長い旅路の果て

dragon49

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長い旅路の果て

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女が笑っている。
小さな庵の前で笑っている。
「何の御用かしら?」
女が誘うように愛想良く笑う。

「私は、長い長い性の旅路をしてきたものですが...喉が乾いて仕方がないのです。どうか、水を一杯下さい」
 風呂にも入りたいが、贅沢は言ってられない。
 
 「許可証は、お持ちですか?」
 女が、急に真顔になった。妙な緊張感である。

 「許可証?運転免許証なら有ります。大型も運転できます」
 私は、胸元から運転免許証を差し出した。

 「違いますわ。福沢諭吉さんの証文ですわ。それがないと、お水は差し上げられません」
 女が、むっとして応えた。

 「福沢諭吉の証文?そんなものは、今もちあわせていませんよ」
 わたしは、動揺する。

 「では、今来た道をお帰りください」
私は、仕方なく今来た道を引き返すのであった。

 (あれは、瀟洒な庵ではない。よく見たら、関所だ)
 気がつくと、大量の漢たちが私のように歩いて来た路を引き返しているのであった。
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