どこまでも醜い私は、ある日黒髪の少年を手に入れた

布施鉱平

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第二章

聖女と天使

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 膝が震えて力が抜け、マリアベルはベッドに腰を落とした。

 その拍子に開かれた両脚の隙間からは、ぴったりと閉じた無毛の性器が見えてしまっているが、今の彼女にそれを気にしている余裕などない。

 少年が勃起しているのだ。
 それも、自分に対して。

(どう、して……?)

 自分が欲望の対象になっている理由が、マリアベルには理解できなかった。
 
 醜い容姿、貧弱な体、情けない性格、無毛の性器…………
 嫌悪される要因ならいくらでも挙げられるが、自分が好かれる要素など、ましてや欲情される要素など何一つとしてないのだ。

 驚きというよりも半ば放心状態になりながら、マリアベルは意識を集中してさらに精密な魔力感知を行った。
 なにか別のものを、少年のチンポだと勘違いしているのではないかと思ったからだ。

 だが、返ってきた情報に誤りはなかった。
 
 太く長い陰茎。
 エラの張ったカリ首。
 重力に逆らって反り返るほどの硬度。

 幼い頃、父親と風呂に入った際に見たのとは比べ物にならないほど凶悪なチンポが、少年の股間でその存在を主張している。

「はぁ……っ」

 体の奥に熱が生まれ、吐息となって口から漏れた。
 
 男性に求められている。
 醜い体や醜悪な性器を晒したにも関わらず、一人の『女』として見られている。

 そう自覚した瞬間、腰のあたりを中心に甘い痺れが走り、マリアベルの体を震わせた。

「─リア───は───くぞ」

 リディアがなにか喋りかけてくるが、その声は遠い。
 もはやマリアベルの意識は完全に少年のチンポに占領されており、他のものが入ってくる余裕は残っていなかった。

「…………んっ」

 こくりと唾を飲み込み、マリアベルは腰を突き出すようにしてゆっくりと両脚を開いていく。

 少年の強い視線を感じた。
 激しい息遣いも。

 マリアベルも息を荒くしながら、ゆっくりと手を自らの秘部に伸ばしていく。

 触れると、そこはすでにぐしょぐしょに濡れていた。
 指先に粘度の高い液体が絡みつく。

「ふっ、うっ」

 マリアベルは羞恥で全身を赤く染めながらも、その部分を左右に開いていった。
 少年の目には、陰唇のはみ出していない吸血虫ヒルの口のような性器が映っているだろう。

 あえてその醜悪な部分を少年に見せつけながら、マリアベルは震える声を絞り出した。

「お願い、します……っ」

 それは、祈り。

 私を拒絶しないで、私を認めて、私を許して、私を慰めて、私を…………愛して。
 物言わぬ天使像にしか伝えられなかった願いをその一言に込め、マリアベルはさらに腰を突き出していく。
 
 両親を失って以来、ここまで勇気を出したことなどなかった。
 今だって、本当は何もかも投げ出して逃げてしまいたいほど恐ろしい。

 それでもマリアベルは、震える指先で膣口を広げ続けた。

 どれだけ浅ましくても、無様ぶざまでも、情けなくても、怖くても。
 自分を求めてくれた少年から、逃げるわけには行かなかった。

 そして────

 マリアベルの覚悟に応えるかのように、少年が近づいてきた。




 ◇
 

「ひぅっ!♡」

 高い悲鳴を上げ、マリアベルは全身を弓のように仰け反らせた。
 
 ベッドから腰が離れ、浮き上がっている。

「~~~~~っ!♡」

 喉からは途切れることなく声にならない声が漏れ続け、半開きになった口からは涎が垂れた。
 
 気持ちいいという表現では足りない。
 頭の中は閃光が爆発したかのように真っ白で、体は髪の毛の先まで痺れていて、一部分だけ火がともったかのように熱かった。

 熱を持つその場所は────クリトリス。

 今も少年が口を付け、吸い上げ続けている。

「~~~~~~~~~~っっ!!♡♡」

 マリアベルの覚悟に応えてくれた少年は、信じられないことに誰もが嫌悪する無毛の性器に口付けをしてくれた。
 毛が生えていないことなんて気にしなくてもいいとでも言うように、小さな舌で一生懸命舐めてくれた。

 内側に舌を差し込み、溢れてくる愛液を舐めとり、包皮に包まれたクリトリスを口の中に含んでくれた。

 そして今、強く、強く、吸い付いてくれている。
 
「~~~~~~~~~~~~~~~~~っっっ!!!♡♡♡」

 あまりの快楽に息をすることもできず、次第に苦しさがこみ上げてくる。
 だがその苦しさですら、マリアベルには嬉しかった。

 少年が自分を求めてくれた結果として与えられている苦しさなのだ、嬉しくない訳が無い。

 ポンッと音を立てて少年の口が離れ、マリアベルの体がベッドに沈む。

「~~~~~っはぁ! はぁっ! はぁっ! はぁっ!」

 熱い。

 少年の吐息が冷たく感じるほどに、熱い。
  
 剥き出しになったクリトリスだけではなく、濡れそぼった膣口が、収縮を繰り返す膣壁が、その奥でひくひくと蠢く子宮が。
 
 耐え難いほどの熱を発している。

「い、いれて、くださいぃ♡」

 腰や太ももを痙攣させながら、マリアベルはまた自分の手で膣口を広げた。
 もはや羞恥心も不安もない。

 あるのは喜びと、さらなる快楽に対する期待だけだ。

 コポリと音を立て、奥からひときわ濃い愛液が溢れ出す。
 次の瞬間────

「○×$▽#っ!」
「お゛っ!!♡♡」

 ────雄叫びとともに、少年のチンポがマリアベルを貫いた。
 子宮を押しつぶされ、くぐもった声が漏れる。 

「×△%っ! #○&□っ!」
「っ!♡ っ!♡ っ!♡」

 そして、すぐに激しい抽挿が開始された。
 
 少年ががむしゃらに腰をぶつけてくるたび、子宮が突き上げられて息が詰まる。
 
「ん゛っ!?♡」

 乳首を軽く噛まれ。

「ん゛ぁ゛っ!!♡♡」

 充血したクリトリスを押しつぶされ。

「ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛っっ!!!♡♡♡」

 その全てを同時に行われ、マリアベルは髪を振り乱しながら悶えた。

 僅かに感じる痛みも、苦しみも、全てが快楽に変換されていく。

(来てくださいっ!♡ もっと強く!♡ もっと激しく!♡)

 マリアベルは、自ら腰を動かして少年のチンポに子宮口を叩きつけていた。

 今まで押さえつけていたなにかを爆発させるようにひたすら快楽を求め、そして────

 どびゅーっ! びゅびゅーっ!

「□&○×っ!」
「あ゛ぅ゛っ!!♡♡」

 少年が射精した瞬間、マリアベルは足を絡ませて腰を押し付け、子宮の中に直接精液を受け入れた。

 どくどくと、マリアベルの中で少年が脈動する。

 熱い精液が吐き出されるたび、子宮だけではなく心が満たされていくのを感じた。

 だが…………

(まだ……もっと……♡)

 子宮も、心に空いたいくつもの穴も、まだ埋め尽くされていはいない。

 なにかスイッチの入ってしまったマリアベルは、体勢を入れ替えて少年の上にまたがると、体と本能の求めるままに腰を動かし始めた。
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