【短編】婚約破棄した元婚約者の恋人が招いていないのにダンスパーティーに来ました。

五月ふう

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最低の男ね!!

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「こうやって、

 アイナとパーティに出るのは、


 久しぶりだな。」


俺、レンは

隣でにこにこと微笑むアイナに

そう話しかけた。




アイナが笑っている顔を見るのも、

ずいぶん久しぶりな気がした。

 

「一生、


 貴方のパートナーなど、


 したくありませんでしたけどね。」



にこにこと笑ったままそう言うと

尖ったヒールで

俺の足を踏みつけた。



痛い、、、。





今日はナツリン国の

来賓歓迎パーティだ。



アイナは、

昔からナツリン語が堪能で、

通訳無しで王族と話すことができた。




これは、

アイナと仲を修復する

良い機会だ。




そう思った俺は、

父上に頼んで、

アイナに婚約者として

一緒にパーティに出てもらうことに

したのだ。



激しく抵抗されると思ったが、

アイナは思いの外

すんなり誘いを了承した。



口では文句を言っているが、

やはりアイナは、

俺の妃として、

よりを戻したいに違いない。




「俺は嬉しいよ。」




「私は、


 酷く嫌な気持ちです。」


それならば、

なぜ俺の婚約者として、

パーティに出ることを了承したのだ?



照れているだけだろう?



俺はすこぶる気分が良かった。



「カナ!!」


ナツリン国の王妃カナだ。


アイナは昔から

カナと仲良しだった。



「アイナ!」


カナは、

アイナに駆け寄ってきて、

何やら話始めた。



俺には何を話しているのか、

全く分からないが、

積もる話もあるだろうし


まぁいいだろう。




--------------------------------------




「え?


 なにそれ、


 最低のゴキブリ男じゃん。」


カナ様は、

レンを見て言った。



口調は辛辣だが、

レンにバレないよう

表面ではにこにこと話している。




私、アイナは

レンがナツリン語が

わからないのをいいことに


これまでのことを

洗いざらいカナ様に話していた。




「そうなの。


 しかも、


 このクソ男は、


 まだ私が気があると勘違いしてて、



 鬱陶しいのよ。」





「最低。」

と、カナ様。




「で、今日はカナ様に

 仕返しの


 お手伝いをしてもらいたくて、、。」



カナ様は、

私の両手を掴んで

うんうんとうなずいた。



「なんでも!


 私ができることなら、


 なんでもするよ!」



よーし。

流石カナ様。



「そしたら、


 私がタイミングを見て

 泣き出すから、




 その後はねーー。」



レンは、

機嫌が良さそうに

ワインを飲んでいる。


まさかにこにこと話す私達が、


貴方を陥れようとしてるなんて、


思わないでしょー??









--------------------------------------




「もう、、



 もう耐えきれません、、!」



パーティが

終わりに差し掛かった頃、



カナ様と話していたアイナが

突然泣き出した。



な、何があったのだ??!




俺が

アイナの側に近寄ると、

カナが

さっと

俺の前に立ちふさがった。




「ちかよるナ!!」




カナが、

カタコトで言った。


カナは、

この国の言葉が話せないはずだが、、?




泣いているアイナの肩を抱いて、

カナは通訳を呼んだ。



カナは俺を睨みつけて、


何やら怒鳴っている。



一体、


何に怒っているのだ。



どうやら、

カナは怒りに任せて、

王を呼んだらしい。




騒ぎを聞きつけて、

俺の父である王も

その場にやってきた。




「何があったのだ、レン?」

父は俺に聞いた。



「わ、わかりません。



 突然アイナが泣き出して、、。」




父は顔を顰めて

通訳に尋ねた。



「カナ様は


 なぜ怒っているのだ?」




「それが、、


 どうやらカナ様は、


 レン様とアイナ様の


 婚約破棄の件を


 聞いたようなのです。




 アイナ様を


 無理やりパーティに


 参加させたのではと、


 怒っておられます。」



通訳の言葉を聞いて、

俺は頭が真っ白になる。




通訳は続ける。



「これは、


 レン様が勝手に行ったことなのか、



 それとも王が行ったことなのか、



 と、


 カナ様は尋ねられています。



 もしも国としてアイナ様を


 無理やりパーティに参加させたならば、



 ナツリン国としても



 然るべき対応をさせてもらう、と。」




父は、

俺を睨みつけ、


それから言った。



「レンが


 勝手に行ったことだ。」



父上、、!


父上も、

賛同して

手伝ってくれたでは無いですか、、!





「カナ様に、


 気分を害してしまって



 申し訳ないと伝えろ。



 それから、、



 レンはその罰として、


 一ヶ月の謹慎を申しつける。」



父上、、、!














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