154 / 170
17 繋がる
貪りあう*
しおりを挟む
しばらく繋がった状態でアデライードの身体を掻き抱き、首筋や鎖骨、胸のあわいについばむように口づけ、アデライードもまた男の背中を確かめるように掌で撫でる。
《もっと……ぎゅっとして……抱きしめて……わたしが、消えてしまうくらい、強く――》
男が、腕に力を込める。これ以上抱きしめればきっと折れてしまう。でも、まだ足りない。二人の間を隔てる皮膚すら邪魔だと思う。結合部からじんじんと湧き上がってくる性の快楽など不要だと思えるほど、肌と肌を合わせて抱き合う歓びが全身に満ち溢れていく。
《すき……なの……ずっと、こうしてほしくて……》
「ああ……私も……ただこうしていられるだけで……」
淫らな技巧を尽くし、二人で快楽の淵に墜ちる。そんな努力など必要ないと思えるほど、ただ、互いの肌を寄せ合うだけで満ち足りていく。循環する〈王気〉に、脳が痺れる。腰の奥底から疼きが立ち上り、腰が自然に揺れ始める。
「……動い、ても……?」
《動いて……好きに、して……食べて……全部、わたしが……なくなるまで……ぜんぶ……》
「ばっ……煽、るな……っ」
男は身体を起こし、アデライードの太ももを掴んで埋め込んだ肉茎をゆっくりと引き抜く。喪失感に、女が首を振って吐息を漏らす。抜け落ちるギリギリで大きく息を吸い込むと、一気にずん、と奥まで貫いた。男の動きに、首にかけた指輪が大きく揺れた。
荒い、呼吸が女の口から洩れる。普段なら絶え間なく零れる嬌声が、声にならずに呼吸音だけが聞こえる。大きく腰を動かしながら、男は女の細い脚を肩に載せ、掌で優しく足先の方へ撫でていく。履いたままの革のサンダルの紐を解き、丁寧に脱がせ、下に落とす。
首を曲げて肩に担いだ脚に口づけを落とし、そのまま足先へと唇を滑らせる。足首を飾るアンクレットについた翡翠の透かし彫りを口に含むと、そこに魔力を込める。男が腰を突き上げるたびに、足の甲で踊る翡翠が足に当たり、そこから魔力がじんわりとアデライードを侵食する。ほんのわずかずつ末端から駆け上がる快感に、アデライードが身体を震わす。快楽など必要ないと思った側から、全身を蕩かす甘い痺れに抗えず、アデライードは敷布を握りしめてそれに耐える。足先から再びゆっくりと唇は太ももへと降りていき、もう一つの脚も肩に担がれて、同じように唇を這わされる。気持ちよくて蕩けそうなのに、喘ぎ声すらあげることができず、ただ激しい呼吸だけが唇から零れていく。ぐっと眉を絞り、目を瞑り、首を振って堪える。目尻から、涙が溢れ、流れ落ちる。
もう片方のサンダルも丁寧に脱がされ、足の親指を口に含まれて敏感な指の間を舌で責められ、アデライードは思わずびくりと身体を反らせる。男が抜き差しする足の付け根はもうどろどろになって、さっきから淫靡な水音が響いてアデライードの羞恥を煽っている。男が両の足首を握って大きく脚を広げ、激しく腰を突き動かす。凄まじい快感がアデライードの背骨から脳へと駆け上がり、白い喉をさらし、声なき声で叫んだ。
《ああっあああああっ》
「すごい……もう、蕩けそうだ……ああっ……気持ちよすぎて……ああっああっ……」
男が狂ったように腰を突き動かすと、ぐずぐずに蕩けた結合部から掻き出される蜜がアデライードの太ももを汚し、丸い尻を伝って敷布に流れ落ちる。淫猥な水音と肌をぶつけ合う音、男女の荒い息遣いと、時折漏れる男の低い呻き声が寝台の紗幕の中に響く。男の脚衣は膝の上まで下ろされ、長靴は履いたままで寝台に膝をついている。端麗な眉を快楽に絞り、男はアデライードの中を激しく穿ち続ける。
アデライードは両手で顔の横の枕を握りしめ、快楽に翻弄されながら、自分を貫き、揺すり続ける男を見上げる。普段の冴えた氷のような美しさは影を潜め、凶暴な美しい獣となって黒い髪を振り乱し、荒々しい情欲を露わにアデライードを貪っている。肩越しに蠢く金色の龍が形を失い、金色に輝く光の帯になって、銀色の光の帯と絡み合い、二重螺旋となって輝く。彼も快楽に溺れているのだ。アデライードと一つに繋がり、肉欲の楔でアデライードの最奥を暴き、抉り、犯している。
もっと、もっと、食べて欲しい。
あの美しい唇で自分の喉を引き裂き、白い歯で食いちぎって、骨も残さずに飲み込んで欲しい。
もっと、もっと求めて、荒れ狂う欲望のままに蹂躙し、貪って欲しい。
ああ、違う。貪っているのは、自分だ。
この男しか知らない身体の最も奥深い場所に彼の欲望を飲み込み、締めあげて全てを搾り取ろうしている。奥を突かれるたびに、溶けてなくなりそうな快感がアデライードを襲い、激流のように荒れ狂う。
