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僕の可愛い足で走る音はぽてぽてと言った所だろうか。それに対して、クレインの走る擬音はダダダッみたいな感じだ。何が言いたいかと言うと、まあ駆け出した僕は追いかけて来たクレインに一瞬で捕まってしまったということだ。
「悪い、ルイスにとってはつまらないことを勧めてしまった。気分を悪くしたか?」
クレインは眉を八の字にして、僕の顔を見つめる。僕の機嫌を損ねてしまったのではないかと不安になっている彼の顔を見ていると、イライラが治まってきた。そうそう、クレインはこうでなくちゃ。
「ううん、僕こそ急に離れちゃってごめん。騎士様たち、何か言ってた?」
例えば僕の悪口とか。
「いや、ルイスのことを可愛らしいと言っていたぞ。」
「へぇ、見る目あるね。」
礼儀のなってない悪い子だとは思われていないようで一先ず安心だ。
「はは。」
僕がうんうんと頷いていたらクレインがくすくすと笑うので、
「どうしたの?」
と聞くと、
「見る目があるって、ルイスはいつでも自信たっぷりだな。」
と眩しそうにクレインが微笑んだ。僕の存在が眩しいのはそうだからいいけど、自信満々なのってもしかして良い子っぽくないのかな。
「悪いかな?」
「いや、羨ましいと思う。」
「羨ましい?」
「俺も決して自信が全くないという訳では無いが、そこまで自負できるほどではないからな。」
確かにクレインはオドオドしているわけじゃないけど、自信があります!って感じでもない、フラットな存在だと思う。でもそれって悪いことじゃないと思う。だってクレインが僕みたいだったらちょっと嫌だもん。俺の剣技に見惚れろ!とか言われたら鳥肌が立っちゃうや。そもそも僕は僕一人で十分だし。
「そう?クレインはそのままでいいと思うけど。」
「そうか?」
「うん。そのままのクレインの方が好きだよ!」
僕に似た空想のクレインよりは。
「……そうか。」
クレインは一瞬言葉を詰まらせて目を逸らしながら言った。
「うん。」
頷くと、彼がなんだかもにょもにょしだしたので、放置して応接室に向かう。
「……本当に眩しいな。」
後ろでクレインがなにか呟いたけれど、よく聞き取れなかったのでそのまま置いておくことにした。
すると、なんだか玄関の方が騒がしい。どうしたのだろうと思ってちょこっと窓から覗いてみる。すると、どうやら客人のようだ。
「今日は特に客が来る予定はなかったはずだが。」
いつの間にか後ろにいたクレインが思案顔で呟いた。
「そうだよね?僕が来るのにダブルブッキングとかありえないもん。」
「ああ。予定は空けておいたはずだから、父上の客人だろうか。」
そう、こそこそ話していると、馬車が窓から見えることに気がついた。じっと目を凝らしてみると、馬車には見覚えのある紋章が描かれていた。そう、僕の断罪をしたメイナード王家の紋章だった。
「うわ……」
最悪、最悪だ!今世では良い子にすると決めたとは言えど、前世の死因になんて会いたくないに決まっている。顔と地位が良かったから言いよっていたけれど、別に特別好きだったわけでもないし、今となっては好感度は地の底だ。こんなに可憐で美しい僕を言われの……少しはあるけど、ちょっとした可愛い罪で死刑にするなんて!
「顔色が悪い。大丈夫か?」
「え、う、うん。」
あまりのことに血の気が引いていたからか、クレインに心配されてしまった。でも、そこで思い出した。今世の僕は決して独りじゃないってことを。お父様もお兄様も、クレインだって僕の味方、のはずだ。だからここで王家の人間の記憶に残らない普通の令息を演じ切れれば、多分生き残れるはず!それに、あの王太子が来ていると決まったわけじゃない。使いの者が来ただけかもしれないし。
「クレインは、僕の味方だよね?」
「……?ああ。そうありたいと思っている。」
彼ははっきりとそう告げてくれた。
「うん!じゃあ様子を見に行ってきたら?気になるでしょう?」
努めて笑顔でそうクレインの背中を押すけれど、コイツってば筋肉のせいか全然押されてくれない。ちょっと、僕に反抗しないでくれる?
「そんな顔色のルイスを一人で置いていけない。俺が行くならルイスも一緒だ。」
は?僕はそれとなくお客様には会いたくないからお前一人で行ってねって言ったつもりだったんだけど!?
