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第7話・加速度的に落ちて行く2人
潮を噴かなきゃ出られない部屋
風丸に『くぱぁ』してからは誰かがボタンを押し間違えることもなく、モンスター部屋でエリアボスと戦う日々が続いていました。
最近はうっかりアルゼリオさんでも私でもなく、しっかり者の風丸がボタンを押してくれているので、もう間違いは起きないだろうと安心していました。
しかしいつものように3人で特殊部屋に入ろうとすると
「えっ? えっ? ここって」
「なんでこっちに出るんだ? 確かにモンスター部屋を押したのに」
私たちは、あの忌まわしきピンク部屋に転送されてしまいました。今回は風丸がボタンを押すところを私も見ていたので、押し間違いの可能性はありません。
「そういや前にアルゼリオの旦那も、自分はちゃんとボタンを押したのに、間違った部屋に飛ばされたって言ってたな」
「じゃあ、前回もアルゼリオさんのミスじゃなかったのかもしれませんね……って、アルゼリオさんは?」
そこで私ははじめてアルゼリオさんが居ないと気付きました。どうやら今回は私と風丸だけが、お題部屋に転送されたようです。ゲームでは間違った部屋に飛ばされることも、同行者が勝手に弾かれることも無かったのに。
「怖い。いったい何が起こっているんでしょう?」
不可解な現象に怯える私と違って、風丸は冷静な口ぶりで
「怖がるのは当然だけど、そもそもこの部屋の仕組み自体が謎だからな。分かるはずのない問題に頭を悩ませるより、今はさっさとここを出てアルゼリオと合流しようぜ」
お題部屋が誤作動しているとしても、どんな原理で動いているか知らない私たちには、考えたところで対処できません。だったら風丸の言うとおり、脱出可能か試すためにも、まずはお題に取り組んだほうがよさそうです。
「今回はどんなお題でしょうかね? あんまり激しいお題じゃないといいんですが」
そう言いながら壁に書かれたお題を確認すると
『潮を噴かなきゃ出られない部屋』
「思いきり激しい!?」
しかもこのお題では私の参加は不可避です。私はめいっぱい取り乱して
「と言うか無理ですよ!? 普通にイったことも無いのに、いきなり潮吹きなんてハードルが高すぎます!」
横に風丸が居るのも忘れて、恥ずかしいことを言ってしまいましたが
「普通にイッたことも無いって……マスターちゃん、自分でしたことねーの?」
風丸の質問に、私は困惑しながら
「普通は自分でするものなんですか? 女性もすることは知っていますが、男性と比べれば少数派では?」
しかしなんで風丸がそう思ったかと言うと
「前に自分は金髪ちゃんたちと似たり寄ったりの変態だって言っていたから。それくらいはしているかなって」
この世界で二次元の概念を説明するのは難しいですが
「私の世界には男女の恋愛を描いた読み物が、こちらの比じゃないほどありまして。その延長でエッチなものも読みまくっていたんですが、私は人のイチャイチャを見るのが楽しいタイプの変態なので。自分がやろうとは思わなかったんです……」
自分の変態レベルについて説明し直すと、風丸は呆れ顔で
「そりゃ変態って言うか耳年増だろ。それじゃ確かに自力で潮を噴くのは無理っぽいな」
少し躊躇うような間を開けて
「……じゃあ、俺がやる?」
「か、風丸が? でも嫌じゃないですか?」
風丸にそういうことをさせていいのか躊躇しましたが
「心配なのは俺よりマスターちゃんだろ。でもここで一緒に飢え死にするわけにはいかないし、自分でやれないって言うなら俺がやるしかない。ゴメンな」
「いえ、そんな。私は風丸が嫌じゃないなら。恥ずかしいだけで嫌ではないので……」
普通に「大好き」って言うのはいいんですが、異性と性的な話をするのは恥ずかしくて、ついもじもじしてしまいました。
しかし、ふと奇妙な沈黙が降りたのに気付いて
「か、風丸?」
声をかけると、風丸はハッと我に返ってから少し苦い顔になって
