呟きの箱

十四年生

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心中一人離れ

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心中一人離れ

満月お月様一夜恋し
一見ばかりのお客様
会わせて欲しいと願うより
この身を連れて
くれしゃんせ

くぐればほうら戸の閉まり
泣き声にも似た笑い声
世の末夜の末ひと喘ぎ
重ねて壊して繰り返す

嗚呼 あなたさま
嗚呼 あなたさま
なぜに一人で逝きりゃんせ
嗚呼 あなたさま
嗚呼 あなたさま
結んだ結び目綻びて

満月お月様一夜恋し
一見ばかりのお客様
会わせて欲しいと願うより
この身を連れて
くりゃしゃんせ

指と指を髪で結い
腕と腕を縄でうち
足と足を釘で縫い
冥途送りの船の上

嗚呼 あなたさま
嗚呼 あなたさま
なぜにわっちは生きりゃんせ
嗚呼 あなたさま
嗚呼 あなたさま
縫った釘目錆落ちて

満月お月様一夜乞いし
一見ばかりの死神様(おきゃくさま)
逢わせて欲しいと願うより
この身を吊れて
くりゃしゃんせ
この身を吊れて
くりゃしゃんせ
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