ハーレムでハブられてるけど、一番愛してる自信ある!

珈琲きの子

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第一章

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 日々続くモンスター退治。
 魔法使用時は火力を強くして塵も匂いも残さないように全てを灼き尽くすようになった勇者様。これは勇者様だからできることであって、火属性は勿論、他の属性もレベル1すらない僕には到底できないことだ。勇者様からやる気は余り感じられないけれど、実力は本物なのだ。

 けれど目的のダンジョンにはアンデッドが出るため、少し難関だ。村人だったり冒険者だったりした元人間を倒さなければならないからだ。
 魔王の側近は姿を人に似せると言われ、その側近たちを斬るための、人型を殺すことに慣れる訓練なのだろう。神官たちの立てたスケジュールはとても理にかなっている。
 
 ダンジョンに入って、中層部に差し掛かるとアンデッドが姿を見せた。
 アンデッド専門の聖女様が問答無用で上位浄化魔法を唱え、アンデッドを消滅させていく。それを無言で眺めていた勇者様は、フロア全体を浄化するほどの強大な聖魔法を放ち、「ほら次、行くぞ」とカッコよく決めた。
 『ちーと』を目の当たりにした気がした。コツを掴んだとか、強いとかいう話じゃない、絶句するほどの人間離れ具合。
 絶対に敵に回しちゃいけない人だ。僕は確信した。

 周りの美女たちは大喜びだ。すごい、カッコイイ、流石、惚れ直しちゃうとかそんな賛辞が飛び交う。
 多分、歴代の勇者の中でもまともで、彼はどう考えても『あたり』に入る。彼女らもそう思っているに違いない。
 このまま行けば、今回の魔王討伐の旅は最短記録更新だ! きっと報酬も弾んでくれるだろう。
 女性陣と同じく僕も密かに喜んでいた。
 
 いつものように勇者様に「ワタシを見て!」攻撃を女性陣皆で仕掛けてからの罵り合いに発展するなか、勇者様がすいと顔を逸らせた。
 その無表情で冷めたような目にドキリとする。でもそれは一瞬の事で、次の瞬間には会話に引き戻されて、もとの怠そうな表情に戻った。

 気のせい、だな。うん。気のせい。

 勇者様からすればスカみたいなダンジョンボスを倒し、僕以外のハーレムメンバーは大幅にレベルアップした。
 なんで僕以外かというと、始まりの森で薬草類の採取しかしたことのない僕のギルトランクが皆の平均ランクを大幅に下回っており、高ランクの依頼が受けられなくなるから即パーティーを外されたのだ。
 そんなわけでパーティー内で経験値が振り分けられるという画期的なシステムは僕には適用されないことになっている。泣ける。
 戦闘中にたまに小石を投げて攻撃し、ちまちまと経験値稼ぎはしているけれど、それは微々たるもの。勇者様はすでにレベル80に差し掛かっているというのに、僕はレベル12。しょっぱい。
 小石投げも見つかって、ギロリと睨まれたから、今度から自重しないといけない。

 どうしろって言うんだよ、とぶつぶつ言いながらも、本当は分かってるんだ。皆の気持ち。

『いい加減、離脱しろ』

 という声が聞こえてきそうな眼差しを向けられるのだから。目は口ほどにものを言いまくっている。
 特にエルフ騎士からは冷たい目で見られている。彼女は騎士であるため、弱いものを守らなければならない精神が働き、僕をいち村人のように認識して守ってしまうらしい。

「流石、騎士様! ありがとうございます! 騎士様最強!」
「だまれ、小僧」

 守られた後は舌打ちされる上、とてつもなく機嫌が悪くなるから、何とかご機嫌取ろうとするけど、いつも墓穴を掘る。他の美女三人からもジト目で見られる。褒めるのって難しい。

 でも、僕にだって意地はある。帰る場所がなくなるのは困るし、ここで頑張らなくてどうするのだ。
 そんな肩身の狭い中も、僕は必死に食らいついた。
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