魔王やめて人間始めました

とやっき

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少年期・学園編

2-10 魔王様、眼福を発動する

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「お兄ちゃん! えっと大丈夫? 痛くないかな?」

「おう。痛みは無いし大丈夫だ」

 数分くらいで目を覚ましたエルリックは、心配するララに対し笑顔で答えた。

 金的アレは事故だろうし、引きずっても良いことはないからな。
 気絶した手前恥ずかしいので、忘れることにしよう。

「なあ、ララ。何で歳下のエルをお兄ちゃんって呼ぶんだ? お姉ちゃんって呼ばせるなら分かるけど・・・」

 近くには俺のいとこで、二つ歳上のケリャもいた。
 ララが俺をお兄ちゃんと呼ぶことに疑問を抱いたみたいだ。

 無理もない。ララは俺の一歳上のいとこで妹だからな。
 うわっ、複雑だな。

「姉様、今大事なところなんで少し静かにしていただいてよろしいですか?」

「う、何でララはオレを仲間外れにするんだよぅ。さっきだって二人っきりでエルと話して仲良しにしてたの、オレは遠くで見てて、さみしくて、う、うぇぇぇ!」

 ケリャは自分が仲間外れにされていたと思って、寂しかったのか。
 この寂しがり屋さんめ~。後で遊んであげてご機嫌直してもらおうかな。

「あ、また泣いちゃってー。姉様、もう仲間外れにしないと約束しますので、泣き止んでください」

「ほんと? ほんとに仲間外れにしない?」

「はい。後でエルリック君と三人で遊びましょうね」

「ララぁ! 分かった。もう泣かない。エル、オレとララと遊ぼうな!」

「おう。俺も同じこと考えていたところだ。さっきはララとばっかり話してごめんな、ケリャ」

「うん、許してやる! その代わり、オレとララ二人と結婚しなきゃダメだ。分かったな?」

「いや、それは色々とまずいというか、何というか」

 ケリャとの結婚は問題が無いと言えばないのだが、ララとは結婚できない。

 中の人が妹だからな。


 そこでふと思い出したことがあった。

 ララは俺が慰めている間、兄である俺のことを変人だ、変人だと連呼していたな。

 これは追求をせねばなるまい。

「なあララ。思い出したんだが、さっき話をしているとき俺のことを変人扱いして、兄のことをもっと変人だとか言ってたよなあ? 忘れたとは言わせないぞ?」

「ひぃ! お兄ちゃん違うの! あれは言葉の綾だよ! そ、それにお兄ちゃんだって、私のことを可愛い妹って言って・・・うふふ~」

「う、確かに言ったけどさ・・・。あ、お前もっと酷いこと言ってなかったか? 確か、俺のことを支配したいとかなんとか」

 同時に尊敬してるとも言ってたが、なんか気恥ずかしくなってくるのでそこはスルーだ。

「あわわわわ。それはお兄ちゃんが悪いの! 悪役のボスに憧れてるって言うから、私も悪役の女性についていっぱい調べたんだよ! それで何て言うか、お兄ちゃんはセクシーで女王様みたいな人が好きなのかなって思って・・・」

 え、まさか俺の好みの女性像を想像して、それに合わせようと努力していたということか?

