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第2章
第12話 異世界のお城で圧迫面接?
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それから俺たちは、国王陛下たちの前で、治療方法、治療道具などの説明をさせられた。
ファランさんは落ち着いた口調で説明を始める。
「私はハーノルド村で、薬草を主体とした薬の処方をしています。今回事前に王女様のご病状をお伝えいただけなかったため、主なものをまとめて持ってきました。まずは私にも王女様のご病状を診断させていただき、そのご病状から、適切と思われる薬を処方したいと思います」
国王陛下たちの前でこれだけ冷静でいられるなんてすごい。俺だったら絶対緊張してどもっちゃいそう。
「事前に王女の病状を伝えられなかった事は申し訳ありませんでした。王女の病状が国民や他国に知れ渡り、悪い影響が与えられるのを防ぐためなので、どうかお許しください」
そう言って侍医のミハエルさんが謝罪する。もちろんその理由も納得がいくものなので、ファランさんからも異論はない。
「それでは、持参された薬草を見せていただけますか?」
ファランさんは、スーツケースを開き、ミハエルさんの前まで持って行く。ミハエルさんも鑑定のスキル持ちのようで、中の薬草を次々と手に持ち鑑定と唱えている。そして「なるほど」と唸った。
「それともう一つ、新しい薬草を持ってきました」
ファランさんに指示され、クロエがリュックの中から植木鉢の中に植えられたアロエを出し、ミハエルさんのところへ運んだ。
ミハエルさんはアロエを鑑定すると、「おお!これはすごい。こんな薬草は初めて見ました!」と驚いた。
そんなやり取りをしていると、突然キツネ目の男、ヴェゼルが口を挟んできた。
「すごいとは言っても所詮薬草でしょう?調合した薬より効き目が弱いんだ。王女の病気はもう薬草なんかじゃ無理でしょう?」
「いえ、そんな事は……」
ミハエルさんが反論しようとすると、
「ヴェゼル殿、今は少しでも新しい治療方法を模索したい。完治はせずとも少しでも良くなれば十分価値があると思うぞ」
そう言って国王がキツネ目に注意をする。だがキツネ目は反省することなく、また毒を吐く。
「そうは言っても所詮田舎の医者ですからね。最先端医療でダメだったものが、こんな田舎者にどうこうできるものじゃないですよ」
バカにされてもファランさんは冷静でいる。逆に俺の頭に血が上ってしまったが、よく見ると国王の家族や侍医ミハエルさんも不快そうな顔をしていた。王家が堪えているのに俺が怒ってしまってはいけないと思い、俺も堪えた。
しかしこのヴェゼルというバカは、国王陛下が腹を立てているのに気づかないのか、その後も、こんなの時間の無駄だとか、バカじゃないのかとか、ブツブツと独り言をつぶやき続けていた。
その後、執事のロベルトさんから、ファランさんの詳しい紹介がある。
「ハーノルド村にはファラン女史しか医者がおりませんが、村では大きな病気もなく、住人たちからもとても信頼されております。またファラン女史の診断のスキルはレベル8で、王都の医師でもなかなかいない高レベルです」
やっぱりファランさんってすごいんだ。
その後、一通り薬草を確認したミハエルさんから、ぜひ治療をお願いしたいと申し出があり、国王たちも快く了承した。キツネ目ヴェゼルだけは嫌そうな顔をしていたが……。
国王は公務が忙しいらしく、この後王妃と王城へ戻るとのことだった。王太子はここに残るらしい。最後に国王より「娘をよろしくお願いします」と、頭を下げられた。
ファランさんは立ち上がり「どこまで力になれるか分かりませんが、全力を尽くします」と答えた。
一通りの話が終わった後、俺たちの治療の許可はもらえた。そして最後に恐ろしいことを言われる。
今回治療した王女の病状と治療内容については、この建物を出たら一切他言してはいけないとのことだった。もしそれを破ったことが分かれば、死刑にすると告げられたのだ。
