【R18】陰陽の聖婚Ⅱ:銀龍のめざめ

無憂

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3、過去の瑕

急変*

 アデライードもまた体内に浴びせられた飛沫の刺激で上り詰め、長い絶頂に荒い息で肩を上下させ、時折、びくりびくりと快感の余韻で身体を震わせる。なし崩しに快感に翻弄されるのは、今夜に限ったことではないが、いつの間にか犯されているという状況に、アデライードは戸惑うしかない。

 恭親王が妻の長く滑らかな白金色の髪を優しく撫でながら寝台に広げると、魔力灯の淡い光を浴びて、細い銀糸がきらきらと輝く。繋がった場所からアデライードの甘い〈王気〉が流れ込んできて、絶頂の余韻に溶けて彼を夢見心地にする。アデライードと一つになっていることが当たり前すぎて、昼間離れていられることが不思議ですらある。

 「離れたくない……ずっとこうして、繋がっていたい……」

 アデライードに重みをかけぬよう、顔の脇に腕を置いて身体を支え、汗ばんだ額から頬、耳朶、首筋へと唇を添わせて囁く。貫かれる間、快楽に耐えるために頭の脇で枕を指先が白くなるまで掴んでいたアデライードの両手が、恭親王のうなじに回される。

 「殿下……びっくりして……できれば、こういうのは、ちょっと……」
 
 アデライードとて彼を受け入れるのは嫌ではない。しかし、寝込みを襲うのはやめてほしいと恥ずかしそうに呟くアデライードの声に、恭親王の端正な頬が思わず弛む。

 「すまない……我慢できなくて……愛している、アデライード……」

 アデライードが恥ずかしそうに長い睫毛を伏せ、首に回した腕に力を籠める。寡黙なアデライードにとって、愛の言葉に言葉で返すことなど、まだ難しいのだろう。それがわかっている恭親王は、アデライードの唇を塞ぐ。唾液から甘い〈王気〉が流れ込み、恭親王の鼓動がどきんと動きを強め、まだアデライードの中に入ったままだった彼の雄芯がずくりと大きさを増した。
 
 「はっああっ……だめっ……もうっ……」

 アデライードの白い首筋に唇を這わせる恭親王に、アデライードのか細い声が聞こえる。彼女の中で大きくなった雄の圧迫感に、驚いて反射的に逃れようとするアデライードの腰を素早くつかんで動きを封じると、恭親王はぐりっと腰を回しながら耳元でもう一度、残忍な宣告を行う。

 「今夜は手加減できそうもない……もう一度……いいだろう?」
 「あっまって……まだ、……あああっ」
 「本当に可愛くてたまらない……アデライード……」

 改めて与えられた刺激に、アデライードの腰が跳ねる。再び深く口づけ、互いの舌を絡め合う。唇が解放されると、翡翠色の瞳をとろんとさせて、アデライードは恭親王の首に腕を絡めたまま、うっとりと呟いた。

 「……ユエリン、さま……」

 ――瞬間、恭親王の周囲の気温が一気に降下した。




 さっきまでの甘い雰囲気は消え、氷のような冷たい声で恭親王が言う。

「……その名で呼ぶことは許していない。……アデライード、普段通り殿下と呼べ」
「……えっあっ……」

 アデライードは翡翠色の目を見開く。何か、自分は失態を犯したのか。アデライードは突如豹変した夫に戸惑う。

 恭親王は身体を起こし、一旦楔を抜き取った。そして素早くアデライードの身体を俯せにし、腰を両手で掴んで高く上げさせる。突如視界が反転したアデライードは、何が起きたか分からず茫然とする。動物のような姿勢にアデライードは羞恥を感じ、慌てて枕から顔を上げ、肩越しに恭親王に振り向いた。

 「……でん……か?」

 先ほど恭親王の精を受けたアデライードの蜜口は十分に解れて潤い、溢れた精が柔らかい太股まで流れ出している。恭親王は背後から抱え込むようにアデライードの細腰を右手で抱きよせ、左手で凶悪なまでに張り詰めた楔を蜜口に宛がうと、容赦なく、一気に最奥まで貫いた。

 「あああああっ、ぁああっ」

 白い背中を仰け反らせて、アデライードが恭親王の楔を受け入れる。貫かれただけで軽く達したのか、そのままびくびくと身体を震わせるアデライードを背中から抱きしめ、うなじに唇を当てて強く吸った。胸に手を当てて揉みしだき、接合部の上の、固く尖った蕾をもう片方の指で摘まんで弄ぶ。

 「はううぅっ……だめっ……ああああっ……」

 敏感な場所全てを刺激されて、アデライードが白い身体を仰け反らせる。細い喉を露わに、恭親王の肩に頭を預け、全身を痙攣させるように小刻みに震わせながら、悲鳴のような嬌声をあげる。両手の指は敷布を握りしめ、両腕をピンと張って快感に耐える。だが恭親王は快楽にうねる隘路を甚振るように、ゆっくりゆっくり抜き差しを開始しする。

 「あああっ、なにっ……を……だめっ、いまはっ……まだっ……」
 「アデライード……約束だ、二度とあの名前で私を呼んではいけない。いいね……破ったら、お仕置きするぞ……」

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