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第4話・〇〇しないと出られない部屋レベル2
密かに変わっていく関係
風丸はゴロンとベッドに仰向けになると
「キス、もっとしてよ。マスターちゃん」
私に自分を押し倒させるような体勢で、誘惑するようにこちらを見上げて来ました。
「ほ、本気ですか?」
「してくんねーと、俺からするぞ」
予告するように、私の唇を親指でなぞる風丸に
「し、します! します!」
なんでこんなことに? と戸惑いつつ、風丸の額や頬に乞われるままキスします。自分の唇が彼の肌に触れるたびに、胸にポポッと火が灯ります。……情欲の火じゃないですよね!? 落ち着いてください、私!
喪女の私にはチューだけで限界で、もういいかなと、やめようとしましたが
「ダメ。もっと」
風丸は私の背中に手を回すと、逃がすまいとするようにグッと引き寄せました。ベッドの上で推しと密着しながら、世界一綺麗だと見惚れてやまない顔にキスをする。性別が逆だったら200パーセント、勃っていたところです。女で良かった!
心臓がドンドコ不穏な音を立てる私とは逆に、風丸はとろっと気持ち良さそうな顔で
「やっぱりマスターちゃんにキスされんの、妙に気持ちいい。もしかすると、あれが効いてんのかな?」
「あれって……ハッ!? もしかして、これが『風丸を幸せにする力』なんですか!?」
以前、エバーシュタインさんが提唱した風丸洗脳説が今
「そーかも。キスだけじゃなくて、こうやってマスターちゃんに触れていると、変に気持ちいい。嬉しくて、楽しくて、勝手に顔が笑いそうになる……これが幸せってヤツなのかな?」
ヒロインにさえ心を開かなかったスーパードライ忍者・風丸が「これが幸せ?」なんて素面で言うはずが無いので
「わー!? 騙されちゃダメです、風丸! その幸せはまやかしですから浸ってはいけません!」
言いながら体を離そうとしましたが、風丸は放してくれず
「んー……」
自分の上に乗っかった私をギューッと抱きしめて、愚図るようにスリスリしています。まるで夢だと分かっていても、覚めたくないと言うような仕草に
「か、風丸~」
オロオロしながら呼びかけると
「こうしていると気持ちよくて放したくなくなるけど……アンタの言うとおり、まやかしの幸せに浸るってなんか嫌だな……」
風丸はなんとか正気を取り戻すと、私をベッドに座り直らせて自分も起き上がり
「まさか金髪ちゃんの指摘どおりになるとは……厄介な能力をもらってくれたなぁ? マスターちゃん」
我に返った風丸は、さっきまでのベタベタぶりを醜態と感じたのか、恨めし気に私を見ました。
「うぅ、すみません。まさかこんなことになるとは。エバーシュタインさんの言うとおり、帰ったほうがいいでしょうか?」
「は? なんでそんな話になるんだよ?」
「だって謎能力で風丸を狂わせるわけには」
風丸が好きだからこそ、本来の意思を捻じ曲げるようなことはしたくありませんでしたが
「……別にいいじゃん。ただ触りたくなるだけで、アンタの言いなりになるわけじゃないんだから」
「でも」
食い下がる私に、風丸は少しムキになって
「俺のためならなんでもしてくれるんだろ。だったらいいって言うまでここに居ろよ。アンタがどう思っているかは知らないけど、俺にとっちゃアンタがいちばん甘々で役に立つマスターなんだから」
「り、利用なんですね? 待遇目当てなんですね?」
風丸は真正面から、私をギュッと抱きしめると
「……そーだよ。だからここに居て。これからも俺の役に立ってよ」
「好きだから」ではなく「役に立て」だったことに少し安心しました。風丸に好きだとか言われたら、いよいよ洗脳説が濃厚になります。でも利用だと言ってくれるうちは風丸が快適に過ごせるように、便利に使われようと思いました。
「キス、もっとしてよ。マスターちゃん」
私に自分を押し倒させるような体勢で、誘惑するようにこちらを見上げて来ました。
「ほ、本気ですか?」
「してくんねーと、俺からするぞ」
予告するように、私の唇を親指でなぞる風丸に
「し、します! します!」
なんでこんなことに? と戸惑いつつ、風丸の額や頬に乞われるままキスします。自分の唇が彼の肌に触れるたびに、胸にポポッと火が灯ります。……情欲の火じゃないですよね!? 落ち着いてください、私!
喪女の私にはチューだけで限界で、もういいかなと、やめようとしましたが
「ダメ。もっと」
風丸は私の背中に手を回すと、逃がすまいとするようにグッと引き寄せました。ベッドの上で推しと密着しながら、世界一綺麗だと見惚れてやまない顔にキスをする。性別が逆だったら200パーセント、勃っていたところです。女で良かった!
心臓がドンドコ不穏な音を立てる私とは逆に、風丸はとろっと気持ち良さそうな顔で
「やっぱりマスターちゃんにキスされんの、妙に気持ちいい。もしかすると、あれが効いてんのかな?」
「あれって……ハッ!? もしかして、これが『風丸を幸せにする力』なんですか!?」
以前、エバーシュタインさんが提唱した風丸洗脳説が今
「そーかも。キスだけじゃなくて、こうやってマスターちゃんに触れていると、変に気持ちいい。嬉しくて、楽しくて、勝手に顔が笑いそうになる……これが幸せってヤツなのかな?」
ヒロインにさえ心を開かなかったスーパードライ忍者・風丸が「これが幸せ?」なんて素面で言うはずが無いので
「わー!? 騙されちゃダメです、風丸! その幸せはまやかしですから浸ってはいけません!」
言いながら体を離そうとしましたが、風丸は放してくれず
「んー……」
自分の上に乗っかった私をギューッと抱きしめて、愚図るようにスリスリしています。まるで夢だと分かっていても、覚めたくないと言うような仕草に
「か、風丸~」
オロオロしながら呼びかけると
「こうしていると気持ちよくて放したくなくなるけど……アンタの言うとおり、まやかしの幸せに浸るってなんか嫌だな……」
風丸はなんとか正気を取り戻すと、私をベッドに座り直らせて自分も起き上がり
「まさか金髪ちゃんの指摘どおりになるとは……厄介な能力をもらってくれたなぁ? マスターちゃん」
我に返った風丸は、さっきまでのベタベタぶりを醜態と感じたのか、恨めし気に私を見ました。
「うぅ、すみません。まさかこんなことになるとは。エバーシュタインさんの言うとおり、帰ったほうがいいでしょうか?」
「は? なんでそんな話になるんだよ?」
「だって謎能力で風丸を狂わせるわけには」
風丸が好きだからこそ、本来の意思を捻じ曲げるようなことはしたくありませんでしたが
「……別にいいじゃん。ただ触りたくなるだけで、アンタの言いなりになるわけじゃないんだから」
「でも」
食い下がる私に、風丸は少しムキになって
「俺のためならなんでもしてくれるんだろ。だったらいいって言うまでここに居ろよ。アンタがどう思っているかは知らないけど、俺にとっちゃアンタがいちばん甘々で役に立つマスターなんだから」
「り、利用なんですね? 待遇目当てなんですね?」
風丸は真正面から、私をギュッと抱きしめると
「……そーだよ。だからここに居て。これからも俺の役に立ってよ」
「好きだから」ではなく「役に立て」だったことに少し安心しました。風丸に好きだとか言われたら、いよいよ洗脳説が濃厚になります。でも利用だと言ってくれるうちは風丸が快適に過ごせるように、便利に使われようと思いました。
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