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【四】
6*
「ハル、嫉妬は見苦しいよ。綾斗さんが僕とセックスしてたからって拗ねてんの?」
「勘違いすんなよ。綾斗の彼氏は俺。綾斗は俺を選んだんだよ」
「その綾斗さんをほったらかしたよね? 綾斗さんが高校を卒業してから女の子と遊びまくってたじゃん。綾斗さんは綾斗さんだけを見てる僕のほうがいいでしょ?」
「いろんな女とセックスしたけど、彼女にはしてねえよ。付き合ってるのは綾斗だけ。綾斗は俺の最高傑作を撮ったんだからな」
「ハルの付き合うってねじ曲がってるんじゃない」
「それはお前だろ。義理とは言え兄弟の恋人を略奪か。綾斗、気づけよ。理久は俺に対抗意識を燃やしてるだけで、お前は遊ばれてるんだよ」
禁断の思いを紡ぐ部屋は一気に淫靡な部屋へと変わった。体中に汗が浮いて、額から顎に流れた汗がぽたぽたとシーツに落ちる。三人分の息が部屋の温度を上げ、理性を焼き切ってくる。
獣くさいにおいを放つのはハル君。自分よりもずっと立派なそれを見るとごくりと喉が鳴る。ハル君の指に力が入る。その力加減に指示され、舌先を忙しなく動かす。口いっぱいに頬張る竿は、知らない男の味がする。
口に気を取られると、後ろからの刺激に一瞬で頭が飛ぶ。理久と腰が当たると、理久の腰も汗ばんでいるのが分かる。自分たちの汗が混じって空気に広がるような気がして、理久と溶け合う感覚に腹の奥がじわじわと恍惚が広がる。
「綾斗、口に含んで動かせよ」
「綾斗、僕の気持ちを刻みつけるから」
悩む間もなくハル君のものをくわえさせられる。顎が痛くなりそうだ。口の中いっぱいで上手く舌を動かせない。先端をぐりぐりと割るようになぞり、口をすぼめて前後に動かしてカリの部分を何度もこする。するとハル君が「気持ちいい……」と小さく呟いた。
これで、写真よりもオレを見てくれるかな。そう思ってハル君を見上げる。
ハル君はオレを見ていなかった。影のよぎる瞳は欲に濡れながら写真を見ている。写真の中の、自分の輝きを必死に追いかけるように。
そのとき、背中にぽっと小さな明かりとひんやりとしたピアスが触れる。理久が背中にキスをし、顔をつけて抱きしめてきたのだ。優しい愛撫に心が解けたのも束の間、肌を打ち鳴らす音が繰り返す。体を走り抜ける衝撃に「んぐ」と男根が喉が詰まる。理久が悔しそうな声を出した。
「ムカつく……綾斗さん、ハルに興奮してる? 後ろ、すごく締まってる」
「なに、綾斗、興奮してんの? フェラさせられて? お前ってそういうのが好きなタイプだったのかよ」
「綾斗さん、こんなやつのなにがいいの? 僕のほうがいいよね?」
理久の悔しさを滲ませる声に棘が増す。放さない。そう訴えるように腰の動きが少し乱暴になる。
ハル君の口調も目線も硝子の刃のようで、心が冷えて眩暈を起こしそうだ。
ハル君はセックスしてくれない。そう思っていた。ハル君は慰めてくれない。そう思っていた。でも、そもそも、オレは勘違いしていた。ハル君はオレに興味がない。
目を瞑って視界を遮ると、他の感覚が開けた。鼻をつく男臭い汗のにおい、自分の髪を掴むごつごつした手の熱さ、ぐちゅぐちゅと体の中で理久を受け止める音、背中に落とされるキスと垂れる髪の湿っぽさ、自分の膝と爪に引っかかるシーツの毛玉の感触。
全員のボルテージが最高潮に達する。
ハル君の粗暴な手が髪を引っ掴み、理久の汗ばんだ手が腰を包む。いつから間違えたんだろう。いつから勘違いしてたんだろう。彼氏のハル君の欲は冷ややかで、幼馴染みの理久の言葉は熱っぽい。
「勘違いすんなよ。綾斗の彼氏は俺。綾斗は俺を選んだんだよ」
「その綾斗さんをほったらかしたよね? 綾斗さんが高校を卒業してから女の子と遊びまくってたじゃん。綾斗さんは綾斗さんだけを見てる僕のほうがいいでしょ?」
「いろんな女とセックスしたけど、彼女にはしてねえよ。付き合ってるのは綾斗だけ。綾斗は俺の最高傑作を撮ったんだからな」
「ハルの付き合うってねじ曲がってるんじゃない」
「それはお前だろ。義理とは言え兄弟の恋人を略奪か。綾斗、気づけよ。理久は俺に対抗意識を燃やしてるだけで、お前は遊ばれてるんだよ」
禁断の思いを紡ぐ部屋は一気に淫靡な部屋へと変わった。体中に汗が浮いて、額から顎に流れた汗がぽたぽたとシーツに落ちる。三人分の息が部屋の温度を上げ、理性を焼き切ってくる。
獣くさいにおいを放つのはハル君。自分よりもずっと立派なそれを見るとごくりと喉が鳴る。ハル君の指に力が入る。その力加減に指示され、舌先を忙しなく動かす。口いっぱいに頬張る竿は、知らない男の味がする。
口に気を取られると、後ろからの刺激に一瞬で頭が飛ぶ。理久と腰が当たると、理久の腰も汗ばんでいるのが分かる。自分たちの汗が混じって空気に広がるような気がして、理久と溶け合う感覚に腹の奥がじわじわと恍惚が広がる。
「綾斗、口に含んで動かせよ」
「綾斗、僕の気持ちを刻みつけるから」
悩む間もなくハル君のものをくわえさせられる。顎が痛くなりそうだ。口の中いっぱいで上手く舌を動かせない。先端をぐりぐりと割るようになぞり、口をすぼめて前後に動かしてカリの部分を何度もこする。するとハル君が「気持ちいい……」と小さく呟いた。
これで、写真よりもオレを見てくれるかな。そう思ってハル君を見上げる。
ハル君はオレを見ていなかった。影のよぎる瞳は欲に濡れながら写真を見ている。写真の中の、自分の輝きを必死に追いかけるように。
そのとき、背中にぽっと小さな明かりとひんやりとしたピアスが触れる。理久が背中にキスをし、顔をつけて抱きしめてきたのだ。優しい愛撫に心が解けたのも束の間、肌を打ち鳴らす音が繰り返す。体を走り抜ける衝撃に「んぐ」と男根が喉が詰まる。理久が悔しそうな声を出した。
「ムカつく……綾斗さん、ハルに興奮してる? 後ろ、すごく締まってる」
「なに、綾斗、興奮してんの? フェラさせられて? お前ってそういうのが好きなタイプだったのかよ」
「綾斗さん、こんなやつのなにがいいの? 僕のほうがいいよね?」
理久の悔しさを滲ませる声に棘が増す。放さない。そう訴えるように腰の動きが少し乱暴になる。
ハル君の口調も目線も硝子の刃のようで、心が冷えて眩暈を起こしそうだ。
ハル君はセックスしてくれない。そう思っていた。ハル君は慰めてくれない。そう思っていた。でも、そもそも、オレは勘違いしていた。ハル君はオレに興味がない。
目を瞑って視界を遮ると、他の感覚が開けた。鼻をつく男臭い汗のにおい、自分の髪を掴むごつごつした手の熱さ、ぐちゅぐちゅと体の中で理久を受け止める音、背中に落とされるキスと垂れる髪の湿っぽさ、自分の膝と爪に引っかかるシーツの毛玉の感触。
全員のボルテージが最高潮に達する。
ハル君の粗暴な手が髪を引っ掴み、理久の汗ばんだ手が腰を包む。いつから間違えたんだろう。いつから勘違いしてたんだろう。彼氏のハル君の欲は冷ややかで、幼馴染みの理久の言葉は熱っぽい。
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