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第6話 蕾(つぼみ)を開く、背徳の指先
煌(こう)の腕の中で震える紫苑。
その華奢な体を、煌は軽々と抱き上げた。いわゆる「お姫様抱っこ」だが、その動作には甘いロマンスというよりも、所有物を運ぶような厳格さがあった。
「あ、あの……煌様……?」
「黙っていろ。まずは、その身体についた不愉快な匂いを消す」
煌は迷わずバスルームへと向かった。
大理石を敷き詰めた広大な浴室。ジャグジーからはすでに温かな湯気が立ち上っている。
煌は紫苑を下ろすと、躊躇なく彼女の服に手を掛けた。
「ひゃっ! や、やめてください!」
「暴れるな。……麗香の言葉ごときで、俺を恐れるようになったか?」
煌の声色が低く響く。
抵抗しようとした紫苑の手首を、煌は片手で容易く拘束した。その圧倒的な力の差に、紫苑は再び「野獣」の影を見る。
「聞け、紫苑。麗香の言ったことは半分正解だ」
煌は紫苑のブラウスのボタンを弾き飛ばす勢いで外し、露わになった白い肌に、自分の額を押し付けた。
「確かに、俺のモノは規格外だ。普通の女なら悲鳴を上げて逃げ出すだろう。……だが、お前は違う」
煌の熱い吐息が、紫苑の鎖骨にかかる。
「お前は俺が選んだ、唯一の器だ。今はまだ無理でも、俺が時間をかけて拡張し、馴染ませ、必ず受け入れられるように作り変える」
それは愛の告白というより、絶対的な予言だった。
煌は紫苑を素っ裸に剥くと、バスタブへ連れ込み、自らも衣服を脱ぎ捨てて湯船に入った。
湯の中で、煌の肌が紫苑に触れる。
恐怖で硬直する紫苑の背中に、煌の手が回った。
「力を抜け。……今日は、予行演習だ」
煌の手が、湯の中をするりと泳ぎ、紫苑の秘所へと伸びた。
まだ誰も触れたことのない、固く閉ざされた花弁。
そこに、煌の長く美しい中指が触れる。
「っ……!」
「静かに。……ここを解きほぐさねば、俺の楔(くさび)を受け入れる準備は始まらない」
煌の指先は、まるで最高級の楽器を奏でるように繊細で、しかし執拗だった。
最初は入り口をなぞるだけ。やがて、ゆっくりと、ぬるりとした感触と共に指の腹が侵入を開始する。
「あ……ん、痛……」
「痛いか? 当然だ。まだ蕾のままだからな」
煌は残酷な事実を告げながらも、その動きは決して乱暴ではなかった。
痛みを与えつつも、同時に快楽の種を植え付けるような、巧みな指使い。
恐怖に支配されていたはずの紫苑の脳裏に、ちかちかと白い火花のような感覚が散り始める。
「見てみろ。俺の指一本で、お前はこんなに震えている」
煌が耳元で囁く。
水中での愛撫は、お湯の抵抗と熱も相まって、紫苑の感覚を狂わせていく。
「い、いや……変な感じ、します……」
「それでいい。痛みと熱を覚えろ。……いつかここに、この指よりも遥かに太く、熱く、凶暴な俺自身がねじ込まれることになる」
煌はわざと、自身の股間を紫苑の太腿に押し付けた。
硬く脈打つ、丸太のような質量の存在感。
麗香が言っていた「凶器」が、すぐそこにある。
その現実と、胎内を掻き回す指の快感が混ざり合い、紫苑の目から涙が溢れた。
「こわい……でも……」
「そうだ。怖がれ。そして溺れろ」
煌は指の動きを早めた。
クチュ、と水音に混じって卑猥な音が響く。
紫苑の口から、自分でも信じられないような甘い悲鳴が漏れた。
「あぁっ、あっ、煌さま……っ!」
「いい声だ、紫苑。……覚えておけ。お前を泣かせていいのは、俺だけだ」
絶頂の波が紫苑を襲う寸前、煌は残酷にも指を引き抜いた。
ガクン、と紫苑の身体が跳ね、脱力して煌の胸に崩れ落ちる。
煌は、荒い息をつく紫苑の髪を優しく撫で、満足げに微笑んだ。
恐怖は消えていない。だが、その瞳には、恐怖以上の「煌への依存」が刻み込まれ始めていた。
「よく頑張った。……レッスンはこれからだ。毎晩、少しずつ広げていこうな」
それは、果てしない飼育の日々の始まりだった。
逃げ場のない黄金の檻の中で、紫苑は少しずつ、魔王の花嫁へと作り変えられていく。
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