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有栖川れなは優等生!!
有栖川れなは優等生!!
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あぁ、私は今日も倒れてしまった。こんなじゃ駄目なのに。自分でも分かってるけど…。
私は昔から、勉強が好きだった。
でも、今までガリ勉だなんてまさかみんなに思って欲しいとか思うわけでもないから、まるでとてつもなく馬鹿のように、毎日どんなことでもはしゃいでいた。
おかげで、友達はたくさん。私は人気者だったと思っていた。
しかし…。
「勉強、分からないから教えてくれない?私、こういうの苦手だから…。」
「あのさー、宿題やっといてくんない?マジめんどい。」
「えぇー、それはちょっと…。」
「流石、勉強してる人の頭は読めないわー。」
また過去のことを思い出してしまった。
私には丁度合った友達が居ない…???
気のせい。もうこんな事は考えずに。ありのまま過ごそう。
「勉強出来るから何。あんな見てるとイラつく。消えて。」
「教えてもらう側ってマジ退屈なんだよね。分からない?…そうだよねー、勉強出来る人はどうせ分かんないよ。」
私は引っ越した。偏差値の高いと言われている中学校に。ここなら、私の居場所が見つかるはず。
案の定、私はある子ととても仲良くなった。
今はそれが誰なのか分からないが。
なんて思ってるうちに、実は大変なことが起こっている。問題児と言ったら分かるだろう。
どんな学校にも必ず一人はいるのではないだろうか。
その問題児が、今、先生に喧嘩を売っている。
「あん?文句あっか?お前の授業なんてつまんねんだよ!消えろよ!帰れ!帰りたくなけりゃ…」
あ、危険ワードが出る…。
「やめて!」
私は大声で叫んでいた。いつの間にか。
「有栖川さん…。ありがとう。でも良いのよ、私の授業…。そうね、つまらないわよね…。次からはもう少し面白くできるように検討するわ。」
「次じゃおせーよ。今すぐやれ。」
続けて、私の堪忍袋の尾が切れる。
「あの!笹君。綱紀粛正不十分なんですけど。もう少し行動を改めたらどうですか。先生も、ここは主に仏教を信教している国、上下関係の大切さを生徒にそろそろしっかりと教えません?」
シーン。教室の空気は静かに息を引き取った。
「そ、そうですね、有栖川さん。では後で、私と笹君二人で今後の課題を話し合っておきます。どうもありがとう。」
私が発言する度、教室は静まり返った。
国語の時間は、問題児が暴れる事はなくなった。
良かった、と思う真面目な私、
どうでも良い、と思う良い加減な自分が居る。
私、有栖川れなは、授業中、集中し過ぎて、休み時間は問題児になると言っても過言ではない。
昔からそうだ。
授業中は誰も追いつけない学力の有栖川れな、
休み時間は、あっという間に学力が下がるというべきか…。
いつもそう言われてきた。
もう直すことはできなかったりして。
まぁ良いか。
「有栖川さん、明日から、外国人講師がこの学校に来るの。その時に、職員室まで呼びに行って欲しいの。良いかしら?」
「了解です。明日ですね。」
私は今は真面目だ。休み時間なのに。珍しい。良かった。
「有栖川さん、どうしていつもテスト一位ばっか取るの?凄すぎて叶わないよー、勉強法教えて欲しいんだけど、放課後空いてる?」
「えぇっと…、うーんと、あなたは確か…藤…堂…えぇっと…梨…。うーん。」
「梨々香です。これで百一回目だよ、大丈夫?」
「うん…、多分…。あ、今日用事あるんだ、ごめんね。」
「うん、私こそごめんね、急に誘って…。」
「れな!一緒に帰ろう?」
「えーっと、ごめんね、あなたは…。」
「西園寺美玲…。」
「あぁ、ごめんね、西園寺さん…。なんか最近、私おかしいみたいで…。はは、元からだった…。」
「だってれなの私に関する記憶は全部消えたから…。」
???!
「えっ…?」
「あ、ごめん何でもない、帰ろっか!」
「?…うん…。」
毎日毎日…。同じ日の繰り返し。れなは、日々私の記憶を忘れる。
そして今日も…。
以前のれなと私が巻き込まれた事件で、れなが殺されそうになった。しかし、私の使える魔法で、れなにとっての私との思い出の記憶と引き換えに、その他の記憶を蘇らせた。私は、必ず私との思い出の記憶は、自らの力で、蘇らせると決心した。
決心したのだ。しかし。
れなは、私の名前を会うたび聞いてくる。強力な魔法を使ってしまったようだ。
それに、どこまでのことを忘れてしまったのか。もしかしたら、私と会ったことさえ忘れたかもしれない。もしかしたら…。
期待してはいけない。ただ…。
魔法無しでは何も出来ないことに気づいてしまった。
優等生のつもりだった。
優等生の…つもり。
実力は…まだ分からなかった。
私は昔から、勉強が好きだった。
でも、今までガリ勉だなんてまさかみんなに思って欲しいとか思うわけでもないから、まるでとてつもなく馬鹿のように、毎日どんなことでもはしゃいでいた。
おかげで、友達はたくさん。私は人気者だったと思っていた。
しかし…。
「勉強、分からないから教えてくれない?私、こういうの苦手だから…。」
「あのさー、宿題やっといてくんない?マジめんどい。」
「えぇー、それはちょっと…。」
「流石、勉強してる人の頭は読めないわー。」
また過去のことを思い出してしまった。
私には丁度合った友達が居ない…???
