82 / 255
四竅
8、狩猟
しおりを挟む
二日後は狩猟が開催された。
皇子たちは皆、戎服を着て参加し、馬に乗り、狗をけしかけ、獣を狩る。皇帝以下の百官、妃嬪、秀女もその勇壮な姿を見学し、御狩場には大小様々な天幕が張られ、華やかな出で立ちの男女で満ち溢れた。
年少の四皇子にとっては、初めての狩猟となる。もちろん、デュクトやゾーイらにより、狩猟に見立てた訓練は何度か行ったが、本物の獣を狩るのは初めてのことだ。
「殿下方は、怪我さえないようにして下さったらそれで結構ですよ」
やはり戎服に身を固め、見事な葦毛の馬に乗ったデュクトが端正な顔にいつもの苦い笑いを浮かべている。
狩猟の始まりを前に、皇子たちは居並んで皇帝に謁見する。一際広い天幕の中で、運ばれてきた玉座に腰を下ろした皇帝に、皇子たちが片膝をついて頭を垂れる。
「今日は日ごろの鍛錬の成果を見せる時。猟果を期待しておるぞ」
「「「「ははあ」」」」
皇子たちが一様に畏まるのに、皇帝は一際美しい顔を伏せている愛児に目を留める。
「ユエリン、そちにとっては初めての狩猟じゃ。怪我のないようにせよ」
「はい」
その様子を傍で見ていた妃嬪たちは、半ばは感心し、半ばは落胆する。皇帝の子に対する愛は、恭親王とそれ以外に対して露骨に差があったからだ。
やがて、皇子がその配下と組を作って三々五々御狩場に散っていった。ろくな配下を持たない成郡王と肅郡王は、それぞれ恭親王と廉郡王の組に混ざっている。彼らもまたお側仕えのようにすら見えてしまうことが、恭親王にはやや心苦しかった。
昨年の秋以来、成郡王はゾーイとデュクトから手ほどきを受けて、技量は目覚ましく成長してはいたが、それでもまだまだ危うかった。一つには魔力量が少ないため、筋力増強や体力増加の効果が低いのである。化け物じみた魔力量を持つ恭親王と比べると、どうしても遅れを取ってしまう。しかし、腐ることなく鍛錬を積んでいる真面目さは得難いもの、とゾーイなどは考えていた。
自然の中で馬を走らせ、喉の渇きを感じた主従は飲み物を準備している天幕まで戻り、休憩を取ることにした。そこには秀女なども集まってお喋りに花を咲かせていた。恭親王とその主従は皇子の配下の中でもとりわけ端正な者たちが揃っていて、どこに行っても女たちの注目を集めてしまう。
「殿下、お茶でしたらわたくしが……」
胸の谷間も露わに、香水の強烈な匂いを振りまいて近づいてくる秀女を鬱陶しそうに振り切って、恭親王は乗馬鞭だけを手に、少し天幕の周囲を歩いてみることにした。付いてくるのは成郡王と、護衛のゾーイだけ。天幕の裏手、少し木陰になったあたりで、何とも不穏な人声を耳にして、恭親王が眉を顰める。
見ると、大きな木の回りで、数人の着飾った女たちが、一人の女を取り囲んでいた。
「田舎子爵の娘風情の癖に、僭上なこと」
「あなたが告げ口をしたせいで、石竹様は宮を追われるかもしれないわ」
「ほんと、姉妹揃って男を誑かすのがお上手ね」
成郡王も石竹、という名に目を瞬く。彼がただ一人の恋人として三年も愛したのに、あっさりと彼を振った秀女の名だからだ。
恭親王は女たちに聞こえるようにわざと、枝をパキリと折った。
はっとして女を囲んでいた秀女たちが振り向く。囲まれていたのは、先日鐘楼に閉じこめられていた、槐花であった。
「槐花、と言ったね。こんなところで何をしているの? また仲間から嫌がらせをされているの?」
恭親王が美しい唇の口角を少し上げ、声変わりしてやや低くなった声で甘ったるく言った。
「……殿下……」