それだけ王女の事は秘密なのだろう。ファランさんも俺たちも、それを了解した。
ファランさんは落ち着いた口調で説明を始める。
「私はハーノルド村で、薬草を主体とした薬の処方をしています。今回事前に王女様のご病状をお伝えいただけなかったため、主なものをまとめて持ってきました。まずは私にも王女様のご病状を診断させていただき、そのご病状から、適切と思われる薬を処方したいと思います」
国王陛下たちの前でこれだけ冷静でいられるなんてすごい。俺だったら絶対緊張してどもっちゃいそう。
「事前に王女の病状を伝えられなかった事は申し訳ありませんでした。王女の病状が国民や他国に知れ渡り、悪い影響が与えられるのを防ぐためなので、どうかお許しください」
そう言って侍医のミハエルさんが謝罪する。もちろんその理由も納得がいくものなので、ファランさんからも異論はない。
「それでは、持参された薬草を見せていただけますか?」
ファランさんは、スーツケースを開き、ミハエルさんの前まで持って行く。ミハエルさんも鑑定のスキル持ちのようで、中の薬草を次々と手に持ち鑑定と唱えている。そして「なるほど」と唸った。
「それともう一つ、新しい薬草を持ってきました」
ファランさんに指示され、クロエがリュックの中から植木鉢の中に植えられたアロエを出し、ミハエルさんのところへ運んだ。
ミハエルさんはアロエを鑑定すると、「おお!これはすごい。こんな薬草は初めて見ました!」と驚いた。
そんなやり取りをしていると、突然キツネ目の男、ヴェゼルが口を挟んできた。
「すごいとは言っても所詮薬草でしょう?調合した薬より効き目が弱いんだ。王女の病気はもう薬草なんかじゃ無理でしょう?」
「いえ、そんな事は……」
ミハエルさんが反論しようとすると、
「ヴェゼル殿、今は少しでも新しい治療方法を模索したい。完治はせずとも少しでも良くなれば十分価値があると思うぞ」
そう言って国王がキツネ目に注意をする。だがキツネ目は反省することなく、また毒を吐く。
「そうは言っても所詮田舎の医者ですからね。最先端医療でダメだったものが、こんな田舎者にどうこうできるものじゃないですよ」
バカにされてもファランさんは冷静でいる。逆に俺の頭に血が上ってしまったが、よく見ると国王の家族や侍医ミハエルさんも不快そうな顔をしていた。王家が堪えているのに俺が怒ってしまってはいけないと思い、俺も堪えた。
しかしこのヴェゼルというバカは、国王陛下が腹を立てているのに気づかないのか、その後も、こんなの時間の無駄だとか、バカじゃないのかとか、ブツブツと独り言をつぶやき続けていた。
その後、執事のロベルトさんから、ファランさんの詳しい紹介がある。
「ハーノルド村にはファラン女史しか医者がおりませんが、村では大きな病気もなく、住人たちからもとても信頼されております。またファラン女史の診断のスキルはレベル8で、王都の医師でもなかなかいない高レベルです」
やっぱりファランさんってすごいんだ。
その後、一通り薬草を確認したミハエルさんから、ぜひ治療をお願いしたいと申し出があり、国王たちも快く了承した。キツネ目ヴェゼルだけは嫌そうな顔をしていたが……。
国王は公務が忙しいらしく、この後王妃と王城へ戻るとのことだった。王太子はここに残るらしい。最後に国王より「娘をよろしくお願いします」と、頭を下げられた。
ファランさんは立ち上がり「どこまで力になれるか分かりませんが、全力を尽くします」と答えた。
一通りの話が終わった後、俺たちの治療の許可はもらえた。そして最後に恐ろしいことを言われる。
今回治療した王女の病状と治療内容については、この建物を出たら一切他言してはいけないとのことだった。もしそれを破ったことが分かれば、死刑にすると告げられたのだ。
それだけ王女の事は秘密なのだろう。ファランさんも俺たちも、それを了解した。
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