気のせい。もうこんな事は考えずに。ありのまま過ごそう。
「勉強出来るから何。あんな見てるとイラつく。消えて。」
「教えてもらう側ってマジ退屈なんだよね。分からない?…そうだよねー、勉強出来る人はどうせ分かんないよ。」
私は引っ越した。偏差値の高いと言われている中学校に。ここなら、私の居場所が見つかるはず。
案の定、私はある子ととても仲良くなった。
今はそれが誰なのか分からないが。
なんて思ってるうちに、実は大変なことが起こっている。問題児と言ったら分かるだろう。
どんな学校にも必ず一人はいるのではないだろうか。
その問題児が、今、先生に喧嘩を売っている。
「あん?文句あっか?お前の授業なんてつまんねんだよ!消えろよ!帰れ!帰りたくなけりゃ…」
あ、危険ワードが出る…。
「やめて!」
私は大声で叫んでいた。いつの間にか。
「有栖川さん…。ありがとう。でも良いのよ、私の授業…。そうね、つまらないわよね…。次からはもう少し面白くできるように検討するわ。」
「次じゃおせーよ。今すぐやれ。」
続けて、私の堪忍袋の尾が切れる。
「あの!笹君。綱紀粛正不十分なんですけど。もう少し行動を改めたらどうですか。先生も、ここは主に仏教を信教している国、上下関係の大切さを生徒にそろそろしっかりと教えません?」
シーン。教室の空気は静かに息を引き取った。
「そ、そうですね、有栖川さん。では後で、私と笹君二人で今後の課題を話し合っておきます。どうもありがとう。」
私が発言する度、教室は静まり返った。
国語の時間は、問題児が暴れる事はなくなった。
良かった、と思う真面目な私、
どうでも良い、と思う良い加減な自分が居る。
私、有栖川れなは、授業中、集中し過ぎて、休み時間は問題児になると言っても過言ではない。
昔からそうだ。
授業中は誰も追いつけない学力の有栖川れな、
休み時間は、あっという間に学力が下がるというべきか…。
いつもそう言われてきた。
もう直すことはできなかったりして。
まぁ良いか。
「有栖川さん、明日から、外国人講師がこの学校に来るの。その時に、職員室まで呼びに行って欲しいの。良いかしら?」
「了解です。明日ですね。」
私は今は真面目だ。休み時間なのに。珍しい。良かった。
「有栖川さん、どうしていつもテスト一位ばっか取るの?凄すぎて叶わないよー、勉強法教えて欲しいんだけど、放課後空いてる?」
「えぇっと…、うーんと、あなたは確か…藤…堂…えぇっと…梨…。うーん。」
「梨々香です。これで百一回目だよ、大丈夫?」
「うん…、多分…。あ、今日用事あるんだ、ごめんね。」
「うん、私こそごめんね、急に誘って…。」
「れな!一緒に帰ろう?」
「えーっと、ごめんね、あなたは…。」
「西園寺美玲…。」
「あぁ、ごめんね、西園寺さん…。なんか最近、私おかしいみたいで…。はは、元からだった…。」
「だってれなの私に関する記憶は全部消えたから…。」
???!
「えっ…?」
「あ、ごめん何でもない、帰ろっか!」
「?…うん…。」
毎日毎日…。同じ日の繰り返し。れなは、日々私の記憶を忘れる。
そして今日も…。
以前のれなと私が巻き込まれた事件で、れなが殺されそうになった。しかし、私の使える魔法で、れなにとっての私との思い出の記憶と引き換えに、その他の記憶を蘇らせた。私は、必ず私との思い出の記憶は、自らの力で、蘇らせると決心した。
決心したのだ。しかし。
れなは、私の名前を会うたび聞いてくる。強力な魔法を使ってしまったようだ。
それに、どこまでのことを忘れてしまったのか。もしかしたら、私と会ったことさえ忘れたかもしれない。もしかしたら…。
期待してはいけない。ただ…。
魔法無しでは何も出来ないことに気づいてしまった。
優等生のつもりだった。
優等生の…つもり。
実力は…まだ分からなかった。
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