 なんか複雑なところだが、嬉しいかと聞かれれば嬉しいな。

「ま、まあこの話はやめにするか。話していたときは、お互いいとこで転生者同士なだけだって思っていたからな」

「うー、いっぱい恥ずかしいこと言った気がするぅ」

 それは俺も同じだ。
 妹の言ったことは覚えているが、自分が何を言ったかあんまり覚えていないな。

「ララもエルも、何の話してるんだ? 全然わかんないぞ! 内緒にしないでオレにも教えてくれ!」

「あ、ケリャがいるの忘れてた」
「姉様がいたのを忘れてました」

「ひ、ひどい。そうやってオレを仲間外れに・・・うぅ」

 また泣いてしまった。
 寂しがり屋の泣き虫さんめ~。

「泣くな泣くな。そうだ、ケリャは俺と戦いたいって言ってたよな? 今から戦ってみないか?」

「いいのか!? 戦う! 戦いたい!」

 よしよし、泣き止んでもらえた。
 女の子を何度も何度も泣かしてしまうような真似はしたくない。笑顔が一番だ。


「では私は観戦してますね。姉様、エルリック君は強いので頑張ってくださいね。お兄ちゃんは、心配しなくても大丈夫だよね?」

「頑張って勝ってエルを婿にする! ララも一緒にエルと結婚だ!」
「手加減は大丈夫だ。って、ケリャ。それは無しだぞ。勝っても負けても結婚も婚約もしないからな」

 聞いていないのか、張り切って武器をブンブン素振りするケリャ。

 言って分からないなら、少しばかり手荒にいこうか?


「じゃあ行くぞ。『絶氷剣・ブレイブキラー』」

 今回は一瞬ではなく、パフォーマンスも兼ねてゆっくりと冷気を操って氷の剣を作り出した。

 俺の手のひらを起点にして氷が氷柱つららを形成するように伸びていき、数秒で剣の形となった。

 ちなみにこの魔法は、勇者と剣で戦おうと思って作った俺のオリジナル魔法だ。魔剣とかも持ってはいたんだが、演出優先だ。

 ただの氷の剣状態、触れたものを凍りつかせる能力を持っている状態、触れなくても剣を振っただけで周りを凍りつかせる能力を持っている状態の三段階が存在する。

 もちろん今は一段階目の、ただの氷でできた剣だ。

「うぉー! カッケー!」

「くくく。そうであろう、我に挑む勇気ある者よ。さあ、我に貴様の全力を見せてみろ!」

「おう! 全力を見せやる!」

 俺は剣を褒められて上機嫌になり、幼き勇者と幼き魔王に見立てた小芝居をしてしまった。

 ついつい気分良くなると、魔王モードになってしまうな。

 魔王のときは慣れない口調だとか思っていたんだがなー。
 意識しなくてもスラスラ言葉が出てくるようになった今の方が、よっぽど魔王っぽいとか思ってしまう。

「ふふっ、魔王様おにいちゃん! ここは魔王の手先の私が、様子見で戦いましょうか?」

 妹まで俺の小芝居にノリノリになって混ざってきた。
 その様子がどことなく、四天王を思い出してしまい複雑な気持ちになってしまう。

 あの時の俺は自分の夢だけを追い求めてしまい、周りのことを気にしていなかった。

 そのせいで、俺は四天王の四名のうち、三名を死なせてしまった。
 エルビナ、カレノア、シルキーナの三名だ。

 ティファーナに復活させてもらったカレノアから、他の四天王も既に復活しているとは聞いているが、死なせてしまったという事実は変わらない。

 カレノアは俺を恨んでない様子で、こんな俺にまだ忠誠を誓ってくれているが、他の二名に恨まれていてもおかしくないのだ。

 あ、カレノアは色々あってカレンという名前で、今は子猫で俺のペットになっている。
 変な意味じゃなくて言葉通りの意味だぞ?

