【騎士王と主の伝説】18禁乙女ゲーの世界に来たからには全力で推しを幸せにします【風丸編】

知見夜空

文字の大きさ
42 / 68
第7話・加速度的に落ちて行く2人

甘えんぼニャンコ風丸(性描写有り)

 日中のほとんどは真面目にダンジョンを攻略しているとは言え、お題部屋では濃厚な時間を過ごしています。

 それなのに風丸は、夜は夜で私の部屋に来て

「マスターちゃん、イチャイチャしよ?」

 意外とスキンシップが好きなのか、2人きりになると全身でニャーンと甘えて来ます。人に懐かぬ野良猫が、すっかり甘えんぼの家猫です。成人&西洋系の男性陣の中では小柄なほうとは言え、私よりは大きいのに、この可愛さはどうしたことでしょうか。

「うぅ、甘えんぼ可愛いです。いっぱい甘えてください」

 私はまんまと篭絡されて、風丸のリクエストに応えるべく夢中でナデナデ、ギュッとしていましたが

「ナデナデもいいけど、キスして欲しいな~。キスして? マスターちゃん」

 キュルン顔で小首を傾げられた私は「ああっ!」とダメージを受けて

「どうすれば甘えられるか完全に分かっている顔だ! 演技だと分かっていても避けきれません!」

 激しく心をかき乱されつつ、やっぱりちょっと恥ずかしくて

「だから、その……キスしますね?」

 頬や額に遠慮がちにキスすると、風丸は「へへっ」と幸福そうに笑って

「アンタにキスされんの、好き」

 風丸も大天使でしたか……脳内でそっと手を合わせる私に、彼はさらに

「でも、どうせなら唇にもして欲しいな~」
「じゃ、じゃあ、目を閉じてください」

 お願いしたものの、風丸はニパッと八重歯を見せて

「マスターちゃんの顔を見てたいから、やーだ」
「ああっ!? あなたの可愛さが私を壊す!」

 あまりの愛らしさに、思わずキモいリアクションをしてしまいましたが

「まー、壊れてんのはお互い様じゃね? 俺だって仕事でもないのに、こんなにベタベタしないしね」
「色仕掛け的な仕事があったんですか?」

 何気なく質問すると、風丸は少し声のトーンを落として

「……そーだよ。たぶらかしては捨てて来た。軽蔑する?」

 風丸の問いに、私は即座に

「軽蔑しませんよ」

 風丸に傷つけられた人を思えば、無条件に許すなんていけないかもしれませんが

「あなたがたくさん悪いことをして来たのだとしても、私は風丸が好きなので。他の人が許さないなら、余計に私は風丸の味方でいます」

 私は自分が大きな罪を犯さずに生きて来られたのは、たまたまだと思っています。もしもっと過酷な環境に生まれ、敵を殺すのが正義だと教えられて育ったら、死ぬほど嫌でも逆らえなかったかもしれません。

 それでも被害者からすれば罪は罪で、加害者を庇うのは悪かもしれません。だとしても私は風丸が責められている時に、正義を盾にして自分の安全だけを護りたくないです。ただの自己満足で、なんの役にも立たない行為だとしても、風丸が辛い時こそ傍に居たいと思いました。

 風丸は私の目をジッと見ながら、少し複雑な顔で微笑んで

「……マスターちゃんはそういうこと、まっすぐな目で言えるからすごいな。俺がどんなヤツだろうが好きでいるなんてありえないのに、アンタに言われると信じそうになるから怖い」

