呟きの箱

十四年生

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ひとり

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ひとり

つながれた手を
差し伸べられた手を
心が揺れたから
振り払っていた
毎日消費される
大学ノート
間違ったものは全部
破り捨てた

生きていくことは
毎日をどこか
書き記してみては
破り捨てること

もういい加減誰かと
一緒に生きようとか
愛をはぐくもうとか
考えられない
生きていくことが
むなしく見えるのなら
それはきっと一人が
似合い始めてるんだ

かけられた声を
呼び止める声を
心が凍ったから
耳をふさいだ
毎日消費される
酸素メーター
何度も吸い込んで
空になった

もういい加減誰かと
一緒に歩もうとか
夢をかなえようとか
浮かんでこない
生きていくことが
悲しく見えるのなら
それはきっと一人で
いき始めてるんだ


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