バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan

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第8話 見えざる断頭台



「軍を動かす。ドルトン領へ侵攻する!」
領主館の軍議室に、ロッシュ伯爵の怒号が響き渡った。
分厚いオーク材のテーブルを拳で叩きつけ、その振動で地図上の駒が跳ねる。
「我が領へのスパイ行為、あまつさえマイルズへの暗殺未遂! これは明白な宣戦布告だ! 騎士団を招集しろ! 奴らの城門を破城槌で叩き割ってやる!」
並み居る騎士たちも、主君の怒りに同調し、殺気立っている。
「伯爵様の仰る通りです! 舐められたままではバーンズ家の恥!」
「ドルトンの子爵如き、我が精鋭なら三日で踏み潰せます!」
熱狂する大人たちの中で、ただ一人、上座の隣に座るマイルズだけが、氷のように冷ややかだった。
彼は手元の報告書――スパイの自白調書――を静かに捲っていた。
「……父上。落ち着いてください」
マイルズの涼やかな声が、熱気を裂いた。
「落ち着いていられるか! お前が殺されかけたのだぞ!」
「ええ。ですが、無傷です。それに、戦争はコストがかかりすぎます」
マイルズは立ち上がり、地図の前に立った。
「軍を動かせば、兵糧、武器の消耗、そして兵士の死傷者が出る。勝ったとしても、得られるのは荒廃したドルトン領と、王都からの『私闘』への叱責だけです。……割に合いません」
「では、この侮辱を飲み込めと言うのか!」
「いいえ」
マイルズは、ドルトン領を示す箇所に、黒い駒を置いた。
「剣で殺すのは野蛮です。もっとスマートに、そして残酷に殺しましょう。……社会的に」
マイルズは振り返り、部屋の隅に控えていた二人の少女に合図を送った。
一人は、優雅に扇子を揺らすエリーゼ。
もう一人は、大量の羊皮紙を抱え、緊張した面持ちで立っている灰色の髪の少女、シンシアだ。
「これより、ドルトン子爵家に対する『経済制裁』を開始します」

場所を執務室に移し、マイルズは作戦会議を開いた。
机の上には、エリーゼが銀翼商会の情報網を使って入手した、ドルトン子爵家の財務データが広げられている。
いわゆる「裏帳簿」に近いものだ。
「シンシア。分析結果は?」
マイルズが促すと、シンシアは小さな体を震わせながらも、はっきりとした声で数字を読み上げ始めた。
「は、はい。……ドルトン子爵家の財政は、火の車です」
「火の車? 奴らは穀倉地帯を持っていて、羽振りがいいはずだが」
ロッシュが怪訝な顔をする。
「表面上は、です」
シンシアは羊皮紙の一点を指差した。
「子爵は、今年に入ってから、王都の金貸しギルドから莫大な借金をしています。金額は金貨三千枚。……担保は、今年収穫される予定の『小麦』と、領地特産の『羊毛』です」
「金貨三千枚だと? 何に使ったんだ」
「……『小麦の買い占め』です」
シンシアの指摘に、マイルズがニヤリと笑った。
「なるほど。読めたぞ」
マイルズは解説した。
「ドルトン子爵は、賭けに出たんだ。バーンズ領が凶作で飢えることを見越し、周辺の小麦を買い占めた。冬になれば、我々は言い値で買うしかない。そうすれば、莫大な利益が出る……という皮算用だ」
借金をしてまで在庫を抱え、相場を吊り上げようとした。
いわゆる「レバレッジをかけた仕手戦」だ。
「返済期限は?」
「……来月の二十日です」
シンシアは即答した。「金利を含めた返済額は三千三百枚。もし、小麦が高値で売れなければ……」
「破産だ」
マイルズが言葉を引き継いだ。
「愚かな。他人の不幸を前提にした商売など、破滅への特急券だ」
マイルズはエリーゼに向き直った。
「エリーゼ殿。出番だ」
「お待ちしておりましたわ」
エリーゼは妖艶に微笑んだ。
「西の大陸から輸入した、安価な小麦。銀翼商会の倉庫に山ほど唸っておりますけれど?」
「それをドルトン領周辺の市場に放出しろ。価格は……ドルトンが想定している価格の『半値』だ」
「半値!? それでは相場が崩壊しますわよ?」
「崩壊させるんだ。小麦だけじゃない。……ドルトンの主力商品である羊毛についても、噂を流せ。『今年のドルトンの羊は、毛の中に変な虫が湧いているらしい』と」
フェイクニュースと、ダンピング(不当廉売)。
現代なら独占禁止法違反だが、この世界にそんな法律はない。
あるのは、弱肉強食の掟だけだ。
「小麦の価格を暴落させ、羊毛の買い取りを停止させる。……期限の二十日までに、彼の手持ち現金を枯渇させるんだ」
マイルズは冷酷に告げた。
「父上。軍を動かす必要はありません。ただ、座って紅茶でも飲んでいればいい。……一ヶ月後、ドルトンは白旗を上げて、這いつくばってやって来ますよ」
ロッシュは、十歳の息子の背中に、戦慄にも似た寒気を覚えた。
剣を持たずして敵を殺す。
それは、武人のロッシュには想像もつかない、新しい時代の「戦争」だった。

