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第4話・〇〇しないと出られない部屋レベル2
キスしないと出られない部屋再び
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剣と魔法のRPGに取り組む時間が増えると言うことは、スローライフを楽しむ余裕が減ると言うことです。釣りや牧場要素については、釣りの師匠や老夫婦さんたちが私の事情を知って
『由羽ちゃんは国のために、大事な仕事をしているんでしょう? 無理に手伝わなくても食材は分けてあげるから、私たちのことは気にしないで』
と前よりお手伝いの時間は減ってしまったのに、食材を分けていただいています。
私の畑に関しても
『導き手としての仕事が忙しいなら、僕が由羽の代わりに畑を見てあげるよ』
と、まさかのユニちゃんが畑のお世話を買って出てくれました。神秘の森の主であるユニちゃんは、居るだけで植物に好影響を与えるそうです。神秘の森から、たまにお城の畑の様子を見に来てくれるようになったユニちゃんのお陰で、私の野菜たちは前より新鮮元気になりました。
私は本当に色んな人たちに助けられています。ダンジョンに入る平日は無理ですが、休日はなるべくお手伝いして、皆さんに恩返しできたらいいなと思いました。
とは言え、導き手として呼ばれたのですから、騎士の育成が最優先です。今日も風丸とダンジョンに入り、彼がモンスターと戦っている間、私は回避したりアイテムでサポートしたりしました。メインで戦っている風丸ほどではありませんが、2人しか居ないと私がミスした分、彼が不利になってしまうので、なかなか気が抜けません。
それでも今日もなんとか無事に切り抜けて、またお題部屋に来たのですが
「今回のお題はなんでしたか?」
「またキスだってさ。さて今回はどこにしてやろうか?」
獲物に飛びかかる前の猫みたいに笑う風丸に、私は慌てて
「手にしてください! 手でお願いします! 顔にされたら爆発します!」
ライトなスキンシップには慣れましたが、やっぱりキスは恋人同士がするものというイメージが強くて、推しにされるのは絶対に無理でした。
私に拒否された風丸は
「されるのが嫌なら、マスターちゃんが俺にするって手もあるんだぜ?」
「えっ? 私が風丸にするんですか?」
思いがけない提案に、ちょっと戸惑いましたが
「うーん。まぁ、確かにされるよりもするほうが、ダメージが少ないかもしれませんよね。じゃあ、手を……って、なんで引っ込めるんですか?」
風丸はなぜか自分の背中に両手を隠すと、ニパッと笑って
「顔にしてくんなきゃ、やーだ」
語尾に星がついているような、おどけた声で言う風丸に
「いきなりの駄々っ子!? か、可愛いワガママですが、頬やオデコにするのも結構恥ずかしいですよ?」
「この間は猫みたいって可愛がってくれたじゃん。口ならともかく頬や額ならペットにだってするだろ?」
「まぁ、そうかもしれませんが……」
下心があるからこそ躊躇っていると、風丸はキュルン顔で首を傾げて
「好きなだけ甘えていいって言ったのに。俺が可愛くないの、ご主人様?」
「アーッ!? 可愛い! 間違いなく世界でいちばん可愛いです~!」
太陽を直視したように目を押さえて悶える私に、風丸はニヤッと笑って
「じゃあ、してよ」
「うぅ、そんなに言うんでしたら……じゃ、じゃあ、ほっぺにしますね?」
立った状態だと届かないので、ちょっとだけ屈んでもらいます。近づいた顔にドキドキしながら、滑らかな頬に口づけると
「ふふっ、くすぐってぇ」
子どもみたいにコロコロと笑う風丸に、私は思わず時が止まりました。ゲームでは顏は笑っていても目の奥は冷めていたのに、こんなに無邪気な笑顔ができるんですね。
推しのキラキラ笑顔を目の当たりにして固まる私をよそに、風丸は笑みを残したままの表情で
「アンタにキスされんの、気持ちいい。もっとしてよ、マスターちゃん」
「えっ!? でも、もう宝箱出てますけど!?」
お題はこれでクリアしているのに、なぜか風丸は
「別にいいじゃん、すぐに出なくても。ちょっとゆっくりして行こうぜ」
「わっ、風丸!?」
風丸は私をベッドに引っ張り込むと
『由羽ちゃんは国のために、大事な仕事をしているんでしょう? 無理に手伝わなくても食材は分けてあげるから、私たちのことは気にしないで』
と前よりお手伝いの時間は減ってしまったのに、食材を分けていただいています。
私の畑に関しても
『導き手としての仕事が忙しいなら、僕が由羽の代わりに畑を見てあげるよ』
と、まさかのユニちゃんが畑のお世話を買って出てくれました。神秘の森の主であるユニちゃんは、居るだけで植物に好影響を与えるそうです。神秘の森から、たまにお城の畑の様子を見に来てくれるようになったユニちゃんのお陰で、私の野菜たちは前より新鮮元気になりました。
私は本当に色んな人たちに助けられています。ダンジョンに入る平日は無理ですが、休日はなるべくお手伝いして、皆さんに恩返しできたらいいなと思いました。
とは言え、導き手として呼ばれたのですから、騎士の育成が最優先です。今日も風丸とダンジョンに入り、彼がモンスターと戦っている間、私は回避したりアイテムでサポートしたりしました。メインで戦っている風丸ほどではありませんが、2人しか居ないと私がミスした分、彼が不利になってしまうので、なかなか気が抜けません。
それでも今日もなんとか無事に切り抜けて、またお題部屋に来たのですが
「今回のお題はなんでしたか?」
「またキスだってさ。さて今回はどこにしてやろうか?」
獲物に飛びかかる前の猫みたいに笑う風丸に、私は慌てて
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ライトなスキンシップには慣れましたが、やっぱりキスは恋人同士がするものというイメージが強くて、推しにされるのは絶対に無理でした。
私に拒否された風丸は
「されるのが嫌なら、マスターちゃんが俺にするって手もあるんだぜ?」
「えっ? 私が風丸にするんですか?」
思いがけない提案に、ちょっと戸惑いましたが
「うーん。まぁ、確かにされるよりもするほうが、ダメージが少ないかもしれませんよね。じゃあ、手を……って、なんで引っ込めるんですか?」
風丸はなぜか自分の背中に両手を隠すと、ニパッと笑って
「顔にしてくんなきゃ、やーだ」
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「いきなりの駄々っ子!? か、可愛いワガママですが、頬やオデコにするのも結構恥ずかしいですよ?」
「この間は猫みたいって可愛がってくれたじゃん。口ならともかく頬や額ならペットにだってするだろ?」
「まぁ、そうかもしれませんが……」
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「好きなだけ甘えていいって言ったのに。俺が可愛くないの、ご主人様?」
「アーッ!? 可愛い! 間違いなく世界でいちばん可愛いです~!」
太陽を直視したように目を押さえて悶える私に、風丸はニヤッと笑って
「じゃあ、してよ」
「うぅ、そんなに言うんでしたら……じゃ、じゃあ、ほっぺにしますね?」
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「ふふっ、くすぐってぇ」
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推しのキラキラ笑顔を目の当たりにして固まる私をよそに、風丸は笑みを残したままの表情で
「アンタにキスされんの、気持ちいい。もっとしてよ、マスターちゃん」
「えっ!? でも、もう宝箱出てますけど!?」
お題はこれでクリアしているのに、なぜか風丸は
「別にいいじゃん、すぐに出なくても。ちょっとゆっくりして行こうぜ」
「わっ、風丸!?」
風丸は私をベッドに引っ張り込むと
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