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第2話・〇〇しないと出られない部屋レベル1
ハグしないと出られない部屋
しかし特殊部屋は1階につき1つ存在します。マトモにモンスターと戦っていたら、1日1階進めればいいほうですが、風丸の隠形のお陰で私たちはサクサク進めてしまい
「うぅ。まさか続けざまに、お題部屋を攻めるとは。本当に装備のためなら待った無しなんですね?」
「だって俺のほうは惜しむようなことねーもん。それに好感度だか発情度だかが上がらなければ、お題は初期のまま変化しないんだろ? だったら気にするようなことは何も無くね?」
まぁ、実際ゲームでも風丸と2人きりでお題部屋に入ると、初期のお題しか出ませんでした。初攻略時は疑問でしたが、エンドを見るとヒロインになんの感情も無かったことが分かります。
多くのプレイヤーが「騙された!」と怒っていますが、改めて考えると必ず複数居るキャラの中から、風丸を選んで行為に及ばせているのは私たちなんですよね。そもそもお題部屋に入らなければ、過激なお題自体発生しないわけですし。
風丸はプレイヤーの性欲を見抜いて、重用されるために期待に応えただけ。それを風丸も乗り気だと誤解して、もう役目を終えたのに「こっちの世界に残る」と言い出したら、確かに「おめでたい女だ」という感想になるでしょう。考えれば考えるほど、本当は怖い風丸ルートです。
本人の言うとおり、普通の子とは名ばかりの美少女ヒロインにすら無感情だった風丸が、私に揺らぐはずがないのでお題が悪化する危険はありませんが
「でも初期のお題にもキスとかあるんですよ……」
自分だったら例え義務でも好きでもない人とキスしたくないので、風丸は本当に大丈夫なのかと心配です。しかし必要があれば18禁も辞さない風丸にとっては、大したことはないのか
「金髪ちゃんは俺にもアルゼリオの旦那にも節操なく強請って来たのに、マスターちゃんは慎ましいな。もしかしてキスもしたことが無いのかい?」
思いがけない風丸の指摘に、私は「うっ」とダメージを受けながら
「だってお付き合いしたことがありませんし。私の世界では恋人以外とするのは稀なので」
「地味だし、不美人だし、スタイルもよくねーし。いいとこねーもんな~、マスターちゃんは」
風丸はリズミカルに私をディスると
「強いて言うなら肌艶くらいかな?」
と両手でほっぺをもちもちして来ました。
「ああ~、何気ない触れ合いはおやめください~。これくらいの戯れでも、私には痛恨の一撃なんです~」
私の奇妙な言動に慣れて来た風丸は楽しそうに笑って
「本当にチョロいな、マスターちゃんは。アンタのそういうところは割と微笑ましいけどね。このくらいで参っていて、ハグなんてできんのかい?」
「は、はぐぅぅ……」
新種のポ●モンのような声をあげながら後ずさる私に、風丸は両腕を広げてじりじりと近づきながら
「怖くない。怖くない。ハグくらいで人は死なない」
「死にます。死にます。推しとハグしたら、人は死ななくてもファンは死ぬんです……って、アーッ!? 死ぬって言っているのにぃぃ!?」
風丸にガバッと抱きしめられて私は絶叫しました。しかし風丸は放してくれず
「元気に動いてんじゃねーか、アンタの心臓。ヤバいくらい脈打ってる。俺の身体が直接叩かれているみたい」
「長くないですか? もう良くないですか? これ以上触れ合ったら、本当に心臓が爆発します!」
必死に解放を訴えると、ようやく体を離してくれましたが
「本当に初心だな、マスターちゃんは。ちょっとは慣れなよ。これくらいで参っていたら、本当に死んじまうぞ」
「うぅ、プールみたいに末端から慣らしてください。いきなり全身は無理です」
「……じゃあ、末端」
いきなり手を繋がれた私は、雷に打たれたかのように痙攣しつつ
「ふぎゃああっ!?」
「これ以上の末端は無いからな~。辛くても慣れような~」
風丸は動物を宥めるように、私の頭をナデナデしました。余計に興奮するのでやめて欲しいです。しかし実際は『隠形』をかけられたついでに、手を繋いだままダンジョンを歩く羽目になりました。
しかもダンジョンの探索を終えて、お城に戻ってからも
「か、風丸~!? ここはお題部屋じゃありませんよ!? なんでナチュラルにくっついて来るんですか!?」
なぜか後ろからのしっとのしかかったり、横からピッタリくっついて来る風丸に悲鳴をあげるも
「だってアンタの接触下手を直さねーと、お題を1つクリアするだけでいちいちへとへとになって、一向に探索が進まねーじゃん」
悪気なく言うと、背後から私に抱きついて
「だから慣れて、ご主人様? 別にこのくらいの接触で死にはしないだろ?」
色っぽく耳に囁かれた私は