取り囲んでいた女たちの中に、恭親王の宮にいる山吹がいた。山吹は露骨に顔を蒼ざめさせ、また他の女たちも、現れた目を瞠るような美少年を見て、それが皇帝が鍾愛する恭親王だと気づいてはっと息を飲む。
「この前、鐘楼でこの子を見つけたのは僕たちだよ。本当に酷いことをするよね。……まさか、そのお仲間に、僕の宮の者が加わっていたとはね」
「違うんです……これには、理由が……!」
山吹が青ざめて訴えかけるのと、恭親王はあっさりと遮る。
「言い訳はいらない。どのような理由があろうとも、他の宮の者を貶める者は僕の宮には必要ない。正当な理由があるのであれば、このような卑劣な行動を取る前に、どこかに訴え出るべきだ……先日、彼女を鐘楼に閉じこめたのにも、お前は関わっているのか?」
「それは……」
「関わっているのならば、後で事情を聞こう。あれは嫌がらせでは済まない事故につながったかもしれない、危険な行為だ。僕たちがあの夜、あの鐘楼に行かなければ、そこの槐花は今頃死んでいたかもしれない。いかなる理由であれ、そのような危険を招く行いは許すことはできない。相応の処分が下るはずだ。覚悟しておくように」
山吹が半泣きの顔で言った。
「でも……! この女のために石竹様が……」
「石竹がどうかしたの?」
成郡王が後ろから顔を出した。類まれな美貌と皇帝の寵愛で有名な恭親王と異なり、ほとんどいるかいないかわからない程影の薄い成郡王は、秀女たちにさえ、きちんと認識されていない。だから、山吹は恭親王と一緒にいるのが成郡王だとは気づかずに言った。
「石竹様は、三年もあの、デブでケチで間抜けな成郡王様に仕えたのに、宮を追い出されてしまったんです! それで、新たに順親王様に召し出されて、ようやく幸せになれそうだったのに、この女が横から順親王様を横取りしたんです!姉が侍従武官のユルゲン様の妾だからって、うまく取り入って!」
山吹が憎らし気に槐花を睨みつけるが、成郡王があ然として言った。
「……僕が石竹を追い出したって? 僕が名前を聞いたのを、こんな貧乏宮は嫌だって言うから、彼女を自由にしてあげたのに……」
「山吹、成郡王に失礼を詫びよ。成郡王は少なくともデブではないぞ。追い出したんじゃなくて、石竹に振られたんだ。どっからそんな嘘八百を聞いてきたのだ」
「ユエリン、ケチと間抜けの方もちゃんと否定してくれよ……」
恭親王と成郡王の言葉に、山吹や周囲の女たちが青ざめる。
「ええっ……成郡王……様? ……だって、だって石竹様が……」
恭親王の後ろにいる大人しそうな少年は、たしかに別にデブでもなく、派手ではないものも容姿も整っている。ただ恭親王とはまるで似ておらず、非常に地味な雰囲気なので、すぐ上の兄だとは誰も思わないだろう。
「……まあ、僕の宮は貧乏だから、どうしてもケチくさくなっちゃうよね。ろくな贈りものもできなかったし」
眉を八の字にして成郡王が言うと、恭親王は成郡王を上から下まで見回して、言った。
「……間抜けは否定しようもないんじゃないか?どうやらとんでもない二枚舌の性悪女に、三年も入れあげていたようだよ?」
石竹は成郡王の宮に居た時は、おとなしめな姿で姉のように寄り添って成郡王の心を掴み、純情な成郡王をうまく言いくるめてライバルの秀女を追い払い、彼のただ一人の秀女となった。そのまま側室を目指すが、成郡王が成人後も任官もできず、巡検の予定も立たないことから、見限って別の宮の皇子を篭絡しようと考えたのだ。
どうせなら、と親王で独立間近の順親王に狙いを定め、派手好きの順親王のために化粧も濃く装って、うまく寵愛は獲得したが、六月に新秀女としてやってきた槐花に寵愛を奪われたのだ。
年上で外面のいい石竹は、秀女たちの中でも人気があった。口から出まかせの苦労話で同情を買い、味方を増やし、彼女たちを焚きつけて槐花を追い出そうと画策したのである。
しかし、槐花に偽手紙を出して鐘楼に誘き寄せ、仲間の秀女や侍女に命じて閉じ込めさせたものの、ゲルフィンが叩きつけた偽手紙のおかげで、首謀者が石竹と順親王に知られ、現在、石竹は宮内で謹慎を申し渡されている。おそらくは宮を追われることになるだろう。そうなると、二十歳の石竹にはもう、後がない。石竹に同情した仲間たちの恨みは、さらに槐花に向いたのである。
恭親王が手に持った乗馬鞭で槐花を手招きした。取り囲んでいた秀女たちが道を開け、槐花が俯きがちに二人の皇子に歩み寄る。そのまま女たちは無視して踵を返し、槐花を伴って天幕に帰った。
槐花を連れて戻ってきた恭親王に、デュクトが驚き、ゾラがからかって軽口をたたく。
「どうしたんすか、そんな美少女をどこで拾ってきたんすか」
「いじめられていたから、拾ってきただけだ」
「助けたカメに連れられて、竜宮城でも行くっすかね?」
皇子と同席するのを遠慮しようとする槐花を無理に座らせて、トルフィンに命じて順親王を探しに行かせる。秀女たちによる嫌がらせが常習的にあったことを説明し、対処してもらわねばならなかった。成郡王の傅役のジーノが飲み物を取りに行き、皇子たちや槐花にも振る舞う。
「あの石竹がねぇ」
ジーノが溜息をつきながら言った。主従して人が好いので、すっかり騙されていたらしい。
槐花が恐縮して座っている、その長めにした袖口から出る手首に、縄か何かで擦れたような傷に気づき、恭親王が眉を寄せる。と、しばらくしてから乱暴な足音がして、荒々しい動作で順親王らの一行が天幕に駆けこんできた。
皇子たちは皆、戎服を着て参加し、馬に乗り、狗をけしかけ、獣を狩る。皇帝以下の百官、妃嬪、秀女もその勇壮な姿を見学し、御狩場には大小様々な天幕が張られ、華やかな出で立ちの男女で満ち溢れた。
年少の四皇子にとっては、初めての狩猟となる。もちろん、デュクトやゾーイらにより、狩猟に見立てた訓練は何度か行ったが、本物の獣を狩るのは初めてのことだ。
「殿下方は、怪我さえないようにして下さったらそれで結構ですよ」
やはり戎服に身を固め、見事な葦毛の馬に乗ったデュクトが端正な顔にいつもの苦い笑いを浮かべている。
狩猟の始まりを前に、皇子たちは居並んで皇帝に謁見する。一際広い天幕の中で、運ばれてきた玉座に腰を下ろした皇帝に、皇子たちが片膝をついて頭を垂れる。
「今日は日ごろの鍛錬の成果を見せる時。猟果を期待しておるぞ」
「「「「ははあ」」」」
皇子たちが一様に畏まるのに、皇帝は一際美しい顔を伏せている愛児に目を留める。
「ユエリン、そちにとっては初めての狩猟じゃ。怪我のないようにせよ」
「はい」
その様子を傍で見ていた妃嬪たちは、半ばは感心し、半ばは落胆する。皇帝の子に対する愛は、恭親王とそれ以外に対して露骨に差があったからだ。
やがて、皇子がその配下と組を作って三々五々御狩場に散っていった。ろくな配下を持たない成郡王と肅郡王は、それぞれ恭親王と廉郡王の組に混ざっている。彼らもまたお側仕えのようにすら見えてしまうことが、恭親王にはやや心苦しかった。
昨年の秋以来、成郡王はゾーイとデュクトから手ほどきを受けて、技量は目覚ましく成長してはいたが、それでもまだまだ危うかった。一つには魔力量が少ないため、筋力増強や体力増加の効果が低いのである。化け物じみた魔力量を持つ恭親王と比べると、どうしても遅れを取ってしまう。しかし、腐ることなく鍛錬を積んでいる真面目さは得難いもの、とゾーイなどは考えていた。
自然の中で馬を走らせ、喉の渇きを感じた主従は飲み物を準備している天幕まで戻り、休憩を取ることにした。そこには秀女なども集まってお喋りに花を咲かせていた。恭親王とその主従は皇子の配下の中でもとりわけ端正な者たちが揃っていて、どこに行っても女たちの注目を集めてしまう。
「殿下、お茶でしたらわたくしが……」
胸の谷間も露わに、香水の強烈な匂いを振りまいて近づいてくる秀女を鬱陶しそうに振り切って、恭親王は乗馬鞭だけを手に、少し天幕の周囲を歩いてみることにした。付いてくるのは成郡王と、護衛のゾーイだけ。天幕の裏手、少し木陰になったあたりで、何とも不穏な人声を耳にして、恭親王が眉を顰める。
見ると、大きな木の回りで、数人の着飾った女たちが、一人の女を取り囲んでいた。
「田舎子爵の娘風情の癖に、僭上なこと」
「あなたが告げ口をしたせいで、石竹様は宮を追われるかもしれないわ」
「ほんと、姉妹揃って男を誑かすのがお上手ね」
成郡王も石竹、という名に目を瞬く。彼がただ一人の恋人として三年も愛したのに、あっさりと彼を振った秀女の名だからだ。
恭親王は女たちに聞こえるようにわざと、枝をパキリと折った。
はっとして女を囲んでいた秀女たちが振り向く。囲まれていたのは、先日鐘楼に閉じこめられていた、槐花であった。
「槐花、と言ったね。こんなところで何をしているの? また仲間から嫌がらせをされているの?」
恭親王が美しい唇の口角を少し上げ、声変わりしてやや低くなった声で甘ったるく言った。
「……殿下……」
取り囲んでいた女たちの中に、恭親王の宮にいる山吹がいた。山吹は露骨に顔を蒼ざめさせ、また他の女たちも、現れた目を瞠るような美少年を見て、それが皇帝が鍾愛する恭親王だと気づいてはっと息を飲む。
「この前、鐘楼でこの子を見つけたのは僕たちだよ。本当に酷いことをするよね。……まさか、そのお仲間に、僕の宮の者が加わっていたとはね」
「違うんです……これには、理由が……!」
山吹が青ざめて訴えかけるのと、恭親王はあっさりと遮る。
「言い訳はいらない。どのような理由があろうとも、他の宮の者を貶める者は僕の宮には必要ない。正当な理由があるのであれば、このような卑劣な行動を取る前に、どこかに訴え出るべきだ……先日、彼女を鐘楼に閉じこめたのにも、お前は関わっているのか?」
「それは……」
「関わっているのならば、後で事情を聞こう。あれは嫌がらせでは済まない事故につながったかもしれない、危険な行為だ。僕たちがあの夜、あの鐘楼に行かなければ、そこの槐花は今頃死んでいたかもしれない。いかなる理由であれ、そのような危険を招く行いは許すことはできない。相応の処分が下るはずだ。覚悟しておくように」
山吹が半泣きの顔で言った。
「でも……! この女のために石竹様が……」
「石竹がどうかしたの?」
成郡王が後ろから顔を出した。類まれな美貌と皇帝の寵愛で有名な恭親王と異なり、ほとんどいるかいないかわからない程影の薄い成郡王は、秀女たちにさえ、きちんと認識されていない。だから、山吹は恭親王と一緒にいるのが成郡王だとは気づかずに言った。
「石竹様は、三年もあの、デブでケチで間抜けな成郡王様に仕えたのに、宮を追い出されてしまったんです! それで、新たに順親王様に召し出されて、ようやく幸せになれそうだったのに、この女が横から順親王様を横取りしたんです!姉が侍従武官のユルゲン様の妾だからって、うまく取り入って!」
山吹が憎らし気に槐花を睨みつけるが、成郡王があ然として言った。
