」などと
山高帽子にステッキで、地上に下りようかと
思って。
そろそろ眠りについた、地上のめぐたちを
見下ろした。
神様は、夢の中で
みんなに会えたりする。
つまり、夢を見ている子は
神様や、天使さん、それと魔法使いさんに
会えたりするのだけど
それを夢、と思っているだけで
本当は、神様に会えていたりする。
クリスマスの夜、サンタさんに会えるみたいに。
この夜は、どうかと言うと。
リサは、なんとなく
おじいちゃんの夢を見た。
夢、なのか?
おじいちゃんのいる天国に行ったのか?
どっちかな。
よくわからない(笑)。
おじいちゃんは、まだ元気で
黒い蒸気機関車に、朝早く
石炭を焼べていた。
「おじいちゃん?」とリサが言うと
おじいちゃんは、当たり前のように
リサに振り向き、にこにこするのだった。
おじいちゃんは、40才くらいに見え
そんな歳に、リサは生まれていない(笑)。
もっとも、天国に行ってしまうと
年齢はなくなってしまうのだけど。
何してるの?と
リサは、18才そのままで尋ねているのに
おじいちゃんには、幼い子供のように
見えているのかもしれない。
天国だと、みんな見たいように見える。
それは、認知の問題で
人間世界でも、天国に召される日に近づくと
段々、地上の
時間より認知が自由になる。
見たいように見えるようになるのだ。。
地上の3次元に囚われなくなって
自由さが得られるので
そのうち、魂まで自由になると
地上を離れるのだ。
なので、こんなふうに見える。
夢の中のように。
人生は夢、と言ったのはシェークスピアだが
それは、こんな事を言っているのかもしれない。
おじいちゃんは、微笑みながらリサに言う。
「石炭は、大昔は森だったのは知ってるね」
リサはうなづく。
おじいちゃんは、更に「本当だったら、土に帰っているはずの森が、今、ようやく燃えて
灰になって土に帰るのさ。
」
リサは、連想した。
悩み、なんてものもずっと心に残って
いつか燃えるのかな、なんて。
自分は、そういうものを
燃やして生きて行けば、悩まずに済むな。
そんなふたりを、神様は傍観して思う。
空から(笑)。
リサの悩みは、ひょっとして
おじいちゃんの事が好きで、おじいちゃんの
望みを叶えたくて。
それが、国同士の取引みたいな
妙な事のせいで、叶わなくなったら
どうしよう?
そういう、どうしようもない悩みだった。
リサの生真面目なところも、おじいちゃん譲りだから。
それも、ひょっとして石炭みたいに
長い時間を経て受け継いだエネルギーの
ようなものだったりもするのかな。
神様は、思う。
「やっぱり、この人達の幸せを守らないとのぉ」
国際会議するけれど。
よその国から、お金儲けに来て
この国の人達の幸せを奪うのは、やっぱり変だと
そう思う。
オリエンタルエクスプレス
それで、神様は
オリエンタルエクスプレスに乗ろうと
おめかしして(笑)。
下界に下りて。
なぜか、bluemorrisのめぐたちの側に降り立って。
でも.....「はて、どうやって乗るのかのぉ」
ずっと昔、人間だった頃の記憶はあるけれど
その頃は、まだ蒸気機関車が引っ張っていたし。
汽車が走ってたら、飛び乗れば良かった。
「切符がいるんかの」そう思って
駅の切符売り場を見てみたが、ひとが居なくて。
それは深夜だもの(笑)。
「それじゃあ、あの、めぐと言う娘に聞いてみるか」 どうやって?(笑)。
神様は、そういえば
いくらか能力のようなものを持っているので。
めぐの夢にお邪魔します(笑)。
眠ってるめぐは、のんびりと
おいしいもの食べて、ごろごろしてる
わんこみたいな夢を見てた(笑)。
そこに、知らないおじいちゃん、でも
どこか見覚えのあるようなひとが出たので
びっくり(笑)。
めぐは、魔法使いさんだから
それが、ふつうの夢かどうか、分かる。
「もしかして、神様?」と
