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2、辺境伯の砦
辺境伯の遺品
その騎士は黒い髪が肩を覆い、黒曜石のような黒い瞳を持ち、恐ろしいほど整った容貌をしていた。背はすらりと高く手足も長い。だが細身で、戦士というよりは都会の貴公子といった風情であった。肩には黒い鷹を止まらせ、懐には白い獅子の子を抱いている。
着ているものも薄汚れてはいるが元はいい物であったらしく、しかし、騎士でありながら佩剣もせず、腰には革の水筒と、小さなナイフを下げている。背中に背負うのは農夫が野菜を運ぶような籠で、いかにもちぐはぐであった。シュテファンが馬を用意しようとしたが、乗り方を忘れたからと謝絶したという。だから彼は、フェルディナンドの従騎士だったレオンと二人乗りで現れたのだ。
騎士のくせに馬の乗り方を忘れるとか、もはや意味がわからないのだが、彼は全く悪びれたところがない。ミカエラの前でレオンに介助されながら、おっかなびっくり馬から下りている様子には、シュテファンもその部下も苦笑してしまう。ミカエラの前に出ても彼は騎士の礼すら取らず、胸の前で両手を合掌して、ちょうど、僧侶のような礼を取ったのである。
「こんにちは。僕は、シウリンと言います。砦の遺品を預かっているのですが」
「ガルシア辺境伯フェルディナンドが姪、ミカエラと申します」
「ああ、あなたがミカエラさんですか」
穏やかに微笑む表情すら、騎士と言うより神官か僧侶に近い。ミカエラは美貌に見惚れるとともに、そのちぐはぐな態度に戸惑う。
そのまま城の広間に導き入れられ、上座を薦められるのを断って、彼は下座に就く。皆が注目する中で、彼は背負い籠から遺品を取り出そうとするのだが、一番下に入ってしまっているのか、なかなか出てこない。まず黒天鵞絨のマントを出し、それから銅の鍋を置く。途中の畑から失敬したらしい玉ねぎと馬鈴薯、それから燕麦の袋。ごたごたと中身を掻き回し、いい加減、周囲がイライラし始めたところで、ようやく、風呂敷に包んだものをミカエラの前に持ってきた。
「大きいものは持って来られなかったので、小さい指輪とか、短剣だけですけれど」
そう言って、ミカエラの前に風呂敷を広げる。まず、ミカエラの目に飛び込んだのは、ガルシア家の紋章を彫り込んだ短剣の柄。――ガルシア家の当主の証。
ミカエラが息を飲んで、目を閉じる。
「叔父様――」
それを大事そうに両手で押し頂いてから、他の物も見る。
「シュテファン、これは、お前の父親の指輪でなくて?」
そう言ってミカエラが差し出した赤玉の嵌った指輪を見て、シュテファンが息を飲む。
「そうです! では、親父も――」
その他、砦にいた者の家族が、風呂敷を覗き込む横で、ミカエラが礼を言った。
「ありがとうございます――叔父の、遺体を発見されたのですか」
シウリンは、言いにくそうに眉を顰め、だが意を決して言った。
「実は――殭屍に会ったのです」
その言葉に、広間の空気が凍る。
「あの砦に、生きている人はいませんでした。殭屍になっても砦を守っていて――僕が聖騎士だと知ると、取りついた魔物を攘って欲しいと。そして、遺品をガルシア城のミカエラに届けて欲しいと言いました」
凍りついた空気を振り切るように、ミカエラが震える声で言う。
「あなたが、攘ってくださったのですか」
「ええまあ。――最後の一人まで戦ったと、言っていました。ご立派な方々であったと思います」
シウリンが胸の前で合掌し、陰陽の調和を願う祈りを捧げる。
「彼らが聖なる峰、プルミンテルンの頂きに赴き、永遠の陰陽の調和と安寧を得んことを――」
シウリンの、落ち着いた低い声で唱えられる祈りの言葉が広間に響く。近くに座っていたレオンから、嗚咽の声が漏れる。
「お、御館様……そんなあ……うう、ううううう」
「ごめんね、レオン。君が伯の身近に仕えていたと聞いたので、旅の途中では話すことができなかったんだ」
シウリンが申し訳なさそうに謝るが、レオンは涙に濡れた頬を拭うこともせずに首を横に振った。
「そんな……いいえ、ありがとうございます……」
そんなシウリンに、ミカエラは勇気を奮って問いかけた。
「あなたは、〈王気〉がありますね。――東の、龍種なのですか?」