「え、でも」
「頼む。」
あ~もう!そんなワンコみたいな顔で見られたら善良な僕は言うことを聞くしかないじゃないか。
「わかった。」
渋々、クレインに連れられて玄関のメインホールに歩いていく。玄関ホールには沢山の使用人たちが頭を下げて待機している。何だか嫌な予感がしてきた。するとちょうど、ガチャリと大きな玄関扉が開いた。
扉の向こうに立っていたのはおよそ10歳とは思えない完璧な笑顔を貼り付けた――悪夢の本人だった。
リチャード・メイナード王太子。柔らかそうな髪質の銀髪と全てを見抜くような赤い瞳。
前世で僕を断罪し、首を刎ねさせた張本人。
「……っ」
思わず声が喉の奥で詰まったけれど、その瞬間、すっとクレインが僕の前に立つ。
厚い背中が視界を遮ってくれて、ほんの少し呼吸が楽になった。
「ご足労恐れ入ります、殿下。」
クレインが礼をとる。僕も慌てて胸に手を当ててお辞儀をする。
――そうだ、僕はただの公爵令息。目立たず、普通に、ただ可愛らしく。
リチャード王太子はちらりと僕を冷たい瞳で見やった後、すぐさまクレインに向き直り、
「突然の訪問で済まなかったね。先客もいたようだ。」
と微笑んだ。僕のことなど眼中にないとでも言いたげな態度に内心腹が立つが堪えておく。
「いえ、こちらは私の婚約者のルイス・フルーベルです。」
「そうか、フルーベル公爵にはよくして貰っている。よろしく伝えておいてくれ。」
言外に、自分はクレインと話があるから出ていってくれ、と何度も言われている気がした。というか、多分そうだ。僕としてもリチャード王太子と争うなんてことしたくないし、関わりたくもないので、
「それでは僕はここで失礼します。」
と頭を下げた。しかし、
「いや、ルイスも居てくれ。」
とクレインに言われてしまう。は?どう考えても僕ってば邪魔でしょう?
「いやいや、僕帰るから!」
「折角会えたのにそんなにすぐ帰ることもないだろう!」
僕のことが好きなのは大変結構だけど、今そういうのいいから!
僕とクレインが押し問答を繰り返していると、
「ふふ、私は君が同席しても構わないよ。」
と王太子が微笑みを絶やさず言ったため、僕は帰ることがいよいよもってできなくなってしまったのだった。
「悪い、ルイスにとってはつまらないことを勧めてしまった。気分を悪くしたか?」
クレインは眉を八の字にして、僕の顔を見つめる。僕の機嫌を損ねてしまったのではないかと不安になっている彼の顔を見ていると、イライラが治まってきた。そうそう、クレインはこうでなくちゃ。
「ううん、僕こそ急に離れちゃってごめん。騎士様たち、何か言ってた?」
例えば僕の悪口とか。
「いや、ルイスのことを可愛らしいと言っていたぞ。」
「へぇ、見る目あるね。」
礼儀のなってない悪い子だとは思われていないようで一先ず安心だ。
「はは。」
僕がうんうんと頷いていたらクレインがくすくすと笑うので、
「どうしたの?」
と聞くと、
「見る目があるって、ルイスはいつでも自信たっぷりだな。」
と眩しそうにクレインが微笑んだ。僕の存在が眩しいのはそうだからいいけど、自信満々なのってもしかして良い子っぽくないのかな。
「悪いかな?」
「いや、羨ましいと思う。」
「羨ましい?」
「俺も決して自信が全くないという訳では無いが、そこまで自負できるほどではないからな。」
確かにクレインはオドオドしているわけじゃないけど、自信があります!って感じでもない、フラットな存在だと思う。でもそれって悪いことじゃないと思う。だってクレインが僕みたいだったらちょっと嫌だもん。俺の剣技に見惚れろ!とか言われたら鳥肌が立っちゃうや。そもそも僕は僕一人で十分だし。
「そう?クレインはそのままでいいと思うけど。」
「そうか?」
「うん。そのままのクレインの方が好きだよ!」
僕に似た空想のクレインよりは。
「……そうか。」
クレインは一瞬言葉を詰まらせて目を逸らしながら言った。
「うん。」
頷くと、彼がなんだかもにょもにょしだしたので、放置して応接室に向かう。
「……本当に眩しいな。」
後ろでクレインがなにか呟いたけれど、よく聞き取れなかったのでそのまま置いておくことにした。
すると、なんだか玄関の方が騒がしい。どうしたのだろうと思ってちょこっと窓から覗いてみる。すると、どうやら客人のようだ。
「今日は特に客が来る予定はなかったはずだが。」
いつの間にか後ろにいたクレインが思案顔で呟いた。
「そうだよね?僕が来るのにダブルブッキングとかありえないもん。」
「ああ。予定は空けておいたはずだから、父上の客人だろうか。」
そう、こそこそ話していると、馬車が窓から見えることに気がついた。じっと目を凝らしてみると、馬車には見覚えのある紋章が描かれていた。そう、僕の断罪をしたメイナード王家の紋章だった。
「うわ……」
最悪、最悪だ!今世では良い子にすると決めたとは言えど、前世の死因になんて会いたくないに決まっている。顔と地位が良かったから言いよっていたけれど、別に特別好きだったわけでもないし、今となっては好感度は地の底だ。こんなに可憐で美しい僕を言われの……少しはあるけど、ちょっとした可愛い罪で死刑にするなんて!