めぐに尋ねられて、びっくりしたのは
神様のほう。
「なんで、わかったかのぉ?」と
変装したつもりの神様だけど、そういえば
昔々、めぐは神様に大変お世話になったから
少し、記憶にあったのだろう。
そういうめぐは、なぜかハードロックンロールのような気分で
レザーのジャケットに、短い赤のスカート。
なんて格好だろう、と神様が思うまでもなく。
そう、ここはめぐの夢の中だった。
めぐは、リサの夢の中に行って来て
リサの好きな、イギリスのハードロックンロールを
歌って来たのだった。
めぐ自身は、歌い足りなくて
大好きな、アメリカンロックンロールの
ヴァンヘイレンを口づさんで。
フェンダーのギターで、ライトハンドを決めて。
それは、もちろん夢だった。
little dreamerだもの。
ロックンロールはいいものだ。
ひとを元気にする。
神様は、めぐのその姿に微笑みながら
でも、戸惑いながら(笑)。
それで、切符を手に入れて。
オリエンタルエクスプレスに乗ればいいのだが。
なぜか、始発駅のupperfieldから乗らずに
途中の、ここbluemorrisから乗る事になったのは
単に、思いつきである。
そもそも、飛行機で行けばいいのに
夜行で行こう、などと考えるのも
ちょっと、趣味趣味な神様だ(笑)。
見た目、全然神様には見えないけれど
そんなものかもしれない。
そのひとの心の在り方が、周りから
ありがたいものならば
それは、神様なのだ。
クリスタさんが、天国はどこにでもある、そう言うのと似ていて
神様も、どこにでもいるのかもしれない。
神様は、呆気に取られているけれど
それは、神様が生き物じゃないから(笑)
排他するエモーションが、そもそもないのだ。
ハードロックは、若々しい。
若者の、魂の叫びのようで。
世の中、ともすれば
年寄りの利益のために傾いてしまいがちで
窮屈なもの。そうなってしまいがちな
へんな理屈に
それは違う、って
心が、生き物として生きてきた
長い間の記憶が、反発して
生まれる叫びが、音になって
流れる。
それが、ハードロック。
リサが、LED ZEPPELINを好きなのも
なんとなく理解できるとめぐは思う
それで、無意識にリサの夢におじゃまwして
一緒に歌ったのだった。
もちろん、夢の中だから
どんな超絶技巧だってできる。
ギターを奏でる左手に、右手でピッキングして
時には右手で指板を叩いて。
それで、ヴァン・ヘイレンになっちゃったり。
めぐは、明るいアメリカンのヴァン・ヘイレンが好きだ。
神様は、愉快になった。
それはもちろん、生き物じゃないから
愉快って表現が当たるかどうか
わからない。
それで、めぐが出てきたリサの夢に
ちょっと、時間を逆転して覗いてみたくなった。
ひょい。
と、懐中時計の針を指で戻すように
神様は、少し前の、もちろん
夢時間だから、簡単に乗り越えられる。
誰でも、いつでも、どんな時でも。
リサの記憶の中なのだから、当然だ。
その事を、傍観しているめぐ自身が驚いた。
めぐは夢の中で魔法を無意識に
使ってるので。
リサの夢の中セッションには、naomiとれーみぃも出ていて。
出ていて、って言ってもお化けじゃなくて(笑)。
それは、リサの夢が作った幻だろう。
ホログラムみたいだから、神様でなくても
誰でもわかる。
リサの意識の中で、イメージされてるのは
なぜか、学校の図書館みたいなところで
そういう、静かなところでLED ZEPPELINを演奏したい、なんて破壊的な夢は
つまり、抑制への反発をイメージしてた。
れーみぃは、長い髪をさらりと流して
レスリースピーカーのオルガン、ドローを目一杯引いてあるそれの前に立って
静かに微笑むのが、彼女らしいけど
それでロックすると、かえって不気味だし(笑)
LED ZEPPELINに、キーボードはいないから
どういう音を出すのだろう?