広間の人間が再び、ぎょっとしてシウリンを見る。もう一人、ミカエラの叔母――つまり、フェルディナンドの妹――にあたる中年の女が、納得したように頷いた。
「たしかに、金色の光が視えます。……初めて視ました。おばあ様にそういう力があると聞いておりましたが」
シウリンは淡く微笑むと言った。
「残念ながら、僕には視えないのです。昔からそういうのがあるとは聞いていましたが。それに、僕は自分が何者かも、よく覚えていなくて。訳の分からないことですみません」
その答えに、ミカエラも周囲の者も、目を丸くする。
「実は――アクシデントがあって、この先の神殿跡に転移してしまったのです。それで、歩いて帰るしかなくて」
「どこまで、お帰りになるのです?」
「ソリスティアまで」
皆が絶句する。女王国の西南辺境から、聖地の対岸、東北辺境の、さらに向こうまで。
「何か月もかかりますよ?」
ミカエラの叔母が言うのに、シウリンは困ったように美貌に笑みをたたえる。
「そうですか。でも――最悪でも、冬至までにナキアに行かなければなりません。そこに、僕の奥さんが待っているので」
「奥さん」という言葉に、ミカエラは上気していた心が急激に冷えるのを感じた。この人は、天と陰陽がこの地に遣わした救いの主ではないのか?
だが、ミカエラは青い瞳でじっと騎士を見つめた。この人に縋る以外に、道はもうないとまで、瞬時に思い詰めていた。
「今、この困難な状況にあるわたくしたちの元に、あなたは叔父様の遺品を届けて下さった。あなたこそ、わたくしたちの窮状を救って下さいる方とお見受けいたします」
その言葉に、シウリンは露骨に眉を寄せて、嫌そうな顔をした。――ほんの、一瞬のことだったが。
「僕はただの旅人で、遺品はたまたまです。そちらの騎士三人は困っているようでしたので、食糧を分けただけですし、その食糧だって、無人の砦から勝手にもらってきたものも含まれていますから。僕は先を急ぎますので、明日には出立しようと思っているのです」
「砂漠を越えてきた方を、そのまま追い出すような真似はできません。わがガルシア領の恥になります。せめて、しばらく滞在していただけませんか」
シウリンの素っ気ない言葉に、ミカエラは引き留める。笑顔を無理に作り、とにかく必死だった。
「はあ――。別にそれほど疲れていませんし。じゃあ、明日、この服を洗濯だけさせてください」
シウリンが自分の薄汚れたシャツと、砂埃に塗れた脚衣を見下ろして、言った。
着ているものも薄汚れてはいるが元はいい物であったらしく、しかし、騎士でありながら佩剣もせず、腰には革の水筒と、小さなナイフを下げている。背中に背負うのは農夫が野菜を運ぶような籠で、いかにもちぐはぐであった。シュテファンが馬を用意しようとしたが、乗り方を忘れたからと謝絶したという。だから彼は、フェルディナンドの従騎士だったレオンと二人乗りで現れたのだ。
騎士のくせに馬の乗り方を忘れるとか、もはや意味がわからないのだが、彼は全く悪びれたところがない。ミカエラの前でレオンに介助されながら、おっかなびっくり馬から下りている様子には、シュテファンもその部下も苦笑してしまう。ミカエラの前に出ても彼は騎士の礼すら取らず、胸の前で両手を合掌して、ちょうど、僧侶のような礼を取ったのである。
「こんにちは。僕は、シウリンと言います。砦の遺品を預かっているのですが」
「ガルシア辺境伯フェルディナンドが姪、ミカエラと申します」
「ああ、あなたがミカエラさんですか」
穏やかに微笑む表情すら、騎士と言うより神官か僧侶に近い。ミカエラは美貌に見惚れるとともに、そのちぐはぐな態度に戸惑う。
そのまま城の広間に導き入れられ、上座を薦められるのを断って、彼は下座に就く。皆が注目する中で、彼は背負い籠から遺品を取り出そうとするのだが、一番下に入ってしまっているのか、なかなか出てこない。まず黒天鵞絨のマントを出し、それから銅の鍋を置く。途中の畑から失敬したらしい玉ねぎと馬鈴薯、それから燕麦の袋。ごたごたと中身を掻き回し、いい加減、周囲がイライラし始めたところで、ようやく、風呂敷に包んだものをミカエラの前に持ってきた。
「大きいものは持って来られなかったので、小さい指輪とか、短剣だけですけれど」