「……いや、なんでもない。やるか、粛々と。義務的に」
「うぅ、すみません。お願いします」
最近はうっかりアルゼリオさんでも私でもなく、しっかり者の風丸がボタンを押してくれているので、もう間違いは起きないだろうと安心していました。
しかしいつものように3人で特殊部屋に入ろうとすると
「えっ? えっ? ここって」
「なんでこっちに出るんだ? 確かにモンスター部屋を押したのに」
私たちは、あの忌まわしきピンク部屋に転送されてしまいました。今回は風丸がボタンを押すところを私も見ていたので、押し間違いの可能性はありません。
「そういや前にアルゼリオの旦那も、自分はちゃんとボタンを押したのに、間違った部屋に飛ばされたって言ってたな」
「じゃあ、前回もアルゼリオさんのミスじゃなかったのかもしれませんね……って、アルゼリオさんは?」
そこで私ははじめてアルゼリオさんが居ないと気付きました。どうやら今回は私と風丸だけが、お題部屋に転送されたようです。ゲームでは間違った部屋に飛ばされることも、同行者が勝手に弾かれることも無かったのに。
「怖い。いったい何が起こっているんでしょう?」
不可解な現象に怯える私と違って、風丸は冷静な口ぶりで
「怖がるのは当然だけど、そもそもこの部屋の仕組み自体が謎だからな。分かるはずのない問題に頭を悩ませるより、今はさっさとここを出てアルゼリオと合流しようぜ」
お題部屋が誤作動しているとしても、どんな原理で動いているか知らない私たちには、考えたところで対処できません。だったら風丸の言うとおり、脱出可能か試すためにも、まずはお題に取り組んだほうがよさそうです。
「今回はどんなお題でしょうかね? あんまり激しいお題じゃないといいんですが」
そう言いながら壁に書かれたお題を確認すると
『潮を噴かなきゃ出られない部屋』
「思いきり激しい!?」
しかもこのお題では私の参加は不可避です。私はめいっぱい取り乱して
「と言うか無理ですよ!? 普通にイったことも無いのに、いきなり潮吹きなんてハードルが高すぎます!」
横に風丸が居るのも忘れて、恥ずかしいことを言ってしまいましたが
「普通にイッたことも無いって……マスターちゃん、自分でしたことねーの?」
風丸の質問に、私は困惑しながら
「普通は自分でするものなんですか? 女性もすることは知っていますが、男性と比べれば少数派では?」
しかしなんで風丸がそう思ったかと言うと
「前に自分は金髪ちゃんたちと似たり寄ったりの変態だって言っていたから。それくらいはしているかなって」
この世界で二次元の概念を説明するのは難しいですが
「私の世界には男女の恋愛を描いた読み物が、こちらの比じゃないほどありまして。その延長でエッチなものも読みまくっていたんですが、私は人のイチャイチャを見るのが楽しいタイプの変態なので。自分がやろうとは思わなかったんです……」
自分の変態レベルについて説明し直すと、風丸は呆れ顔で
「そりゃ変態って言うか耳年増だろ。それじゃ確かに自力で潮を噴くのは無理っぽいな」
少し躊躇うような間を開けて
「……じゃあ、俺がやる?」
「か、風丸が? でも嫌じゃないですか?」
風丸にそういうことをさせていいのか躊躇しましたが
「心配なのは俺よりマスターちゃんだろ。でもここで一緒に飢え死にするわけにはいかないし、自分でやれないって言うなら俺がやるしかない。ゴメンな」
「いえ、そんな。私は風丸が嫌じゃないなら。恥ずかしいだけで嫌ではないので……」
普通に「大好き」って言うのはいいんですが、異性と性的な話をするのは恥ずかしくて、ついもじもじしてしまいました。
しかし、ふと奇妙な沈黙が降りたのに気付いて
「か、風丸?」
声をかけると、風丸はハッと我に返ってから少し苦い顔になって
「……いや、なんでもない。やるか、粛々と。義務的に」
「うぅ、すみません。お願いします」
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