と、神様も思ったり(笑)まあ、夢だから。
naomiは、ジョン・ボーナムの役らしい。
さっぱりとしたジーンズで、ワークシャツ。
冷静な彼女らしいリズムキープをしている。
固いサウンドだ。
ベースが足りないが、まあ夢だ(笑)。
めぐが、アコースティックギターで
Eマイナーで、ベースラインをクリシェしながら
細やかな、アルペジオで
天国への階段を、弾き始める。
奈落に落ちていくような気分になる、それだ。
すこーしづつ、メロディーが下がっていくからだろう。
神様にとって、とてもノイジーなロックは
しかし、悲しみにあふれているようなサウンドだった。
もちろん、その悲しみと言うのは
比喩的なものだ。
ひとの感性にとって、マイナーな音階と言うのは
実は、泣き声のハーモニクスの模倣だったりする。
真空管ギターアンプの
歪み、そのものがギターの音で
それ自体のハーモニクスが、そもそも真空中で
電子が飛び去る、その抑制からの逸脱が
つまり、宇宙の爆発に近いからである。
言ってみればそれは、電子と言う存在が
自由を得た瞬間。
真空と言うフィールドで、抑制を解かれたから。
でも、神様のように生理のない存在にとっては
抑制もないのでノイジーなだけだ。
それ自体がつまらない、と
神様が思ったかどうかは知らな(笑)。
い。
ちょうどいいタイミングで、リサは歌い出す。
カノジョは、天国への階段を得た、
そんな歌詞は、ちょっと悲しすぎる。
けれども、悩み事のあるリサにとっては感傷に
値する歌詞で
共感に、リサは涙する。
もちろん、夢の中、だけれども。
解放するには十分だ。
それはリサのイメージで
歌詞のイメージとはちょっと違う内容、でも
歌ってそういうもの。
天国に行かなくては、解放されなかった
カノジョの心、そんなふうに、リサは感じる。
やっぱり、どこかしら
心の奥底で
奔放に生きたくても、できない窮屈さを
リサ自身は感じていて。
だから、天国へ登る階段、と言う
叫びのように歌う、ロバート・プラントの
声に涙するのだった。
リサ自身が歌って、その叫びと同化して
解放される、その気持ちが
天国へと舞い上がるような感慨に浸るのだ。
それは、やっぱりLED ZEPPELINでないとダメだ。
ブリティッシュのロックでも、やっぱり
LED ZEPPELINでないと。
対して、めぐは
そういう抑制をあんまり感じてないのは
神様のおかげで、怖い魔物の記憶を
忘れ去っているから
規制のない、開放感が好きだったりする。
まっすぐが、広い廊下。
廊下を挟んで、反対側はまた、温泉(笑)
お湯が豊かな土地らしい。
1階は、会議室とか
卓球場とか。
そのあたりはホテルとちょっと違って
鉄道会社の宿泊所らしい。
「じゃ、寝るだな」とおじさんも、のんびり。
エレベーターなんてないのは
古い建物らしい。
めぐたちは、上の階。
もともと、女子社員は泊まり勤務がないので
当然だが、小部屋である。
男は、2階の大部屋が居並ぶあたりで
雑魚寝である。
でも、特急乗務員たちの寝泊まりする
ここは、国鉄でも特別な待遇であって
普通列車の乗務員たちは、ローカル線の
線路沿いにある国鉄OBの提供する民家で寝たりとか
貨物列車の乗務員に至っては、民家もない
貨物駅の外れにある小屋で
深夜から早朝までの数時間、石炭ストーブを
焼べながら仮眠、とか
それでも、国鉄を支える人達には
使命感がある。
だから、きつい仕事でも
不幸せと言う事はない。
むしろ、幸せなのだろう。
人として、真っ当な事のために
働くなら、それがどんなに辛い事でも
幸せだ。
楽で儲かるとしても
その為に、尊敬できない人に
服従したりするより
余程幸せなのだろう。
人として、生き物として
みんなの為に生きられるなら。
そういう気持ちを持っている、国鉄の
職員たちが集う、宿泊所は
どことなく、和やかなムードだ。
リサたちの女子部屋が、フロア違いで
男子と同じ宿舎だとしても
不思議と、リサたち、そして
女子職員たちも嫌悪感を持たないのは
同士。
そんな意識のせいかもしれない。
凛々しい制服を纏い、白い手袋で
信号、よし!