それから数週間。
ドルトン子爵領は、阿鼻叫喚の地獄と化していた。
「な、なぜだ! なぜ小麦が売れん!」
ドルトン子爵、太った中年男が、執務室で喚き散らしていた。
「市場に、銀翼商会の安い小麦が溢れております! 我々の提示価格では、誰も見向きもしません!」
「ならば値下げしろ! 原価割れでも構わん、現金を作れ!」
「それが……値下げしても売れません! 『ドルトンの麦は質が悪い』という噂まで流れておりまして……」
「おのれ、おのれぇぇぇ!」
子爵は髪を掻きむしった。
さらに追い討ちをかけるように、家令が駆け込んでくる。
「旦那様! 金貸しギルドの方々が! 『担保価値が下がったから、直ちに追加の保証金を入れろ』と!」
「追証(おいしょう)だと!? 金などあるわけがないだろう!」
「払えなければ、屋敷と領地を差し押さえると言っております!」
完全に詰んでいた。
マイルズの描いたシナリオ通り、ドルトン子爵の資産価値は暴落し、借金の山だけが残った。
唯一の希望だった羊毛も、風評被害で全く売れない。
「……バーンズだ」
子爵は、憎悪と恐怖に震えながら呟いた。
「あのガキだ……。あのガキが、裏で糸を引いているんだ……!」
彼に残された道は、一つしかなかった。
プライドを捨て、敵の軍門に下る以外に。

