【R18】記憶喪失の僕に美人妻は冷たい

無憂

文字の大きさ
35 / 106
ルイーズ

冷えた心*

しおりを挟む
「……ルイーズ……」

 わたしの上に圧し掛かる男が、わたしの名を呼ぶ。さっきからずっと、男はわたしの中を穿ち、わたしをゆすり続けている。熱い息が、耳もとにかかる。

「ああ……ルイーズ……い……」
 
 暗闇を恐れる男のために、枕元のランプはともしたまま。ぼんやり照らされた寝台の上で、男はわたしの両脚を広げ、わたしの恥ずかしい場所を見下ろすようにして犯し続けている。両膝はそれぞれ、男の腕にひっかけられ、その腕がわたしの二の腕をがっちり掴んでいるので、わたしは逃げることもできない。
 
 ギシッ……とベッドを軋ませて、男がわたしの奥をさらに抉る。最も深い場所を突かれて、わたしは思わず声を漏らした。

「あ……っ」

 グリグリといたぶるように奥を刺激されて、わたしはこれ以上声をあげるまいと唇を噛み、快感をそらそうと首を振った。

「うう……く……」
「ルイーズ……奥がいいんだね。……今、すごく、締まった……ほら……」
「う……んんん……」

 ずくずくと男が見せつけるように奥を突きあげるたびに、つながっている場所がぐちゅぐちゅといやらしい音をたてる。男がわたしの中を出入りする、その刺激にわたしの内部が勝手に蠢き、男を締め付けてしまう。つながった部分から沸き起こる快感が、わたしの身体を灼いていく。熱い――。

 いやなのに。こんな男、絶対に許さないと思っているのに。 

「はあ……ルイーズ……悦い……」

 男がわたしを突き上げながら、快感に眉を顰め、天を仰いで喉仏をさらす。鍛えた無駄のない裸の胸がわたしの上で揺れる。彼が荒い息を吐きながら、端整な顔でわたしを見下ろす。黒髪がばさりと額に落ちかかり、汗のしずくが頬をながれ、顎にわだかまり、わたしの裸の胸の上に落ちた。

「ひっ……ああっ……あっ……あっ……」

 その冷たさに思わず身を捩り、声をあげてしまう。一度口を開けば、意思によらない声を、もう止めることはできなかった。

「ああ、気持ちいいんだ……もっと声、聞かせて……ホラ……」
「んっ……あっああっ……やっ……あああっ……ああっ……」

 男の動きが激しさを増し、わたしのあらゆる感じる場所を暴き立てていく。支配されたくない。感じたくない。もう、こんな男のこと、切り捨ててしまいたいのに。
 
 なのに、わたしのからだは今夜もあっけなく陥落し、もう何度も、快楽の淵に引きずり込まれ、蹂躙されていく。ベッドが軋み、水音が響く。でも、一番聞きたくないのは、はしたない自分の声で、わたしは悔しさでぎゅっと目を閉じ、顔を背けた。

「あっ……ああっ……あっ……あっ……」
「はあっ、はっ、……ルイーズ……」

 耳元に熱い息遣いを感じて、わたしは薄く目を開ける。男の顔がわたしの顔の間近に降りて、荒い呼吸を繰り返す。完璧に美しい右側。凛々しい眉を顰め、彼も快感を堪えている。右目がランプの光に煌めく。一方の左目は――虚ろな闇。

 完璧な美貌と、醜悪な傷。……彼は美しい半面を悪魔に差し出して、ようやく命を拾ったのだ。
 こうして見上げると、その醜い半面すら美しいと思ってしまうわたしは――

 彼の唇がわたしの唇を塞ぐ。ぬるついた舌がわたしの咥内を蹂躙する。わたしを犯す動きは止むことはなく、腰から湧き上がる快感が、だんだん切羽詰まったものになってくる。ああ、また――

「ルイーズ、名を呼んで。……僕の……名前を……」

 男がわたしを穿ちながら、荒い息の合間に懇願するが、わたしは首を振った。
 誰が。お前の名前なんか――

「はっ……あああっ……やあっそれ……」

 男がわたしの両膝を裏をそれぞれ握り、膝をおしひろげて胸につくまで折り曲げる。つながっている場所が、わたしの面前にさらされる。濡れそぼり、いやらしく蜜を零すその場所を、男の禍々しい剛直が出入りする。見せつけられ、わたしは恥ずかしさに目をつむる。

「ちゃんと、見て。今、君は犯されてる。……僕に。僕のが君の恥ずかしい場所を出入りしている。見て……」
「や、いやっ……あっ……ああっ……」
「愛してるよ、ルイーズ……君は?」
「いや、いやよ、あなたなんか、だいっきらい……ああっやあっ……」

 ありったけの憎しみを込めて睨んでやるのに、男はわたしの答えを予測していたのか、形のよい唇を綻ばせる。

「ああ、そうだ、君は僕が大嫌いだ。……なのに、大嫌いな男に抱かれて、さっきからすごく感じてる。……ほら、こんなに濡れて、ぐっずぐず。僕が大嫌いなのに、僕のコレは大好きなんだ。昼間の貞淑さが嘘みたいに、いやらしく乱れて……」
「うっ……ちがっ……やあっ……ちがう、のぉ!」
「何が違うの、ホラ、どんどん溢れてくるよ……君のいやらしい蜜が、お腹の方まで流れていっちゃう」

 男が陰茎を出し入れするたびに、わたしの中から愛液が溢れ、泡立ち、お腹の方へも伝って流れ落ちてくる。その様子を男が意地の悪い言葉で揶揄すれば、悔しさと恥ずかしさでわたしの中がさらに疼く。言葉で嬲られるたびに、いっそうきつく彼を締め付ける。そうなればさらに、わたしを蹂躙する彼の存在を感じ取ってしまう。突かれるたびに快感が増幅され、もう、限界に近い。ぐちゅぐちゅという水音、ベッドの軋む音、それから彼の荒い息遣い。自分の意志では止められない、甲高いわたしの喘ぎ声が、それに絡まる。
 
「ああっ……あああっ……ああっ……もうっ……ああ、ああっ」
「ルイーズ……気持ちいいんだね。……イきたい?」
 
 わたしの中を穿ちながら男が尋ねる。片方しかない瞳が、ランプの光に煌めき、形のいい唇が弧を描く。――もう、勝利を確信しいてる顔。いや、誰が、こんな男に――

「イきたい?」

 もう一度尋ねられ、わたしは男の片目を睨みながら、首を振った。

「強情だね……もっともっと責めて欲しいって顔してる。淫乱なルイーズは」
「ちがっ……誰がそんな……」

 男は喉の奥で嗤って、抽挿のスピードを速めた。激しい動きに奥が何度も突き上げられ、わたしの背筋を快感が走り、目の奥に白い火花が散る。

「やあっ、あっ、あっ、ああっ、ああっだめっあああっ」

 枕の上でわたしは必死に首を振るけれど、そんなことをしても無駄で、快感はどんどん膨らんでいく。男はわたしの膝から手を離し、両手で乳房をわしづかみにすると、指の間から突き出た尖った乳首をぎゅっと挟み込む。

「ああっあああっ……だめ、だめぇ……」
 
 ぐりぐりと刺激されて快感に身悶える。もうイく――だがその瞬間、男はぴたりと動きを止めた。


しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

処理中です...