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5話 長いナイフの夜
「蛮族が講和の申し入れ……とな?」
蛮族王アエレがヴェネドティア王と講和を結びたがっている。そのことを父王エクターに伝えたら、案の定彼は目を丸くしていた。蛮族にとって戦と言うのは征服か敗走しか有り得ない。彼もまたそう思っていたのだ。
「が、講和、か……」
父王エクターもそれに惹かれるものがあるようだ。
我々は血を多く流しすぎた。数え切れぬほどの命を蛮族との戦で失った。国土は荒廃し、農民は嘆き、商人は姿を消した。
講和を結べば、平和が取り戻される。さすれば、また民草は豊かになり、貴顕たちも富み栄え、王の威光は厭が応にも増すだろう。
「講和会議に応じるのですか?」
私は父王エクターに尋ねた。
「うむ、そのつもりだ。平和を取り戻す好機である。この好機を逃す手はない」
「私も同意見です」
蛮族たち――というのはソエグレス人のことであるが――は、会談の場所に「巨人の環」を指定してきた。ヴェネドティア王国領と蛮族の支配領域の境界付近にある古代遺跡である。
いつ頃からあるのかは分からないが、その遺跡は大凡アルビオネスの島に人の住み始めた頃からそこにあったという。巨大な石柱が円形を為して並び、人の手によるものとは到底思えない。故に「巨人の環」なのであるが、その場所に国中の貴顕を連れて参られたし。こちらも部族の有力者全員を連れてくる、と蛮族王アエレはこちらに通達してきた。
という訳で、我々は「巨人の環」までやって来た。国中の貴顕を連れて。蛮族は石柱に沿って座られたし、と我々に指示をしてきた。我々側の貴顕たちの間に、蛮族側の有力者が座ろう、と。
時は夕方。西の山々の峰に、血のように赤い太陽が沈もうとしている。東の空は既に群青色が滲みだし、夜へと誘っている。
「ヴェネドティア王エクターよ、よくぞ参られた」
と言った蛮族王アエレの顔を見た時、私は目を疑った。
まっすぐ伸びた鼻梁に、まっすぐ伸びた眉。雄弁なる大きな口に、短く切りそろえられた金髪。そして、海のように深い青の瞳。
紛れもない。蛮族王アエレは、我が義兄ベッドフォード公ジョンだ。この顔を見間違えることがあろうか。
服装は生前とは異なり、ソエグレス風の短い丈のチュニックとゆったりしたズボンを履いている。が、その顔は間違いなくベッドフォード公ジョンだ。ラ・ピュセルを陥れて火あぶりにし、私を嘲弄し辱めた、にっくき義兄だ。
私は、俄かに不安になってきた。
あの陰険な義兄だ。この会談には何か裏の目的があるに違いない。私は、彼が真に平和を望んでいるとは到底思えない。出来れば今すぐにでも、皆を連れてシンクヴァウルに帰りたい。
私が異世界転生しているのだ。義兄も異世界転生していないはずがないのだ。
「では、これらの条項について――」
だが、会談は恙無く進行している。蛮族王アエレと父王エクターは、極めて友好的な雰囲気で会話を続けている。その姿を、貴顕たちはくつろいだ様子で眺めている。
そんな空気を、若干十八歳の若造が壊せる訳がない。例え王の後継者であろうと、口をさしはさんではいけないことがあるのだ。
私は、ハラハラしながら、父王と義兄の会話を眺めていることしか出来ない。実に口惜しい。私は下唇を噛むしかなかった。
「以上を以て、ヴェネドティア王エクターとソエグレス人の王アエレとの間に、永久の平和が約束される。その証人は、ここにいる双方の有力者全員が務める。皆の者、異論はないな?」
蛮族王アエレは、床几から立ち上がると、堂々たる面持ちで双方の貴顕、有力者たちの顔を見まわす。
「異議なし!」
「異議なし!」
彼らから、賛同を示す声が上がった。
「余、アエレは、これらの条項を終世に渡って遵守することを、我が神の名に誓う」
「余、エクターは、これらの条項を終世に渡って遵守することを、我が神の名に懸けて誓う」
二人は両手を上げる誓約の仕草を取り、神の名を唱えた。神の名に拠る誓い。これはとても重大なものだ。破れば神の災いが下ると、アルビオネスの島の民は信じていた。
「それでは、堅苦しいのはこれくらいにして、酒宴と行きましょうか、エクター殿」
「うむ、そうするとしよう。平和に乾杯したいところだ」
「全くです」
そうして、蛮族王は会談の場であった「巨人の環」の中央から退出していく。父王エクターも同様に、彼に背を向けて貴顕たちの中へと戻っていこうとする。
が、その時、神をも人をも憎む恐るべき義兄は、かくしてその想いを遂げるのであった。
「さあ、ソエグレスよ、ナイフを取れ」
アエレのその言葉が合図であった。
蛮族の有力者たちは、急に立ち上がると、食人鬼の如き憎悪に歪んだ表情で自身のブーツからナイフを抜き、隣にいるヴェネドティア王国の貴顕に襲い掛かった。
嗚呼、主よ、何たることだ!