約束の期日が過ぎた翌日。
バーンズ領主館の広間に、一人の男が姿を現した。
かつては金糸の服で着飾っていたドルトン子爵だが、今は見る影もなくやつれ、服もしわだらけだった。
上座にはロッシュ伯爵。そしてその隣に、マイルズが座っている。
「……ロッシュ伯爵。そして、マイルズ殿」
ドルトン子爵は、震える膝を折り、石床に額を擦り付けた。
「申し訳……ありませんでしたぁっ!」
涙ながらの謝罪。
スパイを送ったこと、経済封鎖をしたこと。全てを認め、許しを請うた。
「どうか、どうかご慈悲を! 銀翼商会の攻勢を止めてください! 金貸しに口添えを! このままでは、私は……家は……!」
ロッシュは、哀れな敗者の姿を複雑な表情で見下ろしていた。
もし軍を出していれば、多くの血が流れ、恨みが残っただろう。
だが、マイルズの方法は、相手の心すらへし折り、完全に無力化してしまった。
「……マイルズ。どうする」
ロッシュは裁定を息子に委ねた。
マイルズは椅子から立ち上がり、ドルトン子爵の前に歩み寄った。
「顔を上げてください、子爵」
優しい声だった。だが、その目は笑っていない。
ドルトン子爵がおずおずと顔を上げる。
「謝罪は受け入れます。銀翼商会にも、攻撃の手を緩めるよう伝えましょう」
「お、おお! 感謝します、感謝します!」
「ですが」
マイルズの言葉に、子爵の笑顔が凍りついた。
「タダというわけにはいきません。……戦後賠償が必要です」
「は、はい。金なら、借金をしてでも……」
「金はいりません。あなたには返済能力がない」
マイルズはバッサリと切り捨てた。
「私が欲しいのは、あなたの領地の北にある『赤錆山(あかさびやま)』。……あそこの『採掘権』と、麓の村に住む『鍛冶職人』たちです」
「なっ……!?」
子爵が絶句した。
赤錆山。そこは、質の悪い鉄鉱石と、燃えにくい石炭が出るだけの、役立たずの山だと思われていた。
鍛冶職人も、頑固なだけで、大した武器も作れない連中だと。
「あんなゴミ山と、薄汚い職人でいいのですか……?」
「ええ。それで全てチャラにしましょう」
マイルズは契約書を差し出した。
「ここにサインを。そうすれば、銀翼商会があなたの在庫を適正価格で買い取ります。借金も返せるでしょう」
ドルトン子爵にとって、それは悪魔の契約書であり、同時に蜘蛛の糸でもあった。
ゴミ山一つで破滅を免れるなら、安いものだ。
「わ、分かりました! サインします!」
彼は震える手で署名した。
マイルズは契約書を確認し、満足げに頷いた。
「商談成立ですね。……もう二度と、バーンズ領に手を出さないように」
ドルトン子爵は、逃げるように去っていった。
その背中を見送りながら、ロッシュが尋ねた。
「マイルズ。あんな山を貰ってどうするんだ? 鉄の質は悪いし、石炭も火力が弱いと聞くぞ」
マイルズは契約書を弾いた。
「父上。あそこはゴミ山じゃありません。『宝の山』です」
前世の知識。地質学の知識。
「赤錆山の鉄鉱石は、確かに硫黄分が多いですが、適切な脱硫処理をすれば良質の鋼になります。そしてあの石炭は『無煙炭』ではなく『粘結炭』……コークスの原料になる石炭です」
「コークス?」
「ええ。木炭よりも遥かに高温で燃える燃料です。これがあれば……鉄を溶かし、加工し、強力な農具や、いずれは蒸気機関だって作れる」
マイルズの視線は、窓の外、遠くに見える赤錆山に向けられていた。
「それに、あの村の職人たち。彼らは『技術』を持っていますが、ドルトン子爵が理解しなかっただけです。私の知識と彼らの腕が組み合わされば……バーンズ領は農業だけでなく、『工業』の中心地になります」
農業改革で腹を満たし、経済戦争で資金を得て、今度は工業化への切符を手に入れた。
すべては、マイルズの掌の上だ。
部屋の隅で、シンシアが小さく息を吐いた。
「……すごい」
彼女は、マイルズの計算の完璧さに、畏怖と憧れを抱いていた。
この人の見ている世界は、一体どこまで広がっているのだろう。
マイルズは振り返り、二人の少女に微笑んだ。
「ありがとう、シンシア、エリーゼ殿。君たちのおかげだ」
「ふふ。いい仕事でしたわ。ドルトン領の市場も、これで銀翼商会のものですし」
エリーゼは抜け目なく笑う。
「……データ整理、完了しました。次の指示を」
シンシアは無表情だが、その瞳は次の「難問」を求めて輝いていた。
「次は忙しいぞ」
マイルズは言った。
「鉄と石炭。……産業革命(インダストリアル・レボリューション)の始まりだ」
バーンズ領に、槌音(つちおと)が高らかに響く日が近づいていた。
マイルズの内政は、中世の枠組みを超え、近代への階段を駆け上がり始める。
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