そんな、安全に心を砕く人達に
雑念などない。
いつかは、リサも、その仲間。
そう、いつかと言っても
もう少し、半年も立てば、そうなるのだけれど。
時間というのは淡々と流れる。
神様は、人間のふりをして
オリエンタルエクスプレスに乗って行こうか、なんて(笑)
お茶目に、おひげをなでなでして
「ビロードのズボンでもはこうかの」などと
山高帽子にステッキで、地上に下りようかと
思って。
そろそろ眠りについた、地上のめぐたちを
見下ろした。
神様は、夢の中で
みんなに会えたりする。
つまり、夢を見ている子は
神様や、天使さん、それと魔法使いさんに
会えたりするのだけど
それを夢、と思っているだけで
本当は、神様に会えていたりする。
クリスマスの夜、サンタさんに会えるみたいに。
この夜は、どうかと言うと。
リサは、なんとなく
おじいちゃんの夢を見た。
夢、なのか?
おじいちゃんのいる天国に行ったのか?
どっちかな。
よくわからない(笑)。
おじいちゃんは、まだ元気で
黒い蒸気機関車に、朝早く
石炭を焼べていた。
「おじいちゃん?」とリサが言うと
おじいちゃんは、当たり前のように
リサに振り向き、にこにこするのだった。
おじいちゃんは、40才くらいに見え
そんな歳に、リサは生まれていない(笑)。
もっとも、天国に行ってしまうと
年齢はなくなってしまうのだけど。
何してるの?と
リサは、18才そのままで尋ねているのに
おじいちゃんには、幼い子供のように
見えているのかもしれない。
天国だと、みんな見たいように見える。
それは、認知の問題で
人間世界でも、天国に召される日に近づくと
段々、地上の
時間より認知が自由になる。
見たいように見えるようになるのだ。。
地上の3次元に囚われなくなって
自由さが得られるので
そのうち、魂まで自由になると
地上を離れるのだ。
なので、こんなふうに見える。
夢の中のように。
人生は夢、と言ったのはシェークスピアだが
それは、こんな事を言っているのかもしれない。
おじいちゃんは、微笑みながらリサに言う。
「石炭は、大昔は森だったのは知ってるね」
リサはうなづく。
おじいちゃんは、更に「本当だったら、土に帰っているはずの森が、今、ようやく燃えて
灰になって土に帰るのさ。
」
リサは、連想した。
悩み、なんてものもずっと心に残って
いつか燃えるのかな、なんて。
自分は、そういうものを
燃やして生きて行けば、悩まずに済むな。
そんなふたりを、神様は傍観して思う。
空から(笑)。
リサの悩みは、ひょっとして
おじいちゃんの事が好きで、おじいちゃんの
望みを叶えたくて。
それが、国同士の取引みたいな
妙な事のせいで、叶わなくなったら
どうしよう?