完全に不意を突かれた形となった。油断していたヴェネドティア王国の貴顕たちは、碌に抵抗することも出来ず、蛮族の刃の前に斃れた。家令ディナスも、父王エクターも、蛮刀から逃れる術を持たなかった。
おお、このように卑怯極まりない出来事は、アルビオネスの島に人が住み始めて以降、今日まで起こったためしがなかっただろう! 蛮族共に呪いあれ!
私も殺される!? そう思った私は、すかさず腰の剣に手をかけ、隣に座っていた蛮族に斬りかかろうとした。が、私はナイフで刺されることはなく、蹴飛ばされて、ヴェネドティア王国の高貴なる人々の血を吸った「巨人の環」の下草が生えた地面に転がされた。
そうして蛮族の兵に羽交い絞めにされて、地面に押し付けられた。
「私がこうしてお前を捕虜にするのは、アジャンクール以来二度目か?」
「ベッドフォード公……!」
私を見下ろして立つ、義兄。やはり蛮族王アエレの正体は我が義兄ベッドフォード公ジョンであった。やはり彼は我々を陥れるつもりであったのだ。
「なあに、兄弟仲良くしようじゃないか。私はお前を殺すつもりはないのだから」
「おのれ……」
にっくき義兄に慈悲をかけられるなど、屈辱の極み。ラ・ピュセルを救い出す使命がなければ、殺せと迫っている所だ。
「それに、こちらにはお前のことを待っている者がいる。その者の為にも、お前は生かして連れて行かなくてはならないのだ。その方が、私の究極的な目標にも適う」
「私のことを待っている者?」
誰だ? 蛮族に知り合いなどいないぞ。
「そうだ。会えば分かる」
連れて行け、と義兄は配下の有力者たちに、私を連行するよう告げる。
最早逃げること叶わず。そう悟った私は、引っ立てられるがままに歩き出した。
おお、異世界における我が父よ、良くしてくれた家令よ、良く仕えてくれた高貴なる人々よ。汝らの魂が主の御許へ行けることを、私は祈ろう。
そして、その無念は必ずや晴らす。
蛮族王アエレがヴェネドティア王と講和を結びたがっている。そのことを父王エクターに伝えたら、案の定彼は目を丸くしていた。蛮族にとって戦と言うのは征服か敗走しか有り得ない。彼もまたそう思っていたのだ。
「が、講和、か……」
父王エクターもそれに惹かれるものがあるようだ。
我々は血を多く流しすぎた。数え切れぬほどの命を蛮族との戦で失った。国土は荒廃し、農民は嘆き、商人は姿を消した。
講和を結べば、平和が取り戻される。さすれば、また民草は豊かになり、貴顕たちも富み栄え、王の威光は厭が応にも増すだろう。
「講和会議に応じるのですか?」
私は父王エクターに尋ねた。
「うむ、そのつもりだ。平和を取り戻す好機である。この好機を逃す手はない」
「私も同意見です」
蛮族たち――というのはソエグレス人のことであるが――は、会談の場所に「巨人の環」を指定してきた。ヴェネドティア王国領と蛮族の支配領域の境界付近にある古代遺跡である。
いつ頃からあるのかは分からないが、その遺跡は大凡アルビオネスの島に人の住み始めた頃からそこにあったという。巨大な石柱が円形を為して並び、人の手によるものとは到底思えない。故に「巨人の環」なのであるが、その場所に国中の貴顕を連れて参られたし。こちらも部族の有力者全員を連れてくる、と蛮族王アエレはこちらに通達してきた。
という訳で、我々は「巨人の環」までやって来た。国中の貴顕を連れて。蛮族は石柱に沿って座られたし、と我々に指示をしてきた。我々側の貴顕たちの間に、蛮族側の有力者が座ろう、と。
時は夕方。西の山々の峰に、血のように赤い太陽が沈もうとしている。東の空は既に群青色が滲みだし、夜へと誘っている。
「ヴェネドティア王エクターよ、よくぞ参られた」
と言った蛮族王アエレの顔を見た時、私は目を疑った。
まっすぐ伸びた鼻梁に、まっすぐ伸びた眉。雄弁なる大きな口に、短く切りそろえられた金髪。そして、海のように深い青の瞳。
紛れもない。蛮族王アエレは、我が義兄ベッドフォード公ジョンだ。この顔を見間違えることがあろうか。
服装は生前とは異なり、ソエグレス風の短い丈のチュニックとゆったりしたズボンを履いている。が、その顔は間違いなくベッドフォード公ジョンだ。ラ・ピュセルを陥れて火あぶりにし、私を嘲弄し辱めた、にっくき義兄だ。