「ララ。我はもう、部下を死なせたくはない・・・って、何を言ってるんだろうな」

「お兄ちゃん、何かあったんだ・・・。深くは聞かないよ。話したくなったら、教えてね」

「うぅ、分かんないぞ! 早く戦いたい!」

 場の空気が重くなっていたところで、ケリャの見事なまでの空気読まない発言が空気を変えた。

「ははっ、すまんすまん。では、こい!」

「てりゃあ!」

 姉のアイリスに若干劣るものの、しっかりとした剣撃を放ついとこのケリャ。

 親があのムルザだからな。
 戦闘センスは中々のものだ。

「てい! それ! えいや! このう! くう!」

 俺はケリャの攻撃をヒラリヒラリとかわしながら、さっきから掛け声がうるさいなーと思っていた。

 ケリャは剣を振るときに必ず声を出しているのだ。
 この掛け声があることで、攻撃タイミングが丸わかりであった。

「なあケリャ。黙って攻撃できないか?」

「母様が声を出すことは力になるって言ってたんだ!」

「いや、それとこれとは別だと思うぞ。無理しない程度に声を出さずに攻撃してみてくれ」

「分かった! ふん! ふん! ふん!」

 声を出さないようにしてはくれたが、鼻息が荒くなってしまったようだ。

「あー、ケリャ。もう声出していいや。好きに戦ってくれ」

「おう! そいや! てりゃ! えーい! こうだ!」

 剣を振るたびに楽しそうな表情をするケリャとは対象的に、エルリックはなんとも言えない表情を浮かべていた。

 ケリャはかれこれ、二十分くらい全力で剣を振り続けている。

 一つ一つの動きが常に全力のようだ。

「まじかよ。体力底なしかよ」

 ボソッと呟いたエルリックの声は、誰にも聞かれなかったようだ。

 いつまでも全力を出し続け、やめる気配がないケリャに少し呆れてしまったエルリックは、勝負を決めて終わらせることにした。

「トドメだ」

「かはっ」

 手加減した一撃がケリャに襲いかかり、彼女はその場に倒れた。

「も、もう一本!」

「マジか!?」

「お兄ちゃんごめん。姉様って体力に限界がないんだ。もう体力だけチートレベル。汗をかき過ぎて脱水症状になるまで走り続けたこともあるくらい」

 まさかケリャって疲労耐性マックスなんじゃないか?

「もう終わりにしよう。引き分けってことでいいからさ」

「分かった。でも引き分けはダメだ。一本取ったのはエルだからエルの勝ち! オレはエルのお嫁さんになってやるぞ!」

「分かった分かった。考えるだけ考えておくよ」

 しつこいというか何というか。
 俺も流石に折れてしまったよ。

「おいエルリックと、ケリャ、ララ。そろそろ風呂入ってこい。上がったら飯にすんぞ!」

「「 はい、母様!!」」
「分かりました。レディーファーストでいいですよね?」

「何言ってやがる。おめぇらは五歳、六歳、七歳のガキ共だぜ? 一緒に入りゃあいいんじゃんかよ。ケリャ、ララ。エルリックはどうだ? 一緒に風呂入りてぇくらいになったか?」

「母様、オレ、エルのお嫁さんになった! だから一緒に風呂に入る!」
「私も固い絆で結ばれたところなので、お風呂も一緒に入りたいです」

 おいこらちょっと待て。
 どっちも間違ってはないが、そうじゃないだろ。

「そうかそうか。やっぱり二人に手をつけたな! これで安心して飯が食えるぜ」

「だからと言って一緒に入る理由にはならないからな?」

「つべこべ言ってねぇで、ラッキースケベの一つや二つ起こして楽しんでこい! ケリャもララも見てくれは十分可愛いだろ? 可愛い女と裸の付き合いだぜ? 男なら据え膳くらい食っちまえ!」

「だからアンタ、五歳児な何を言って・・・って、離せ!」

「風呂場まで連行だ! ケリャ、ララ! 風呂に入ったらエルリックの背中を流してやれよ!」

「「 はいっ!! 」」

 エルリックは抵抗できずに風呂場まで連行されてしまうのであった。





「よし、着いたぞ! 服を脱がせてやる! ケリャ手伝え!」
「はい! 母様! まずは上から脱がす!」
「あ、私も手伝います。私は下を・・・」

「やめろぉ!せめて自分で脱ぐから勘弁してくれ!」

 エルリックの悲鳴が脱衣所に響き渡る。

 ここまで来てしまったら後戻りできないと、エルリックは諦めて服を脱ぎ、一緒にお風呂に入ることにした。

 エルリックは王都の家で頑なに誰かと一緒に入ろうとしなかったため、アイリスやメリーナ、ミルシャやメイドのプリュムとさえ入ったことがなかった。
 本当に小さい頃、何度か一緒に入った母親のエリーゼは別だが。

「よし! 入るぞ!」
「お、お兄ちゃんの裸・・・」

 ケリャは年齢のせいなのか、男女でお風呂に入ることに抵抗感が見られず自然体であった。
 ララの方は少し怪しめなのだか、元は兄妹だったし俺のことをそういう目では見ないはず。

