御天道様

dragon49

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御天道様

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 東京は都心から離れた遥か西部のH村は、水煙があがる人家が数戸ばかりとなった古さびた過疎地帯である。

 当地では、八十八夜の頃になると村の郷社に村長以下の歴々が集まって御天道様に豊作の祈りを捧げるが、これには村の駐在さんも列席する。

 「兎にも角にも、この村が江戸時代から続いているのもみーんな御天道様のお蔭、今年も米や野菜がいっぱい採れるといいのう」、年老いた村長の口上は毎年同じだ。

 何を今更バカバカしい、非科学的だと若い駐在員の巡査Fは、白けた表情で馬耳東風、その晩は早速に駐在所の二階で仮眠を始めた。

 すると丑三つ刻に駐在所の外が異様に明るい事に気づいた。階下の電話機がけたたましく鳴っている。それは村長の声だった。「駅前の広場に宇宙船が着陸している」

 駐在員Fは、拳銃の実弾を確認すると自転車で駅前の広場に向かった。

 すると、おおっ?!複数の宇宙人が駅前の売店から○清のカップ焼きそばUFOをダンボールごと宇宙船に運び込んでいるではないか。

 銀色に光り輝く宇宙船からは、眩いばかりの光線が発せられ、辺り一面は東京ドームのナイターのような明るさ、草がことごとく薙ぎ倒されている。

 「そこの宇宙人の方々、あなたがたが今やってることは、住居不法侵入、窃盗の罪にあたる.....あくまで地球の法律での話で恐縮ながら....」、駐在員が恐る恐る話しかけてみた。

「#%^*+=_\|<<>$€£•?!’%^*」、宇宙人の言語はサッパリ分からない。が、若い駐在員は、テレパシーで地球との友好の印に持ち帰るのではないかと了解した。

 翌朝、駐在員は昨日の事を正直に村長に話し、売店の中を見て回った。すると、おオッ!テーブルの上に見たことも無い銀貨のようなものが置いてあるではないか。銀貨には、♾のエンブレムが入っている。駐在員がそれを村長にわたすと、村長は御天道様の御神体だと言って郷社に祀った。

 その年の秋、村は空前の大豊作となった。駐在員Fは、これは富の源泉だと感付き、それをこっそりと盗み出した。すると、ほどなくして警視庁桜田門に破格の栄転となり、あれよあれよと言う間に出世し、警視庁一の美人婦警と結婚した。

 何もかもが順風満帆であった。たった一つの点を除けば。「あなた、夕飯ができたわよ」、Fはまたかといわんばかりにソースの封を切って振りかけ混ぜた。
「他に、何か別のものはできないもんかね、こう毎日UFOばかりじゃ.....」
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