そういう、どうしようもない悩みだった。
リサの生真面目なところも、おじいちゃん譲りだから。
それも、ひょっとして石炭みたいに
長い時間を経て受け継いだエネルギーの
ようなものだったりもするのかな。
神様は、思う。
「やっぱり、この人達の幸せを守らないとのぉ」
国際会議するけれど。
よその国から、お金儲けに来て
この国の人達の幸せを奪うのは、やっぱり変だと
そう思う。
オリエンタルエクスプレス
それで、神様は
オリエンタルエクスプレスに乗ろうと
おめかしして(笑)。
下界に下りて。
なぜか、bluemorrisのめぐたちの側に降り立って。
でも.....「はて、どうやって乗るのかのぉ」
ずっと昔、人間だった頃の記憶はあるけれど
その頃は、まだ蒸気機関車が引っ張っていたし。
汽車が走ってたら、飛び乗れば良かった。
「切符がいるんかの」そう思って
駅の切符売り場を見てみたが、ひとが居なくて。
それは深夜だもの(笑)。
「それじゃあ、あの、めぐと言う娘に聞いてみるか」 どうやって?(笑)。
神様は、そういえば
いくらか能力のようなものを持っているので。
めぐの夢にお邪魔します(笑)。
眠ってるめぐは、のんびりと
おいしいもの食べて、ごろごろしてる
わんこみたいな夢を見てた(笑)。
そこに、知らないおじいちゃん、でも
どこか見覚えのあるようなひとが出たので
びっくり(笑)。
めぐは、魔法使いさんだから
それが、ふつうの夢かどうか、分かる。
「もしかして、神様?」と
めぐに尋ねられて、びっくりしたのは
神様のほう。
「なんで、わかったかのぉ?」と
変装したつもりの神様だけど、そういえば
昔々、めぐは神様に大変お世話になったから
少し、記憶にあったのだろう。
そういうめぐは、なぜかハードロックンロールのような気分で
レザーのジャケットに、短い赤のスカート。
なんて格好だろう、と神様が思うまでもなく。
そう、ここはめぐの夢の中だった。
めぐは、リサの夢の中に行って来て
リサの好きな、イギリスのハードロックンロールを
歌って来たのだった。
めぐ自身は、歌い足りなくて
大好きな、アメリカンロックンロールの
ヴァンヘイレンを口づさんで。
フェンダーのギターで、ライトハンドを決めて。
それは、もちろん夢だった。
little dreamerだもの。
ロックンロールはいいものだ。
ひとを元気にする。
神様は、めぐのその姿に微笑みながら
でも、戸惑いながら(笑)。
それで、切符を手に入れて。
オリエンタルエクスプレスに乗ればいいのだが。
なぜか、始発駅のupperfieldから乗らずに
途中の、ここbluemorrisから乗る事になったのは
単に、思いつきである。
そもそも、飛行機で行けばいいのに
夜行で行こう、などと考えるのも
ちょっと、趣味趣味な神様だ(笑)。
見た目、全然神様には見えないけれど
そんなものかもしれない。
そのひとの心の在り方が、周りから
ありがたいものならば
それは、神様なのだ。
クリスタさんが、天国はどこにでもある、そう言うのと似ていて
神様も、どこにでもいるのかもしれない。
神様は、呆気に取られているけれど
それは、神様が生き物じゃないから(笑)
排他するエモーションが、そもそもないのだ。
ハードロックは、若々しい。
若者の、魂の叫びのようで。
世の中、ともすれば
年寄りの利益のために傾いてしまいがちで
窮屈なもの。そうなってしまいがちな
へんな理屈に
それは違う、って
心が、生き物として生きてきた
長い間の記憶が、反発して
生まれる叫びが、音になって
流れる。
それが、ハードロック。
リサが、LED ZEPPELINを好きなのも
なんとなく理解できるとめぐは思う
それで、無意識にリサの夢におじゃまwして
一緒に歌ったのだった。
もちろん、夢の中だから
どんな超絶技巧だってできる。
ギターを奏でる左手に、右手でピッキングして
時には右手で指板を叩いて。
それで、ヴァン・ヘイレンになっちゃったり。
めぐは、明るいアメリカンのヴァン・ヘイレンが好きだ。
神様は、愉快になった。
それはもちろん、生き物じゃないから