そう言って、ミカエラの前に風呂敷を広げる。まず、ミカエラの目に飛び込んだのは、ガルシア家の紋章を彫り込んだ短剣の柄。――ガルシア家の当主の証。
ミカエラが息を飲んで、目を閉じる。
「叔父様――」
それを大事そうに両手で押し頂いてから、他の物も見る。
「シュテファン、これは、お前の父親の指輪でなくて?」
そう言ってミカエラが差し出した赤玉の嵌った指輪を見て、シュテファンが息を飲む。
「そうです! では、親父も――」
その他、砦にいた者の家族が、風呂敷を覗き込む横で、ミカエラが礼を言った。
「ありがとうございます――叔父の、遺体を発見されたのですか」
シウリンは、言いにくそうに眉を顰め、だが意を決して言った。
「実は――殭屍に会ったのです」
その言葉に、広間の空気が凍る。
「あの砦に、生きている人はいませんでした。殭屍になっても砦を守っていて――僕が聖騎士だと知ると、取りついた魔物を攘って欲しいと。そして、遺品をガルシア城のミカエラに届けて欲しいと言いました」
凍りついた空気を振り切るように、ミカエラが震える声で言う。
「あなたが、攘ってくださったのですか」
「ええまあ。――最後の一人まで戦ったと、言っていました。ご立派な方々であったと思います」
シウリンが胸の前で合掌し、陰陽の調和を願う祈りを捧げる。
「彼らが聖なる峰、プルミンテルンの頂きに赴き、永遠の陰陽の調和と安寧を得んことを――」
シウリンの、落ち着いた低い声で唱えられる祈りの言葉が広間に響く。近くに座っていたレオンから、嗚咽の声が漏れる。
「お、御館様……そんなあ……うう、ううううう」
「ごめんね、レオン。君が伯の身近に仕えていたと聞いたので、旅の途中では話すことができなかったんだ」
シウリンが申し訳なさそうに謝るが、レオンは涙に濡れた頬を拭うこともせずに首を横に振った。
「そんな……いいえ、ありがとうございます……」
そんなシウリンに、ミカエラは勇気を奮って問いかけた。
「あなたは、〈王気〉がありますね。――東の、龍種なのですか?」
広間の人間が再び、ぎょっとしてシウリンを見る。もう一人、ミカエラの叔母――つまり、フェルディナンドの妹――にあたる中年の女が、納得したように頷いた。
「たしかに、金色の光が視えます。……初めて視ました。おばあ様にそういう力があると聞いておりましたが」
シウリンは淡く微笑むと言った。
「残念ながら、僕には視えないのです。昔からそういうのがあるとは聞いていましたが。それに、僕は自分が何者かも、よく覚えていなくて。訳の分からないことですみません」
その答えに、ミカエラも周囲の者も、目を丸くする。
「実は――アクシデントがあって、この先の神殿跡に転移してしまったのです。それで、歩いて帰るしかなくて」
「どこまで、お帰りになるのです?」
「ソリスティアまで」
皆が絶句する。女王国の西南辺境から、聖地の対岸、東北辺境の、さらに向こうまで。
「何か月もかかりますよ?」
ミカエラの叔母が言うのに、シウリンは困ったように美貌に笑みをたたえる。
「そうですか。でも――最悪でも、冬至までにナキアに行かなければなりません。そこに、僕の奥さんが待っているので」
「奥さん」という言葉に、ミカエラは上気していた心が急激に冷えるのを感じた。この人は、天と陰陽がこの地に遣わした救いの主ではないのか?
だが、ミカエラは青い瞳でじっと騎士を見つめた。この人に縋る以外に、道はもうないとまで、瞬時に思い詰めていた。
「今、この困難な状況にあるわたくしたちの元に、あなたは叔父様の遺品を届けて下さった。あなたこそ、わたくしたちの窮状を救って下さいる方とお見受けいたします」
その言葉に、シウリンは露骨に眉を寄せて、嫌そうな顔をした。――ほんの、一瞬のことだったが。
「僕はただの旅人で、遺品はたまたまです。そちらの騎士三人は困っているようでしたので、食糧を分けただけですし、その食糧だって、無人の砦から勝手にもらってきたものも含まれていますから。僕は先を急ぎますので、明日には出立しようと思っているのです」
「砂漠を越えてきた方を、そのまま追い出すような真似はできません。わがガルシア領の恥になります。せめて、しばらく滞在していただけませんか」
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