「この光景をしっかり脳内保存しないと・・・ハッ、お兄ちゃん。何でもないよ! 昔みたいに早く一緒にお風呂入ろ!」

 そういう目では見ないはず・・・。

 元妹のララには厳重警戒しながら、お風呂場へと続くドアを開けたエルリック。

「ひゃっ! って、エル君どうしたの? もしかしてあたしの裸が見たくて覗きに来ちゃった? もう、エル君のス・ケ・ベ!」

「な、なな、なんでアイリスが?」

 子供ながらに程よく引き締まった体が、絶妙なプロポーションを作り出しているアイリスのこんがり日焼けした小麦色の裸体。
 アイリスは俺に自分の裸を見られて嬉しいのか、まるでランウェイのモデルさんがそうするように、見せつけるような形で腰に手を当てていた。
 胸はまだまだ発展途上だが、将来期待ができる膨らみ具合であったと追記しておこう。

「はぁ、ホントにラッキースケベ展開になってしまうなんて・・・」

 いや、相手は姉のアイリスだ。
 俺がそういう目で見なければいいだけの話だ。


「エル君! もしかしてメリーナの裸を見に来てくれたんですか? エル君にならいいですよ。いっぱい見て、メリーナお姉ちゃんにメロメロになってくださいね」

「メリーナ姉様まで!?」

 まだ八歳なのに立派に膨らんでいる胸。
 女の子らしい程よい肉付きで、包容力というか母性を感じさせられるメリーナの裸体。
 姉のアイリスと違い少し恥じらいがちなメリーナ。俺が視線を外せずに見ていたら、メリーナの綺麗な真っ白の肌はどんどん真っ赤になっていった。
 最後には耳まで真っ赤に染まったメリーナが完成してしまうほどに、俺は見惚れてしまっていた。

「って、何をじろじろ見ちゃってるんだ俺は!?」

 危ない危ない。
 俺が五歳じゃなかったら、理性が吹き飛んで狼になっていたかもしれないと思ってしまった。
 今夜どころかその場で襲いかかっていたかもしれない。メリーナは男を狂わせる凶器だな。


「兄さま! ボク、兄さまといっしょにお風呂入るの初めて! 嬉しいな!」

「み、ミルシャまで」

 先ほど姉を凝視してしまった罪悪感からか、ミルシャのことをジロジロと見ることはできなかった。
 ただチラッと視界に映ったのは、歳相応のつるぺたな体と、恥じらうことなく楽しそうに笑って喜んでいるミルシャの顔だ。
 こんな無垢な子をいやらしい視線で見ることなど許されようか。いいや許されまい。

「じゃ、じゃあ俺はもう出るよ。ジロジロ見ちゃって悪かっ・・・」

「え、エルリック様・・・」

 プリュムまでもがお風呂に入っていただと!?

 ぽたぽたと滴がたれ落ちる濡れた髪。
 ポーっと上気して赤く染まったプリュムの顔。
 男なら守ってあげたくなるような、か弱そうな体に十一歳とは思えないほどの色気を感じる。

 そしてこれまた十一歳とは思えないほどに薄くて主張が無い胸。

 見渡す限りの地平線。どこまでも続く水平線。起伏の全くない平野。180度の断崖絶壁。まな板。洗濯板。お餅つき。

 どの形容でも似合うほどに、プリュムの胸はストンとしていた。

 俺はワザと、プリュムに哀れみの視線を送った。

「エルリック様!? どうして私だけ可哀想な小動物を見るような目で見られているんでしょうか!? あ、胸ですね。胸なんですね! どうせ男性なんて、男性なんて大きい胸しか興味ないんですよぉ!」

 やけくそになってしまったプリュム。
 自分がメイドだということを忘れて、俺にタオルを投げつけてきた。

 うん。やっぱりこういう反応は良いな。
 この子は本当にからかいがいがある。

「大丈夫だよプリュム。世の中には胸が小さい方が好きって人もいる。それに胸だけじゃなく、足や脇とかお尻とかが好きって人だっているしな。プリュム、他はとっても魅力的だぞ!」

「慰めになってませんよエルリック様ぁ!!」

 うん、からかっているもの。

 俺は少しばかり涙目になっているプリュムを、微笑ましい目で見つめていたのであった。



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