私は、俄かに不安になってきた。
あの陰険な義兄だ。この会談には何か裏の目的があるに違いない。私は、彼が真に平和を望んでいるとは到底思えない。出来れば今すぐにでも、皆を連れてシンクヴァウルに帰りたい。
私が異世界転生しているのだ。義兄も異世界転生していないはずがないのだ。
「では、これらの条項について――」
だが、会談は恙無く進行している。蛮族王アエレと父王エクターは、極めて友好的な雰囲気で会話を続けている。その姿を、貴顕たちはくつろいだ様子で眺めている。
そんな空気を、若干十八歳の若造が壊せる訳がない。例え王の後継者であろうと、口をさしはさんではいけないことがあるのだ。
私は、ハラハラしながら、父王と義兄の会話を眺めていることしか出来ない。実に口惜しい。私は下唇を噛むしかなかった。
「以上を以て、ヴェネドティア王エクターとソエグレス人の王アエレとの間に、永久の平和が約束される。その証人は、ここにいる双方の有力者全員が務める。皆の者、異論はないな?」
蛮族王アエレは、床几から立ち上がると、堂々たる面持ちで双方の貴顕、有力者たちの顔を見まわす。
「異議なし!」
「異議なし!」
彼らから、賛同を示す声が上がった。
「余、アエレは、これらの条項を終世に渡って遵守することを、我が神の名に誓う」
「余、エクターは、これらの条項を終世に渡って遵守することを、我が神の名に懸けて誓う」
二人は両手を上げる誓約の仕草を取り、神の名を唱えた。神の名に拠る誓い。これはとても重大なものだ。破れば神の災いが下ると、アルビオネスの島の民は信じていた。
「それでは、堅苦しいのはこれくらいにして、酒宴と行きましょうか、エクター殿」
「うむ、そうするとしよう。平和に乾杯したいところだ」
「全くです」
そうして、蛮族王は会談の場であった「巨人の環」の中央から退出していく。父王エクターも同様に、彼に背を向けて貴顕たちの中へと戻っていこうとする。
が、その時、神をも人をも憎む恐るべき義兄は、かくしてその想いを遂げるのであった。
「さあ、ソエグレスよ、ナイフを取れ」
アエレのその言葉が合図であった。
蛮族の有力者たちは、急に立ち上がると、食人鬼の如き憎悪に歪んだ表情で自身のブーツからナイフを抜き、隣にいるヴェネドティア王国の貴顕に襲い掛かった。
嗚呼、主よ、何たることだ!
完全に不意を突かれた形となった。油断していたヴェネドティア王国の貴顕たちは、碌に抵抗することも出来ず、蛮族の刃の前に斃れた。家令ディナスも、父王エクターも、蛮刀から逃れる術を持たなかった。
おお、このように卑怯極まりない出来事は、アルビオネスの島に人が住み始めて以降、今日まで起こったためしがなかっただろう! 蛮族共に呪いあれ!
私も殺される!? そう思った私は、すかさず腰の剣に手をかけ、隣に座っていた蛮族に斬りかかろうとした。が、私はナイフで刺されることはなく、蹴飛ばされて、ヴェネドティア王国の高貴なる人々の血を吸った「巨人の環」の下草が生えた地面に転がされた。
そうして蛮族の兵に羽交い絞めにされて、地面に押し付けられた。
「私がこうしてお前を捕虜にするのは、アジャンクール以来二度目か?」
「ベッドフォード公……!」
私を見下ろして立つ、義兄。やはり蛮族王アエレの正体は我が義兄ベッドフォード公ジョンであった。やはり彼は我々を陥れるつもりであったのだ。
「なあに、兄弟仲良くしようじゃないか。私はお前を殺すつもりはないのだから」
「おのれ……」
にっくき義兄に慈悲をかけられるなど、屈辱の極み。ラ・ピュセルを救い出す使命がなければ、殺せと迫っている所だ。
「それに、こちらにはお前のことを待っている者がいる。その者の為にも、お前は生かして連れて行かなくてはならないのだ。その方が、私の究極的な目標にも適う」
「私のことを待っている者?」
誰だ? 蛮族に知り合いなどいないぞ。
「そうだ。会えば分かる」
連れて行け、と義兄は配下の有力者たちに、私を連行するよう告げる。
最早逃げること叶わず。そう悟った私は、引っ立てられるがままに歩き出した。
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