「顔色が悪い。大丈夫か?」
「え、う、うん。」
あまりのことに血の気が引いていたからか、クレインに心配されてしまった。でも、そこで思い出した。今世の僕は決して独りじゃないってことを。お父様もお兄様も、クレインだって僕の味方、のはずだ。だからここで王家の人間の記憶に残らない普通の令息を演じ切れれば、多分生き残れるはず!それに、あの王太子が来ていると決まったわけじゃない。使いの者が来ただけかもしれないし。
「クレインは、僕の味方だよね?」
「……?ああ。そうありたいと思っている。」
彼ははっきりとそう告げてくれた。
「うん!じゃあ様子を見に行ってきたら?気になるでしょう?」
努めて笑顔でそうクレインの背中を押すけれど、コイツってば筋肉のせいか全然押されてくれない。ちょっと、僕に反抗しないでくれる?
「そんな顔色のルイスを一人で置いていけない。俺が行くならルイスも一緒だ。」
は?僕はそれとなくお客様には会いたくないからお前一人で行ってねって言ったつもりだったんだけど!?
「え、でも」
「頼む。」
あ~もう!そんなワンコみたいな顔で見られたら善良な僕は言うことを聞くしかないじゃないか。
「わかった。」
渋々、クレインに連れられて玄関のメインホールに歩いていく。玄関ホールには沢山の使用人たちが頭を下げて待機している。何だか嫌な予感がしてきた。するとちょうど、ガチャリと大きな玄関扉が開いた。
扉の向こうに立っていたのはおよそ10歳とは思えない完璧な笑顔を貼り付けた――悪夢の本人だった。
リチャード・メイナード王太子。柔らかそうな髪質の銀髪と全てを見抜くような赤い瞳。
前世で僕を断罪し、首を刎ねさせた張本人。
「……っ」
思わず声が喉の奥で詰まったけれど、その瞬間、すっとクレインが僕の前に立つ。
厚い背中が視界を遮ってくれて、ほんの少し呼吸が楽になった。
「ご足労恐れ入ります、殿下。」
クレインが礼をとる。僕も慌てて胸に手を当ててお辞儀をする。
――そうだ、僕はただの公爵令息。目立たず、普通に、ただ可愛らしく。
リチャード王太子はちらりと僕を冷たい瞳で見やった後、すぐさまクレインに向き直り、
「突然の訪問で済まなかったね。先客もいたようだ。」
と微笑んだ。僕のことなど眼中にないとでも言いたげな態度に内心腹が立つが堪えておく。
「いえ、こちらは私の婚約者のルイス・フルーベルです。」
「そうか、フルーベル公爵にはよくして貰っている。よろしく伝えておいてくれ。」
言外に、自分はクレインと話があるから出ていってくれ、と何度も言われている気がした。というか、多分そうだ。僕としてもリチャード王太子と争うなんてことしたくないし、関わりたくもないので、
「それでは僕はここで失礼します。」
と頭を下げた。しかし、
「いや、ルイスも居てくれ。」
とクレインに言われてしまう。は?どう考えても僕ってば邪魔でしょう?
「いやいや、僕帰るから!」
「折角会えたのにそんなにすぐ帰ることもないだろう!」
僕のことが好きなのは大変結構だけど、今そういうのいいから!
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