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七竅
39、慟哭*
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二人は唇を合わせる。深く、深く。お互いの舌を絡め合い、唾液を交え、〈気〉を交わし合う。廉郡王がヴィサンティの巻きつけられた更紗を剥ぎ取る。現れた小麦色の肌に、魅惑的な肢体。首元には蛇の意匠の金の首飾りが揺れる。
廉郡王がもどかしく金属鎧を脱ぎ捨てようともがくのを、ヴィサンティが手伝ってやる。お互い生まれたままの姿になると、廉郡王は剥ぎ取った更紗の上に、ヴィサンティを横たえる。顔の脇に片手をついて、上から見下ろすようにして、片手で滑らかな身体のラインを辿る。大きくて形のよい胸。横になっても流れることなく、綺麗な椀形を保っている。片手でその膨らみを揉み込んで、廉郡王は溜息をつく。
「ずっと……触れたいと思ってたんだ。手が、縛られてできなくて、滅茶苦茶悔しかった……」
「ふふふ……ほんと、あんたっておかしい。敵に捕まってるのに、女の胸が揉みたいなんて」
「だって、我慢できるかよ、こんな……綺麗な……」
頂点の尖りを指で押し込むように揉みながら、廉郡王はもう片方の乳首に吸い付いた。硬く、立ち上がった蕾を舌で転がし、甘噛みする。
「ふっ……んんっ……」
やがて廉郡王は女の秘所に指を這わす。
「ここも、ずっとずっと触りたくて堪らなかった。ちくしょう!って……縄を、切ってほしくて我慢できなかった」
「ああっ……んんんっ……グイ、ン……」
溢れ出る蜜を長い指に絡めるようにして、グインは女の秘裂を割り、指を中に入れる。
「相変わらず、きついな……」
「あっ……そこ……」
ヴィサンティの腰がびくんと跳ねるのを、廉郡王はニヤリと笑って、そこを重点的に責める。
「ああっ……もうっ……お願い、きて……」
性急に強請る恋人に、廉郡王は微笑んでヴィサンティの膝裏に手をかけて脚を折り曲げるようにして、片手で硬く張り詰めた彼の屹立を蜜口に添え、ゆっくりと挿入する。
「あああっ……グイン……好きっ……」
ヴィサンティが小麦色の身体を反らし、細い喉を晒した。
「ヴィサンティ……ああっ……熱い……」
「あっああっ……ああああっ……」
最奥までぴったりと繋がると、そのつながった箇所から二人の〈気〉が通い合う。その甘さが全身を巡り、脳が蕩けるような快感が全身を覆う。
廉郡王が腰を動かす。ヴィサンティの内部が蠢き、搾り取るように彼を締め付ける。奥の襞の一つ一つが彼に纏わりつき、そこから甘い〈気〉が流れ込み、また彼の〈気〉がヴィサンティに溶けていく。
完全に同化されることのない異種の〈気〉が、お互いの魔力を喰いあっていく。それでも――。
この女は紛れもなく、廉郡王がただ一人選んだ彼の〈番〉だった。
いつかは互いを蝕み、その命を削り合う相手だと、知ってもなお、求めることを止められなかった女。
女が、絶頂に至る。猛烈な〈気〉が彼の身体に流れ込む。官能の波に身を委ねる女は女神のように美しく、この身の内に魔物が巣食っているなど、信じたくはなかった。だが、他ならぬ二人の間の〈気〉の交感が、女がすでにただの女でなく、魔の領域に取り込まれていることを証明しているのだ。
廉郡王は、傍らの剣を取る。
鞘から抜いて、天井近くから差し込む太陽に光にそれをかざす。
「〈光よ、地に満ちよ。聖なる力よ、わが身に満ちよ――〉」
『聖典』の祈りを唱えると、廉郡王の持つ神殿で聖別された剣は金色の光に覆われた。そして廉郡王の身体も、金色の〈王気〉がさらに力を増し、大きく、煌めく龍の姿を取る――ヴィサンティの目には、それがはっきりと視えた。
「……ヴィサンティ、愛している。いつか、聖山プルミンテルンで、会おう――」
「……グイン……愛してる……わたしも……」
廉郡王は長大な剣を両手で構え、ヴィサンティの心臓めがけ、まっすぐに突き下した。刹那、ヴィサンティの身体が眩しい光を発し、真っ白い輝く蛇の魔物が廉郡王の剣に纏わりつくようにしてずるりと上り、威嚇するように牙を向くが、瞬く間に白い光となって霧散した。
後には、剣を突き刺されたヴィサンティの赤い更紗と、金の首飾りだけが残された。