「……僕が石竹を追い出したって? 僕が名前を聞いたのを、こんな貧乏宮は嫌だって言うから、彼女を自由にしてあげたのに……」
「山吹、成郡王に失礼を詫びよ。成郡王は少なくともデブではないぞ。追い出したんじゃなくて、石竹に振られたんだ。どっからそんな嘘八百を聞いてきたのだ」
「ユエリン、ケチと間抜けの方もちゃんと否定してくれよ……」
恭親王と成郡王の言葉に、山吹や周囲の女たちが青ざめる。
「ええっ……成郡王……様? ……だって、だって石竹様が……」
恭親王の後ろにいる大人しそうな少年は、たしかに別にデブでもなく、派手ではないものも容姿も整っている。ただ恭親王とはまるで似ておらず、非常に地味な雰囲気なので、すぐ上の兄だとは誰も思わないだろう。
「……まあ、僕の宮は貧乏だから、どうしてもケチくさくなっちゃうよね。ろくな贈りものもできなかったし」
眉を八の字にして成郡王が言うと、恭親王は成郡王を上から下まで見回して、言った。
「……間抜けは否定しようもないんじゃないか?どうやらとんでもない二枚舌の性悪女に、三年も入れあげていたようだよ?」
石竹は成郡王の宮に居た時は、おとなしめな姿で姉のように寄り添って成郡王の心を掴み、純情な成郡王をうまく言いくるめてライバルの秀女を追い払い、彼のただ一人の秀女となった。そのまま側室を目指すが、成郡王が成人後も任官もできず、巡検の予定も立たないことから、見限って別の宮の皇子を篭絡しようと考えたのだ。
どうせなら、と親王で独立間近の順親王に狙いを定め、派手好きの順親王のために化粧も濃く装って、うまく寵愛は獲得したが、六月に新秀女としてやってきた槐花に寵愛を奪われたのだ。
年上で外面のいい石竹は、秀女たちの中でも人気があった。口から出まかせの苦労話で同情を買い、味方を増やし、彼女たちを焚きつけて槐花を追い出そうと画策したのである。
しかし、槐花に偽手紙を出して鐘楼に誘き寄せ、仲間の秀女や侍女に命じて閉じ込めさせたものの、ゲルフィンが叩きつけた偽手紙のおかげで、首謀者が石竹と順親王に知られ、現在、石竹は宮内で謹慎を申し渡されている。おそらくは宮を追われることになるだろう。そうなると、二十歳の石竹にはもう、後がない。石竹に同情した仲間たちの恨みは、さらに槐花に向いたのである。
恭親王が手に持った乗馬鞭で槐花を手招きした。取り囲んでいた秀女たちが道を開け、槐花が俯きがちに二人の皇子に歩み寄る。そのまま女たちは無視して踵を返し、槐花を伴って天幕に帰った。
槐花を連れて戻ってきた恭親王に、デュクトが驚き、ゾラがからかって軽口をたたく。
「どうしたんすか、そんな美少女をどこで拾ってきたんすか」
「いじめられていたから、拾ってきただけだ」
「助けたカメに連れられて、竜宮城でも行くっすかね?」
皇子と同席するのを遠慮しようとする槐花を無理に座らせて、トルフィンに命じて順親王を探しに行かせる。秀女たちによる嫌がらせが常習的にあったことを説明し、対処してもらわねばならなかった。成郡王の傅役のジーノが飲み物を取りに行き、皇子たちや槐花にも振る舞う。
「あの石竹がねぇ」
ジーノが溜息をつきながら言った。主従して人が好いので、すっかり騙されていたらしい。
槐花が恐縮して座っている、その長めにした袖口から出る手首に、縄か何かで擦れたような傷に気づき、恭親王が眉を寄せる。と、しばらくしてから乱暴な足音がして、荒々しい動作で順親王らの一行が天幕に駆けこんできた。
21
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる