呟きの箱

十四年生

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くれないの葉一枚

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くれないの葉一枚

舞い降りてひらひらと
くれないの葉が一枚
坂道の途中で足元におちた

山もみじ駆け抜けていく
秋の風一陣
髪の毛をかきあげて
そっとつぶやいた

切なさに物悲しく鳴く鳥よ
憂い帯び振り返り見る
見返りの美人

舞い降りてひらひらと
くれないの葉が一枚
坂道の途中で足元に落ちた

舞い降りたひらひらと
くれないの葉が一枚
頬の横 掠めては
空を茜色に 染めた

舞い降りてひらひらと
くれないの葉が一枚
坂道の途中で足元におちた
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