もっと求めて――、犯して、いっそ、壊して。ぜんぶ、あなたのものだから――。
突き上げられるたびに揺れる白い胸の、頂点で物欲しげに赤く膨れている蕾を、身体を倒して寄せてきた男の唇が含んで、強く吸い上げた。
瞬間、アデライードの目の奥が白く蕩けて、灼けつくような絶頂が襲ってきた。
「あっあああっああ――――っ」
白い身体を仰け反らせ、アデライードが快楽の波にもまれてのたうつ。
「ああああっ……くっ……まだっ……一緒だ……」
搾り取るような内部の動きに耐えて、男が奥歯を噛みしめてやり過ごし、頂点を極めて身体を弛緩させたアデライードをさらに責め立てる。
「ああっ……ああああっ……ああっ……あっあっ…」
「はあっはあっ……いいっ……ああっアデライード、アデライード……」
男が抱えていた脚から手を放すと、女はそれを男の腰に回して逃がすまいとするかのようにさらに締め付ける。両手で乱暴に乳房を揉みしだき、半ば開いたままの唇を唇で塞ぎ、舌を咥内にねじ込む。男の楔がアデライードの最奥を幾度も幾度も突きあげれば、再び絶頂がアデライードの中を荒れ狂い、内部が大きくうねって彼の楔を搾り取るように蠢いた。その蠕動に耐え切れず、男はついに欲望を弾けさせ、熱い滾りを中に放った。
《もっと……ぎゅっとして……抱きしめて……わたしが、消えてしまうくらい、強く――》
男が、腕に力を込める。これ以上抱きしめればきっと折れてしまう。でも、まだ足りない。二人の間を隔てる皮膚すら邪魔だと思う。結合部からじんじんと湧き上がってくる性の快楽など不要だと思えるほど、肌と肌を合わせて抱き合う歓びが全身に満ち溢れていく。
《すき……なの……ずっと、こうしてほしくて……》
「ああ……私も……ただこうしていられるだけで……」
淫らな技巧を尽くし、二人で快楽の淵に墜ちる。そんな努力など必要ないと思えるほど、ただ、互いの肌を寄せ合うだけで満ち足りていく。循環する〈王気〉に、脳が痺れる。腰の奥底から疼きが立ち上り、腰が自然に揺れ始める。
「……動い、ても……?」
《動いて……好きに、して……食べて……全部、わたしが……なくなるまで……ぜんぶ……》
「ばっ……煽、るな……っ」
男は身体を起こし、アデライードの太ももを掴んで埋め込んだ肉茎をゆっくりと引き抜く。喪失感に、女が首を振って吐息を漏らす。抜け落ちるギリギリで大きく息を吸い込むと、一気にずん、と奥まで貫いた。男の動きに、首にかけた指輪が大きく揺れた。
荒い、呼吸が女の口から洩れる。普段なら絶え間なく零れる嬌声が、声にならずに呼吸音だけが聞こえる。大きく腰を動かしながら、男は女の細い脚を肩に載せ、掌で優しく足先の方へ撫でていく。履いたままの革のサンダルの紐を解き、丁寧に脱がせ、下に落とす。
首を曲げて肩に担いだ脚に口づけを落とし、そのまま足先へと唇を滑らせる。足首を飾るアンクレットについた翡翠の透かし彫りを口に含むと、そこに魔力を込める。男が腰を突き上げるたびに、足の甲で踊る翡翠が足に当たり、そこから魔力がじんわりとアデライードを侵食する。ほんのわずかずつ末端から駆け上がる快感に、アデライードが身体を震わす。快楽など必要ないと思った側から、全身を蕩かす甘い痺れに抗えず、アデライードは敷布を握りしめてそれに耐える。足先から再びゆっくりと唇は太ももへと降りていき、もう一つの脚も肩に担がれて、同じように唇を這わされる。気持ちよくて蕩けそうなのに、喘ぎ声すらあげることができず、ただ激しい呼吸だけが唇から零れていく。ぐっと眉を絞り、目を瞑り、首を振って堪える。目尻から、涙が溢れ、流れ落ちる。
もう片方のサンダルも丁寧に脱がされ、足の親指を口に含まれて敏感な指の間を舌で責められ、アデライードは思わずびくりと身体を反らせる。男が抜き差しする足の付け根はもうどろどろになって、さっきから淫靡な水音が響いてアデライードの羞恥を煽っている。男が両の足首を握って大きく脚を広げ、激しく腰を突き動かす。凄まじい快感がアデライードの背骨から脳へと駆け上がり、白い喉をさらし、声なき声で叫んだ。
《ああっあああああっ》
「すごい……もう、蕩けそうだ……ああっ……気持ちよすぎて……ああっああっ……」
男が狂ったように腰を突き動かすと、ぐずぐずに蕩けた結合部から掻き出される蜜がアデライードの太ももを汚し、丸い尻を伝って敷布に流れ落ちる。淫猥な水音と肌をぶつけ合う音、男女の荒い息遣いと、時折漏れる男の低い呻き声が寝台の紗幕の中に響く。男の脚衣は膝の上まで下ろされ、長靴は履いたままで寝台に膝をついている。端麗な眉を快楽に絞り、男はアデライードの中を激しく穿ち続ける。