 風丸は時々とても孤独な顔をします。風丸の苦しみを全て取り除くことはできないけど、寂しさだけでも少しは癒えたらいいなと

「私の風丸への好意は信じていいですよ。絶対にずっと好きでいます」

 頭を撫でながら約束すると、風丸は眩しそうに私を見てから少し俯いて

「……絶対なんて口にするの、馬鹿か嘘吐きだけだよ。でもマスターちゃんの絶対は、なんか信じちまうな」

 それからキスしたりペタペタ触り合ったりしているうちに、いつの間にか服を脱がされて、する流れになったのですが

「か、風丸? なぜ目隠しを?」

 風丸はお題部屋にあるアイマスクを、こちらに持ち帰っていたようで、なぜかけられました。ただでさえ視力が悪いのに、完全に視界を奪われて困惑する私に風丸は

「今日はマスターちゃんと裸でしたいなって。でもうちの里では伴侶以外に肌を見せるのは禁止でね。俺も脱ぐなら、マスターちゃんに目を瞑ってもらわないといけないんだ」
「ええっ? そんな設定があったんですね?」

 確かに風丸はゲームでも全く服を脱ぎませんでした。最終的にヒロインを裏切ることを考えれば、裸にならない=心を開いていない暗喩だったのかなと受け止めていましたが、里の掟だったんですね。

 それから裸で抱き合った私たちは

「やっぱりマスターちゃんと裸でくっつくの、気持ちいい。よすぎて溶けそう」

 視覚を奪われると聴覚がぎ澄まされるのか、風丸の声が本当にとろっと心地よさそうなのが伝わって来て

「私も気持ちいいです。風丸とくっつくの好き」

 えへへと笑いながら、自分からギュッと彼に抱き着くと

「~っ、アンタは本当に可愛いことばっかり言うよな」

 風丸は何かに耐えるように身を震わせながら、私をしっかりと抱き直して

「そんなんだから昼も夜も俺に犯されるんだよ。こんなにしつこくされて嫌じゃないの?」

 ぬこぬこと腰を動かしながら問いました。このくらいのペースなら、まだ気持ち良さを味わうとともに少しは話す余裕もあって

「恥ずかしいけど、嫌じゃないです。風丸が好きだから。たくさんしてくれて嬉しい」

 少し声を上ずらせながら答えると

「……とぼけた顔して本当に性質たちが悪いよな。そんなに言うなら、今夜も一度じゃ済まさねーから」

 風丸は火がついたように律動を速めて、私の余裕も奪われました。

 事後。明日も探索があるので、そろそろ寝ることになりましたが

「マスターちゃん、悪いんだけどさ。今日は目隠しを着けたまま寝てくんない?」
「えっ、どうしてですか? 流石にそろそろ外したいんですが」

 ずっと真っ暗は落ち着きませんし、何より風丸の顔が見たいです。私の問いに、風丸は少しバツが悪そうに

「……だって、このままアンタとくっついて寝たいんだもん。それを外すなら服を着なきゃだから」
「ああっ! 今の風丸、絶対に可愛かったのに! 見たかったです!」
「やだ、見んな」
「なぜ急にツン? 可愛いって言われるの、嫌なんですか?」

 いつも自分からニャンニャンキュルンして来るので、気にしないタイプかと思っていました。しかし風丸は、ちょっとふてくされたような声で

「……ぶっている時はいいけど、素で可愛いって思われんのは嫌じゃん」
「男の子ですね。かわ……カワウソ!」

 咄嗟に誤魔化す私に、風丸は恐らく白い目で

「なんだよ、カワウソって? それで、このまま一緒に寝てくれんの?」
「私が風丸のお願いを断るはずがありません。目隠しちゃんとしていますので、このまま一緒に寝ましょう」

 快諾すると、風丸は嬉しそうな声で笑って

「だからマスターちゃん、好き」

 「おやすみ」と頬にキスされて、お互いの体温を分け合うようにくっつきました。風丸にこんなに求めてもらえて幸せですが、欲を言えばやっぱり今の一連の流れを映像つきで見たかったです。
感想 10

あなたにおすすめの小説

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

冷徹義兄の密やかな熱愛

橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。 普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。 ※王道ヒーローではありません

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」

透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。 そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。 最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。 仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕! ---

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。