「だからファンは死ぬんですって! ああっ、寿命が削れる音がしますぅぅ!」
もはやお城にも安息の場所はなく、風丸に無邪気に寿命を削られました。
「うぅ。まさか続けざまに、お題部屋を攻めるとは。本当に装備のためなら待った無しなんですね?」
「だって俺のほうは惜しむようなことねーもん。それに好感度だか発情度だかが上がらなければ、お題は初期のまま変化しないんだろ? だったら気にするようなことは何も無くね?」
まぁ、実際ゲームでも風丸と2人きりでお題部屋に入ると、初期のお題しか出ませんでした。初攻略時は疑問でしたが、エンドを見るとヒロインになんの感情も無かったことが分かります。
多くのプレイヤーが「騙された!」と怒っていますが、改めて考えると必ず複数居るキャラの中から、風丸を選んで行為に及ばせているのは私たちなんですよね。そもそもお題部屋に入らなければ、過激なお題自体発生しないわけですし。
風丸はプレイヤーの性欲を見抜いて、重用されるために期待に応えただけ。それを風丸も乗り気だと誤解して、もう役目を終えたのに「こっちの世界に残る」と言い出したら、確かに「おめでたい女だ」という感想になるでしょう。考えれば考えるほど、本当は怖い風丸ルートです。
本人の言うとおり、普通の子とは名ばかりの美少女ヒロインにすら無感情だった風丸が、私に揺らぐはずがないのでお題が悪化する危険はありませんが
「でも初期のお題にもキスとかあるんですよ……」
自分だったら例え義務でも好きでもない人とキスしたくないので、風丸は本当に大丈夫なのかと心配です。しかし必要があれば18禁も辞さない風丸にとっては、大したことはないのか
「金髪ちゃんは俺にもアルゼリオの旦那にも節操なく強請って来たのに、マスターちゃんは慎ましいな。もしかしてキスもしたことが無いのかい?」
思いがけない風丸の指摘に、私は「うっ」とダメージを受けながら
「だってお付き合いしたことがありませんし。私の世界では恋人以外とするのは稀なので」
「地味だし、不美人だし、スタイルもよくねーし。いいとこねーもんな~、マスターちゃんは」
風丸はリズミカルに私をディスると
「強いて言うなら肌艶くらいかな?」
と両手でほっぺをもちもちして来ました。
「ああ~、何気ない触れ合いはおやめください~。これくらいの戯れでも、私には痛恨の一撃なんです~」
私の奇妙な言動に慣れて来た風丸は楽しそうに笑って
「本当にチョロいな、マスターちゃんは。アンタのそういうところは割と微笑ましいけどね。このくらいで参っていて、ハグなんてできんのかい?」
「は、はぐぅぅ……」
新種のポ●モンのような声をあげながら後ずさる私に、風丸は両腕を広げてじりじりと近づきながら
「怖くない。怖くない。ハグくらいで人は死なない」
「死にます。死にます。推しとハグしたら、人は死ななくてもファンは死ぬんです……って、アーッ!? 死ぬって言っているのにぃぃ!?」
風丸にガバッと抱きしめられて私は絶叫しました。しかし風丸は放してくれず
「元気に動いてんじゃねーか、アンタの心臓。ヤバいくらい脈打ってる。俺の身体が直接叩かれているみたい」
「長くないですか? もう良くないですか? これ以上触れ合ったら、本当に心臓が爆発します!」
必死に解放を訴えると、ようやく体を離してくれましたが
「本当に初心だな、マスターちゃんは。ちょっとは慣れなよ。これくらいで参っていたら、本当に死んじまうぞ」
「うぅ、プールみたいに末端から慣らしてください。いきなり全身は無理です」
「……じゃあ、末端」
いきなり手を繋がれた私は、雷に打たれたかのように痙攣しつつ
「ふぎゃああっ!?」
「これ以上の末端は無いからな~。辛くても慣れような~」
風丸は動物を宥めるように、私の頭をナデナデしました。余計に興奮するのでやめて欲しいです。しかし実際は『隠形』をかけられたついでに、手を繋いだままダンジョンを歩く羽目になりました。
しかもダンジョンの探索を終えて、お城に戻ってからも
「か、風丸~!? ここはお題部屋じゃありませんよ!? なんでナチュラルにくっついて来るんですか!?」
なぜか後ろからのしっとのしかかったり、横からピッタリくっついて来る風丸に悲鳴をあげるも
「だってアンタの接触下手を直さねーと、お題を1つクリアするだけでいちいちへとへとになって、一向に探索が進まねーじゃん」
悪気なく言うと、背後から私に抱きついて
「だから慣れて、ご主人様? 別にこのくらいの接触で死にはしないだろ?」
色っぽく耳に囁かれた私は
「だからファンは死ぬんですって! ああっ、寿命が削れる音がしますぅぅ!」
もはやお城にも安息の場所はなく、風丸に無邪気に寿命を削られました。
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