愉快って表現が当たるかどうか
わからない。
それで、めぐが出てきたリサの夢に
ちょっと、時間を逆転して覗いてみたくなった。
ひょい。
と、懐中時計の針を指で戻すように
神様は、少し前の、もちろん
夢時間だから、簡単に乗り越えられる。
誰でも、いつでも、どんな時でも。
リサの記憶の中なのだから、当然だ。
その事を、傍観しているめぐ自身が驚いた。
めぐは夢の中で魔法を無意識に
使ってるので。
リサの夢の中セッションには、naomiとれーみぃも出ていて。
出ていて、って言ってもお化けじゃなくて(笑)。
それは、リサの夢が作った幻だろう。
ホログラムみたいだから、神様でなくても
誰でもわかる。
リサの意識の中で、イメージされてるのは
なぜか、学校の図書館みたいなところで
そういう、静かなところでLED ZEPPELINを演奏したい、なんて破壊的な夢は
つまり、抑制への反発をイメージしてた。
れーみぃは、長い髪をさらりと流して
レスリースピーカーのオルガン、ドローを目一杯引いてあるそれの前に立って
静かに微笑むのが、彼女らしいけど
それでロックすると、かえって不気味だし(笑)
LED ZEPPELINに、キーボードはいないから
どういう音を出すのだろう?
と、神様も思ったり(笑)まあ、夢だから。
naomiは、ジョン・ボーナムの役らしい。
さっぱりとしたジーンズで、ワークシャツ。
冷静な彼女らしいリズムキープをしている。
固いサウンドだ。
ベースが足りないが、まあ夢だ(笑)。
めぐが、アコースティックギターで
Eマイナーで、ベースラインをクリシェしながら
細やかな、アルペジオで
天国への階段を、弾き始める。
奈落に落ちていくような気分になる、それだ。
すこーしづつ、メロディーが下がっていくからだろう。
神様にとって、とてもノイジーなロックは
しかし、悲しみにあふれているようなサウンドだった。
もちろん、その悲しみと言うのは
比喩的なものだ。
ひとの感性にとって、マイナーな音階と言うのは
実は、泣き声のハーモニクスの模倣だったりする。
真空管ギターアンプの
歪み、そのものがギターの音で
それ自体のハーモニクスが、そもそも真空中で
電子が飛び去る、その抑制からの逸脱が
つまり、宇宙の爆発に近いからである。
言ってみればそれは、電子と言う存在が
自由を得た瞬間。
真空と言うフィールドで、抑制を解かれたから。
でも、神様のように生理のない存在にとっては
抑制もないのでノイジーなだけだ。
それ自体がつまらない、と
神様が思ったかどうかは知らな(笑)。
い。
ちょうどいいタイミングで、リサは歌い出す。
カノジョは、天国への階段を得た、
そんな歌詞は、ちょっと悲しすぎる。
けれども、悩み事のあるリサにとっては感傷に
値する歌詞で
共感に、リサは涙する。
もちろん、夢の中、だけれども。
解放するには十分だ。
それはリサのイメージで
歌詞のイメージとはちょっと違う内容、でも
歌ってそういうもの。
天国に行かなくては、解放されなかった
カノジョの心、そんなふうに、リサは感じる。
やっぱり、どこかしら
心の奥底で
奔放に生きたくても、できない窮屈さを
リサ自身は感じていて。
だから、天国へ登る階段、と言う
叫びのように歌う、ロバート・プラントの
声に涙するのだった。
リサ自身が歌って、その叫びと同化して
解放される、その気持ちが
天国へと舞い上がるような感慨に浸るのだ。
それは、やっぱりLED ZEPPELINでないとダメだ。
ブリティッシュのロックでも、やっぱり
LED ZEPPELINでないと。
対して、めぐは
そういう抑制をあんまり感じてないのは
神様のおかげで、怖い魔物の記憶を
忘れ去っているから
規制のない、開放感が好きだったりする。
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気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
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