1 / 1
ドローン
しおりを挟む
最近、観光地で見かける奇妙な表示に「ドローン禁止」というものがあります。見慣れない表示なのでハタと立ち止まって考えこんでいる御老人を見かけるほどです。
別にこれは団体中国人ツアーの参加者が、日本に住み着きたいがために旅程の途中から蒸発することではございません。
ラジコンにカメラを搭載した小型ヘリのようなものです。撮影の能力を持っているとなりますと心配になってくるのはプライバシーの侵害です。
マンションの高層部分にスーッと飛ばし、うら若き女性の入浴シーンを撮る、あるいは若いカップルの痴態まぐわいを撮るなーんてことも出来ちゃうんです。
都内の河川敷沿いにマンションを買ったAさん、三十年ローンを組んだものの、残業が目減りしてどうも生活がキツキツです。
それにも増して頭を悩ますのは、奥さんと年頃の娘さんのオネダリ攻撃です。
「ねーパパ、同級生の娘がねステキなバッグ買って貰ったの、いいな~」
「お父さん、婦人会に行ったらね〇〇さんとこの奥さん、グッチのカバン持ってきたの、私も誕生日が近いわー」
お小遣いの少ないお父さんは、携帯のユーチューブでグッチ祐三を見て自らを慰めます。
「あれっ?お父さんどこに行ったの?」
「さっきまでソファーで携帯みてたのにねー」
しばらくしてお父さんが帰ってきます。
「あら。あんたラジコンのヘリなんか持ってどこ行ってたの?」
訝しがる奥さんが問い詰めます。
「河川敷なら、ドローンしてもいいと思うんだ」
別にこれは団体中国人ツアーの参加者が、日本に住み着きたいがために旅程の途中から蒸発することではございません。
ラジコンにカメラを搭載した小型ヘリのようなものです。撮影の能力を持っているとなりますと心配になってくるのはプライバシーの侵害です。
マンションの高層部分にスーッと飛ばし、うら若き女性の入浴シーンを撮る、あるいは若いカップルの痴態まぐわいを撮るなーんてことも出来ちゃうんです。
都内の河川敷沿いにマンションを買ったAさん、三十年ローンを組んだものの、残業が目減りしてどうも生活がキツキツです。
それにも増して頭を悩ますのは、奥さんと年頃の娘さんのオネダリ攻撃です。
「ねーパパ、同級生の娘がねステキなバッグ買って貰ったの、いいな~」
「お父さん、婦人会に行ったらね〇〇さんとこの奥さん、グッチのカバン持ってきたの、私も誕生日が近いわー」
お小遣いの少ないお父さんは、携帯のユーチューブでグッチ祐三を見て自らを慰めます。
「あれっ?お父さんどこに行ったの?」
「さっきまでソファーで携帯みてたのにねー」
しばらくしてお父さんが帰ってきます。
「あら。あんたラジコンのヘリなんか持ってどこ行ってたの?」
訝しがる奥さんが問い詰めます。
「河川敷なら、ドローンしてもいいと思うんだ」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
愚者による愚行と愚策の結果……《完結》
アーエル
ファンタジー
その愚者は無知だった。
それが転落の始まり……ではなかった。
本当の愚者は誰だったのか。
誰を相手にしていたのか。
後悔は……してもし足りない。
全13話
☆他社でも公開します
今更家族だなんて言われても
広川朔二
ライト文芸
父は母に皿を投げつけ、母は俺を邪魔者扱いし、祖父母は見て見ぬふりをした。
家族に愛された記憶など一つもない。
高校卒業と同時に家を出て、ようやく手に入れた静かな生活。
しかしある日、母の訃報と共に現れたのは、かつて俺を捨てた“父”だった――。
金を無心され、拒絶し、それでも迫ってくる血縁という鎖。
だが俺は、もう縛られない。
「家族を捨てたのは、そっちだろ」
穏やかな怒りが胸に満ちる、爽快で静かな断絶の物語。
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる