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プロローグ
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ある日突然それは俺の頭上に落ちてきた。
(人か。。。。?)
そして、俺はこの世からおさらばした。
◼️□◼️□◼️□◼️□
意識の覚醒とともに
「大丈夫ですか?大丈夫ですか?お坊ちゃま。お坊ちゃま。」
と耳元で大勢の声がする。
(大丈夫な訳ないだろう?人が降ってきたんだぜ?人が。。。
と言うか、お坊ちゃま?
なんてもんじゃ、そもそもないし。
ああ、そうか。
他にも巻き込まれた奴がいるんだ。
それにしても、まあお坊ちゃま?
時代錯誤も甚だしい。顔でも拝んでやるか。。。
なんとかうっすら目を開けて見る。
倒れている俺を複数の人が囲んでいる。
げっ。。。外人ばっか。
「How are you?」
変な顔をされた。
そして。。。
「お坊ちゃまが目を覚まされたぞ」
と大歓声が聞こえた。
「ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい」
なんかもうお祭り騒ぎだ。
(良かった。日本語が通じるじゃん。)
ほっとすると同時に意識は闇に落ちていった。
どこからか
「これで皆死なないで済む。」
そんな声が聞こえたような気がした。
□◼️□◼️□◼️□◼️
朝日が枕もとから差し込み
朝の訪れを感じる。
(まてよ?昨日カーテン閉め忘れたか?)
そしてふいに焦りが浮かぶ
この日差しの角度は。。。
やってしまったか?
あわてて飛び起きようとして、
ベッドに身体が沈み込むのが感じられる。
(なんだこのふにゃふにゃの布団は?)
俺はどちらかと言えばしっかりと硬い布団に、
硬い枕が好きだ。
布団だけは柔らかい羽毛布団一択だが。
そこで、ここが自分の部屋で無いことに気づいた。
天蓋付きベッドなど、映画以外で見たこともないし、ましてや目覚めとともに、洗面器を持って布団にやってくる侍女なんて雇ったことなんぞ勿論ない。
ああ、これは夢だ。
脳震盪で頭をやられたに違いない。
そう思い目を閉じ、ぱっと目を開く。
……おかしい。まだ侍女の姿が見える??
ばかな。とうとう頭のネジがぶっ飛んだのか?
「お坊ちゃまがお目覚めです。」
と喚きながら、バタバタとネアンヌと言う侍女が
部屋から飛び出していく。
(何故彼女の名前が分かるんだ?)
「まったくもってはしたない。」
そう口の中でぶつぶつ言っている
痩せすぎのちょっと底意地の悪そうな
老女は確かカテリンだ。
(後遺症?精神錯乱?)
恐ろしい。
きっと今俺は病院のICU (集中治療室)で麻酔を嗅がされ
安置されているんだろう。そして悪夢を見せられている最中に違いない。
妙に現実的な夢だが……。
思い切って目を閉じ、もう一度目を開ける。
「わぁぁぁ」
カテリンのどアップがあった。
◼️□◼️□◼️□◼️□
しばらくすると、部屋にバタバタ数人の人が駆け込んできた。
「ボウヤの目が覚めたんですって?」
高音のややヒステリックな声が響く。
(お母様?)
頭に一人の女性が浮かぶ。
「もしバルバロッサの目が覚めねば、
あの時同行した者みな皆殺しだ。」
物騒な言葉が響いた。
(この声はお父様?)
そして入ってきたのは予想通り
体に首が埋まってた樽のような男と
針金のように細った厚化粧の女だった。
そして何故か両親と分かる。
「オーク?(豚の魔獣)」
ポツリと俺が呟くと
「おい、魔術師。まだ意識が混濁している。早く治療しろ。治ればそれ相応の報酬をやろう。治らなければ 分かってるな……」
今時聞くこともない安っぽい台詞が聞こえる。
(ったく、どこのチンピラヤクザなんだか。)
◼️□◼️□◼️□◼️□
それからの数日で俺はいろいろなことを知ることになった。
父親とされる男は貴族であり、その爵位は辺境伯であるということ。実力ではなく世襲で爵位を得ており、能力は凡庸な上、ノブレス・オブリージュ(高貴なるものの義務)なる矜持を持つこともなく贅沢三昧の生活をしている為領民の評判は底辺をさ迷っていること。
そして俺の評判はそれに輪をかけて酷く、
まあ泣きたいくらいであった。
この世界は中世程度の発達具合であり、
衛生観念が低く生まれた子供が成人をえられる確率は低かった。
その為、世継ぎでかつ年をとってから生まれた俺は甘やかされ育ってきたみたいだ。
話に聞く限り、今回俺が倒れたきっかけも実にアホらしい話であった。
人伝に近くの山に雷鳥(サンダーバード)が住み着いたと聞いた俺は実際その目で見てみたくなり
「魔獣である雷鳥を見たい」
とお父様にねだったそうだ。
そして親バカな親父はと言うと
「なんでも色々なことに興味をもつのは良いことだ。本物を見せてやろう」と言って、
わざわざ捜索隊を結成させたらしい。
子も子ならまた親も親だ。
そして数日の探索が始まり、巣を発見したまでは良かった。
そこで引き上げればまあ、良くある冒険騨であったのだが、
俺は巣にいる雛を見つけ、周りが止めるのも聞かず巣に飛びこんで行った挙げ句親鳥に電撃を浴び昇天したとのことであった。
(まさにバカ極まりってやつだな……)
(人か。。。。?)
そして、俺はこの世からおさらばした。
◼️□◼️□◼️□◼️□
意識の覚醒とともに
「大丈夫ですか?大丈夫ですか?お坊ちゃま。お坊ちゃま。」
と耳元で大勢の声がする。
(大丈夫な訳ないだろう?人が降ってきたんだぜ?人が。。。
と言うか、お坊ちゃま?
なんてもんじゃ、そもそもないし。
ああ、そうか。
他にも巻き込まれた奴がいるんだ。
それにしても、まあお坊ちゃま?
時代錯誤も甚だしい。顔でも拝んでやるか。。。
なんとかうっすら目を開けて見る。
倒れている俺を複数の人が囲んでいる。
げっ。。。外人ばっか。
「How are you?」
変な顔をされた。
そして。。。
「お坊ちゃまが目を覚まされたぞ」
と大歓声が聞こえた。
「ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい」
なんかもうお祭り騒ぎだ。
(良かった。日本語が通じるじゃん。)
ほっとすると同時に意識は闇に落ちていった。
どこからか
「これで皆死なないで済む。」
そんな声が聞こえたような気がした。
□◼️□◼️□◼️□◼️
朝日が枕もとから差し込み
朝の訪れを感じる。
(まてよ?昨日カーテン閉め忘れたか?)
そしてふいに焦りが浮かぶ
この日差しの角度は。。。
やってしまったか?
あわてて飛び起きようとして、
ベッドに身体が沈み込むのが感じられる。
(なんだこのふにゃふにゃの布団は?)
俺はどちらかと言えばしっかりと硬い布団に、
硬い枕が好きだ。
布団だけは柔らかい羽毛布団一択だが。
そこで、ここが自分の部屋で無いことに気づいた。
天蓋付きベッドなど、映画以外で見たこともないし、ましてや目覚めとともに、洗面器を持って布団にやってくる侍女なんて雇ったことなんぞ勿論ない。
ああ、これは夢だ。
脳震盪で頭をやられたに違いない。
そう思い目を閉じ、ぱっと目を開く。
……おかしい。まだ侍女の姿が見える??
ばかな。とうとう頭のネジがぶっ飛んだのか?
「お坊ちゃまがお目覚めです。」
と喚きながら、バタバタとネアンヌと言う侍女が
部屋から飛び出していく。
(何故彼女の名前が分かるんだ?)
「まったくもってはしたない。」
そう口の中でぶつぶつ言っている
痩せすぎのちょっと底意地の悪そうな
老女は確かカテリンだ。
(後遺症?精神錯乱?)
恐ろしい。
きっと今俺は病院のICU (集中治療室)で麻酔を嗅がされ
安置されているんだろう。そして悪夢を見せられている最中に違いない。
妙に現実的な夢だが……。
思い切って目を閉じ、もう一度目を開ける。
「わぁぁぁ」
カテリンのどアップがあった。
◼️□◼️□◼️□◼️□
しばらくすると、部屋にバタバタ数人の人が駆け込んできた。
「ボウヤの目が覚めたんですって?」
高音のややヒステリックな声が響く。
(お母様?)
頭に一人の女性が浮かぶ。
「もしバルバロッサの目が覚めねば、
あの時同行した者みな皆殺しだ。」
物騒な言葉が響いた。
(この声はお父様?)
そして入ってきたのは予想通り
体に首が埋まってた樽のような男と
針金のように細った厚化粧の女だった。
そして何故か両親と分かる。
「オーク?(豚の魔獣)」
ポツリと俺が呟くと
「おい、魔術師。まだ意識が混濁している。早く治療しろ。治ればそれ相応の報酬をやろう。治らなければ 分かってるな……」
今時聞くこともない安っぽい台詞が聞こえる。
(ったく、どこのチンピラヤクザなんだか。)
◼️□◼️□◼️□◼️□
それからの数日で俺はいろいろなことを知ることになった。
父親とされる男は貴族であり、その爵位は辺境伯であるということ。実力ではなく世襲で爵位を得ており、能力は凡庸な上、ノブレス・オブリージュ(高貴なるものの義務)なる矜持を持つこともなく贅沢三昧の生活をしている為領民の評判は底辺をさ迷っていること。
そして俺の評判はそれに輪をかけて酷く、
まあ泣きたいくらいであった。
この世界は中世程度の発達具合であり、
衛生観念が低く生まれた子供が成人をえられる確率は低かった。
その為、世継ぎでかつ年をとってから生まれた俺は甘やかされ育ってきたみたいだ。
話に聞く限り、今回俺が倒れたきっかけも実にアホらしい話であった。
人伝に近くの山に雷鳥(サンダーバード)が住み着いたと聞いた俺は実際その目で見てみたくなり
「魔獣である雷鳥を見たい」
とお父様にねだったそうだ。
そして親バカな親父はと言うと
「なんでも色々なことに興味をもつのは良いことだ。本物を見せてやろう」と言って、
わざわざ捜索隊を結成させたらしい。
子も子ならまた親も親だ。
そして数日の探索が始まり、巣を発見したまでは良かった。
そこで引き上げればまあ、良くある冒険騨であったのだが、
俺は巣にいる雛を見つけ、周りが止めるのも聞かず巣に飛びこんで行った挙げ句親鳥に電撃を浴び昇天したとのことであった。
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