「あ……あああああっうああああっ……あああああ……」
その金の鎖を握りしめ、更紗に突っ伏すようにして慟哭する廉郡王の声が、いつまでも地下牢の中にこだました。
廉郡王がもどかしく金属鎧を脱ぎ捨てようともがくのを、ヴィサンティが手伝ってやる。お互い生まれたままの姿になると、廉郡王は剥ぎ取った更紗の上に、ヴィサンティを横たえる。顔の脇に片手をついて、上から見下ろすようにして、片手で滑らかな身体のラインを辿る。大きくて形のよい胸。横になっても流れることなく、綺麗な椀形を保っている。片手でその膨らみを揉み込んで、廉郡王は溜息をつく。
「ずっと……触れたいと思ってたんだ。手が、縛られてできなくて、滅茶苦茶悔しかった……」
「ふふふ……ほんと、あんたっておかしい。敵に捕まってるのに、女の胸が揉みたいなんて」
「だって、我慢できるかよ、こんな……綺麗な……」
頂点の尖りを指で押し込むように揉みながら、廉郡王はもう片方の乳首に吸い付いた。硬く、立ち上がった蕾を舌で転がし、甘噛みする。
「ふっ……んんっ……」
やがて廉郡王は女の秘所に指を這わす。
「ここも、ずっとずっと触りたくて堪らなかった。ちくしょう!って……縄を、切ってほしくて我慢できなかった」
「ああっ……んんんっ……グイ、ン……」
溢れ出る蜜を長い指に絡めるようにして、グインは女の秘裂を割り、指を中に入れる。
「相変わらず、きついな……」
「あっ……そこ……」
ヴィサンティの腰がびくんと跳ねるのを、廉郡王はニヤリと笑って、そこを重点的に責める。
「ああっ……もうっ……お願い、きて……」
性急に強請る恋人に、廉郡王は微笑んでヴィサンティの膝裏に手をかけて脚を折り曲げるようにして、片手で硬く張り詰めた彼の屹立を蜜口に添え、ゆっくりと挿入する。
「あああっ……グイン……好きっ……」
ヴィサンティが小麦色の身体を反らし、細い喉を晒した。
「ヴィサンティ……ああっ……熱い……」
「あっああっ……ああああっ……」
最奥までぴったりと繋がると、そのつながった箇所から二人の〈気〉が通い合う。その甘さが全身を巡り、脳が蕩けるような快感が全身を覆う。
廉郡王が腰を動かす。ヴィサンティの内部が蠢き、搾り取るように彼を締め付ける。奥の襞の一つ一つが彼に纏わりつき、そこから甘い〈気〉が流れ込み、また彼の〈気〉がヴィサンティに溶けていく。
完全に同化されることのない異種の〈気〉が、お互いの魔力を喰いあっていく。それでも――。
この女は紛れもなく、廉郡王がただ一人選んだ彼の〈番〉だった。
いつかは互いを蝕み、その命を削り合う相手だと、知ってもなお、求めることを止められなかった女。
女が、絶頂に至る。猛烈な〈気〉が彼の身体に流れ込む。官能の波に身を委ねる女は女神のように美しく、この身の内に魔物が巣食っているなど、信じたくはなかった。だが、他ならぬ二人の間の〈気〉の交感が、女がすでにただの女でなく、魔の領域に取り込まれていることを証明しているのだ。
廉郡王は、傍らの剣を取る。
鞘から抜いて、天井近くから差し込む太陽に光にそれをかざす。
「〈光よ、地に満ちよ。聖なる力よ、わが身に満ちよ――〉」
『聖典』の祈りを唱えると、廉郡王の持つ神殿で聖別された剣は金色の光に覆われた。そして廉郡王の身体も、金色の〈王気〉がさらに力を増し、大きく、煌めく龍の姿を取る――ヴィサンティの目には、それがはっきりと視えた。
「……ヴィサンティ、愛している。いつか、聖山プルミンテルンで、会おう――」
「……グイン……愛してる……わたしも……」
廉郡王は長大な剣を両手で構え、ヴィサンティの心臓めがけ、まっすぐに突き下した。刹那、ヴィサンティの身体が眩しい光を発し、真っ白い輝く蛇の魔物が廉郡王の剣に纏わりつくようにしてずるりと上り、威嚇するように牙を向くが、瞬く間に白い光となって霧散した。
後には、剣を突き刺されたヴィサンティの赤い更紗と、金の首飾りだけが残された。
「あ……あああああっうああああっ……あああああ……」
その金の鎖を握りしめ、更紗に突っ伏すようにして慟哭する廉郡王の声が、いつまでも地下牢の中にこだました。
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