闇と光の慈愛のコントラスト

ひろの助

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第Ⅰ章。「二つの種族」

3、神々の恋

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 --時は戻り、闇に眠るアクティスの様子--

 アクテイスの体は動かない。
 (こころを伝えよう)
 祈り、それは、心を伝える手段である。
 苦しい、楽しい、悲しい、思い出…今の思い
 アクテイスは祈りだした。
 (伝わると いいのだけれど)

 アクテイスは思い出していた。
 (町をおそったイリノイス)
 (なぜ? おじいさまは命の種さえ与えたのに…)
 (なぜ おじいさまを殺したの?)
 (でも だめ 憎んではいけない)
 闇は静かにアクテイスをいやす。


 --そして、また過去に戻る--

 --神々の恋--


イリノイスは星々から12宮神を作り出した。
無論12宮神に恋愛の感情とかは持つわけは無い。
でも、レマァーは、イリノイスが好きであった。
闇の種族は、地に住み営み、種族を増やし農作業も自分自身の手でおこなっていた。
栄えていると言える。
イリノイスは、光の天空城にいて、全てのことを12宮神の力(能力)でまかなっていた。
好きと言う気持ちを考えたことも有るが、
なぜか、いとなむことをしなかった。
種族は12宮神と我自身だけであった。

中光集殿の中にイリノイスとレマァーは居た。
部屋の周りに12のつがいの光の生命。
そのなか、我なくイリノイスとレマァーは自然と見詰め合っていた。
レマァーの目に少し濃紺の闇が見える。
彼女は、イリノイスをうっとりと見つめる。
イリノイスは、目を見つめ返して思った。
(淡いまなざし 恋か?)
目を閉じるレマァー。
二人は、何をする意識もなく唇を重ねていた。
二人はキスをしたのだ。
真紅の光がキラキラと部屋中に飛び散る。

すると部屋にひそんでいた光の生命、今、生きている実感を取り戻したように鼓動がする。
「ドク ドク ドク …」
部屋に二つの光源。
真光球が光りだす。傍らの受光石も光る。
光は、12の生命、いや、つがいなので24の生命を育てる。

24の生命は、光に包まれいる。
赤色の赤ちゃん。
それが、毛のない乳児になり、肌色の肌に変わる。動物は肌を茶色や白の毛が覆う。
24の生命は見る見る成人になった。
そして、そっと床に横たわる。
真闇球は、光を失い、いや、よく見ると中に銀河のような宇宙を覗かせていた。
星々がきれいに渦になり輝いている。

 「マイジン。この24の命を休めてくれ」
イリノイスは、どこに呼びかけたのか、マイジン(12宮神の一人)を呼んだ。
どこからか、彼女は現れる。
「かしこまりました」
そう返事をすると、12の生命を宙に浮かせ、両手を壁にあてた。
金色の扉が出現する。
「ゴォ ゴォォ」
そして、その扉は開く、中には違う広い部屋が見える。
13塔は、隠れた扉で繋がっているのである。
マイジンは、その扉の向こうに12の生命を連れて消えて行った。
扉は、静かに閉まり、元の壁に戻る。

ことは、収まり静かになった。

「レマァー。部屋に行こう」

イリノイスは一言いい、中光集殿を後にした。その後をレマァーは静かに追う。


 --神々の恋②--

マイジンは24の命を自分の塔の客間に移動させた。
客間は、椅子とかテーブルは、片付けられて、広々とした空間が作られている。
そして、床にふっくらとわらが積まれていた。
 (イリノイスさま。とうとう、命の種を手に入れたのだわ)
マイジンは、ウキウキして命を記録し始める。
 「人が五組」(少し種族が違うようね)
 「ヤギ一組」
 「牛一組」
 「馬一組」
 「犬一組」
 「羊一組」
 「鶏(にわとり)一組」
 「七面鳥一組」(おいしそう)

 (確か、昔そう呼んでいた気がする…)

 (とりあえず記録と)

 (そうそう、みんなの歌を作らなければ)

 「人は農園を守り牛に耕やせる
 ヤギの乳はおいしい
 馬に乗り遠くに旅する
 犬は羊を守り
 羊は毛布を生み暖かい日々
  朝食には新鮮な卵
  今日、祝いの日、肉を食べる
 神々へのささげもの
  :
  少し下品かしら」

 (楽しい)

 「風は
 花粉を運ぶ
 愛の妖精
  おしべ と めしべ を 結ぶ
 花は実をゆだねる
 風に
 揺られて
 気ままに
 飛べ
 種は落ち
 土よ
 ゆれろ
 耕せ
 自ら
 :
  根をはれ
 種子よ
 :
  あ 人の役目か?
  もう 牛が耕すわね」

 (あ ぁ イリノイス…)

もう一人、中光集殿の真紅の光を吸った者が…
神々は一斉に恋に目覚めだしたのか?

光の天空城には、真紅の光が舞っていた。


めも:アクティスとイリノイスと時間が前後して分かりにくいですが、ブログに書かれた内容を尊重しています。
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