アデライードは両手で顔の横の枕を握りしめ、快楽に翻弄されながら、自分を貫き、揺すり続ける男を見上げる。普段の冴えた氷のような美しさは影を潜め、凶暴な美しい獣となって黒い髪を振り乱し、荒々しい情欲を露わにアデライードを貪っている。肩越しに蠢く金色の龍が形を失い、金色に輝く光の帯になって、銀色の光の帯と絡み合い、二重螺旋となって輝く。彼も快楽に溺れているのだ。アデライードと一つに繋がり、肉欲の楔でアデライードの最奥を暴き、抉り、犯している。
もっと、もっと、食べて欲しい。
あの美しい唇で自分の喉を引き裂き、白い歯で食いちぎって、骨も残さずに飲み込んで欲しい。
もっと、もっと求めて、荒れ狂う欲望のままに蹂躙し、貪って欲しい。
ああ、違う。貪っているのは、自分だ。
この男しか知らない身体の最も奥深い場所に彼の欲望を飲み込み、締めあげて全てを搾り取ろうしている。奥を突かれるたびに、溶けてなくなりそうな快感がアデライードを襲い、激流のように荒れ狂う。
もっと求めて――、犯して、いっそ、壊して。ぜんぶ、あなたのものだから――。
突き上げられるたびに揺れる白い胸の、頂点で物欲しげに赤く膨れている蕾を、身体を倒して寄せてきた男の唇が含んで、強く吸い上げた。
瞬間、アデライードの目の奥が白く蕩けて、灼けつくような絶頂が襲ってきた。
「あっあああっああ――――っ」
白い身体を仰け反らせ、アデライードが快楽の波にもまれてのたうつ。
「ああああっ……くっ……まだっ……一緒だ……」
搾り取るような内部の動きに耐えて、男が奥歯を噛みしめてやり過ごし、頂点を極めて身体を弛緩させたアデライードをさらに責め立てる。
「ああっ……ああああっ……ああっ……あっあっ…」
「はあっはあっ……いいっ……ああっアデライード、アデライード……」
男が抱えていた脚から手を放すと、女はそれを男の腰に回して逃がすまいとするかのようにさらに締め付ける。両手で乱暴に乳房を揉みしだき、半ば開いたままの唇を唇で塞ぎ、舌を咥内にねじ込む。男の楔がアデライードの最奥を幾度も幾度も突きあげれば、再び絶頂がアデライードの中を荒れ狂い、内部が大きくうねって彼の楔を搾り取るように蠢いた。その蠕動に耐え切れず、男はついに欲望を弾けさせ、熱い滾りを中に放った。
18
あなたにおすすめの小説
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!
柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
襲われていた美男子を助けたら溺愛されました
茜菫
恋愛
伯爵令嬢でありながら公爵家に仕える女騎士イライザの元に縁談が舞い込んだ。
相手は五十歳を越え、すでに二度の結婚歴があるラーゼル侯爵。
イライザの実家であるラチェット伯爵家はラーゼル侯爵に多額の借金があり、縁談を突っぱねることができなかった。
なんとか破談にしようと苦慮したイライザは結婚において重要視される純潔を捨てようと考えた。
相手をどうしようかと悩んでいたイライザは町中で言い争う男女に出くわす。
イライザが女性につきまとわれて危機に陥っていた男ミケルを助けると、どうやら彼に気に入られたようで……
「僕……リズのこと、好きになっちゃったんだ」
「……は?」
ムーンライトノベルズにも投稿しています。
男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました
春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。
名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。
誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。
ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、
あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。
「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」
「……もう限界だ」
私は知らなかった。
宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて――
ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる