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7.魔人の影の鬼
驚異の力
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確かに俺たちは、格上でもある赤鬼を相手にして善戦していた。
でも……善戦していただけ……だ。
結局、決定的な手傷を追わせる事も出来ず、時間だけを消費してしまっていた。
その結果。
「……アレクッ! マリーシェッ! カミーラァッ!」
俺たちは、突然赤鬼から発した巨大な爆発に呑み込まれて、吹き飛ばされていたんだ!
「ぐふっ!」
「がはっ!」
「ぐっ! ……あう!」
そして俺とマリーシェは壁に、そしてカミーラは天井に吹き飛ばされた後、床に打ち付けられていた!
く……くそ……油断した! な……何て威力だ!
この攻撃が来る可能性を見落としていたなんてな!
奴が放ったのは、魔法じゃあない。
赤鬼は自分の「気」に魔力を込めて、自分の思う通りの効果を発動させたんだ。この場合は、自分を中心にして全周囲へ向けての爆発効果だろう。
そして威力のほどは、この通りだ。
レベルも上がり修練を積むと、こんな風に魔法とは違う「特殊攻撃」を放てる様になる。
レベルの恩恵が無くても、武術の達人が「気」を撃ち出せる様に。剣の達人が、その刀身に「気」を纏わせる事が出来る様に。
前衛系の職業を持つ者なら、様々な「技」を会得出来る様になる。
丁度俺の「暴風斬り」やマリーシェの「無尽穿」、そしてカミーラの「一閃豪断」がその初歩に当たる。
俺たちが使える様になるんだから、レベルの上がった異種族や魔物が使えたって何ら不思議じゃあない。
ましてや、俺たちよりもレベルの高い「鬼族」なんだ。更に高威力の「特殊技」を使用したって、おかしい話じゃあなかった。
こんな単純な事を忘れているなんて、俺も焼きが回ったなぁ。
それこそ高レベルの戦いではそれも踏まえての行動が多かったんだが、めっきり低レベル帯の戦闘に慣れちまって、その事を完全に忘れちまってた。
そしてその代償が……これだ。
「……みんな! ……飛来する稲妻」
「カァッ!」
「きゃあっ!」
「サ……サリシュ」
俺たちを援護しようとしてサリシュが魔法を唱えようとしたその直後、赤鬼が彼女に向けて口を開いて気を発した!
そしてその瞬間に、サリシュは吹き飛ばされてしまったんだ!
―――スキル「咆哮」。
口から発する気合に魔力を込め、遠方の敵に向けて放つ不可視の砲弾だ。その直撃を食らったサリシュは、扉を破り室外まで吹き飛ばされていた!
まずい! 魔法使いのサリシュには、直接攻撃に近いこの攻撃に対する耐性は低い!
しかも、あの分厚い扉をぶち破る様な衝撃を食らったんだ。受けたダメージは、俺たちよりも大きいに違いない!
「ぐ……く」
俺はすぐさま、腰袋からポーションを取り出して口に含んだ。
「マリーシェッ! カミーラッ!」
そして動きを取り戻すと、未だ倒れたままのマリーシェとカミーラに声を掛け、ポーションをそれぞれに放り投げた。
受け取った彼女たちは、すぐさま回復薬を口にして復活を果たしていた。
幸い……なんだろな。まだ赤鬼の動きは本調子とまではいっていない。少なからず、サリシュの電撃が奴の動きに影響を与えていたんだろう。
俺はそこまでを確認して、すぐさまサリシュの方へと向かったんだ!
イチイチ説明しなくても、マリーシェとカミーラは俺の行動の意図を察してくれている。背後からは、再び赤鬼と剣を交えだした撃音が聞こえ出したからな。
「サリシュッ!」
部屋の外に出て、残念ながら俺の想像が間違っていなかった事が立証されちまった。
派手に扉をぶち破って吹き飛んだサリシュは、殆ど満身創痍と言った状態だ。身動ぎさえ出来ないみたいで、仰向けに倒れたまま体を起こそうという気配さえ感じさせなかった。
それに何よりも。
「……痛ぅ」
「動くな、サリシュ」
彼女の右肩には、壊された扉の破片が深々と突き刺さっていたんだ。
これじゃあ、誰でもすぐに動き出せる訳ないよな。ましてやサリシュは魔法使いとしての研鑽を積んではいても、戦士としての訓練はして来なかったんだから。
前衛職の鍛錬を行っていけば、多少は傷ついても動き出そうとする身体作りも出来る。でもそれだって、余程の苦行を積んで漸く……だからなぁ。
そんな事に無縁だったサリシュに、今の状態で傷を気にせず動け……なんて酷な話だろう。
「あうっ!」
そんなサリシュの元へと駆け寄った俺は、ゆっくりと彼女の上半身を抱き起した。
少しでも動かせば、彼女に激痛が走る。そんな事は分かっているが、処置をするにはまず身体を起こさないとな。
「少し痛むだろうけど、我慢しろよ」
脂汗を浮かべているサリシュが、小さく頷いて応じた。彼女も、その事は十分に理解してるんだろうな。
「口を閉じて、歯を食いしばれ」
それだけを告げて、俺は刺さったままの木片に手を掛けそして。
「ふぐっ!」
一気にそれを引き抜いたんだ!
屈強な大人だって、これには泣き言の一つも零れそうなもんだろう。それでも彼女は、小さく悲鳴を上げただけで耐え切ったんだから大したもんだ。
荒い息を吐く彼女の傷口に、すぐさまポーションを振り掛けてやった。そして。
「残りは飲め。それで、この傷は完治する筈だ」
そう言って俺は、残ったポーションをサリシュに差し出し、彼女は素直にそれに従った。
小さい回復光を発して、サリシュの肩に付いていた傷が消え去り、彼女の呼吸も平常のものに変わる。多分、痛みもあっという間に引いたんだろう。
「……やれるか?」
ゆっくりとサリシュを立たせて、俺は彼女にそれだけを問い掛けた。
戦闘中に負った傷と言うのは、中々に厄介だ。
回復薬や魔法で外傷は癒す事が出来ても、その心理状態まで回復させる事は難しいからな。それは、さっきの戦いで一瞬でも重傷を負ったセリルの例を見ても分かる話だ。
普段はあれほど飄々とした男でも、あの場では使い物にならなくなるほど気弱になっちまう。
「……大丈夫や。……行けるでぇ」
それでもサリシュは、そんな「痛みの記憶」を感じさせない口調で、気丈にそう答えたんだ。
さっきまでその身を襲っていた苦痛。
そして、その原因となった赤鬼による攻撃の恐怖。
更には、もう一度その痛みが……いや、それ以上の激痛に襲われるかも知れないという不安。
彼女はそれらを自覚しながらも、それでも強い意思でそう口にしたんだからな。これが賞賛に値しない訳が無いだろう?
いやほんと、セリルにもサリシュの根性を見習って貰わないとな。
「そうか。じゃあ、マリーシェ達の元へ戻ろう。きっと苦戦している筈だ」
それ以上彼女を気遣う様な真似はせず、俺は先を切って部屋の中へと戻った!
サリシュもまた、俺に続いて室内へと踏み入れたんだ!
俺が僅かにその場から離れていただけだと言うのに、形勢は完全に赤鬼に傾いていた!
そんな事は、戦っている彼女達の方へ目を向ければ一目瞭然ってやつだ。
「が……がはっ!」
「マリーシェッ! 一旦退きなさいっ!」
恐らくはマリーシェが赤鬼の一撃を受けたんだろう! 激しく吐血して動きを止めちまってる!
そしてカミーラは、そんなマリーシェへと赤鬼の攻撃が向かない様に、素早く動いて牽制に回っていた。
でも俺の目から見てもその動きは、さっきまでのものとは程遠い。彼女もまた、赤鬼の一撃を受けたのかも知れないな。
「マリーシェッ! カミーラッ!」
俺は再び、タイミングを見計らってポーションを放り投げた。上手く受け取った2人は、鬼の隙をついて回復薬を飲み干していた。
淡い光りを纏って回復したマリーシェとカミーラだが……。
―――このままじゃあ……まずい!
俺の手持ちには、ポーションなんて腐る程ある。即死攻撃さえ受けなければ、幾らでも回復させる事が可能だ。
でもそれじゃあ、持久戦になっちまう。
そしていずれは、赤鬼を倒せるかもしれない……が。
それは、俺たちがその長期戦に耐えきれればって事になる。そんな分の悪い戦い方なんて採れる訳がない!
……乾坤一擲の勝負。
まだ十分に動ける内に、それを仕掛ける必要性を俺は考えていた。
でも……善戦していただけ……だ。
結局、決定的な手傷を追わせる事も出来ず、時間だけを消費してしまっていた。
その結果。
「……アレクッ! マリーシェッ! カミーラァッ!」
俺たちは、突然赤鬼から発した巨大な爆発に呑み込まれて、吹き飛ばされていたんだ!
「ぐふっ!」
「がはっ!」
「ぐっ! ……あう!」
そして俺とマリーシェは壁に、そしてカミーラは天井に吹き飛ばされた後、床に打ち付けられていた!
く……くそ……油断した! な……何て威力だ!
この攻撃が来る可能性を見落としていたなんてな!
奴が放ったのは、魔法じゃあない。
赤鬼は自分の「気」に魔力を込めて、自分の思う通りの効果を発動させたんだ。この場合は、自分を中心にして全周囲へ向けての爆発効果だろう。
そして威力のほどは、この通りだ。
レベルも上がり修練を積むと、こんな風に魔法とは違う「特殊攻撃」を放てる様になる。
レベルの恩恵が無くても、武術の達人が「気」を撃ち出せる様に。剣の達人が、その刀身に「気」を纏わせる事が出来る様に。
前衛系の職業を持つ者なら、様々な「技」を会得出来る様になる。
丁度俺の「暴風斬り」やマリーシェの「無尽穿」、そしてカミーラの「一閃豪断」がその初歩に当たる。
俺たちが使える様になるんだから、レベルの上がった異種族や魔物が使えたって何ら不思議じゃあない。
ましてや、俺たちよりもレベルの高い「鬼族」なんだ。更に高威力の「特殊技」を使用したって、おかしい話じゃあなかった。
こんな単純な事を忘れているなんて、俺も焼きが回ったなぁ。
それこそ高レベルの戦いではそれも踏まえての行動が多かったんだが、めっきり低レベル帯の戦闘に慣れちまって、その事を完全に忘れちまってた。
そしてその代償が……これだ。
「……みんな! ……飛来する稲妻」
「カァッ!」
「きゃあっ!」
「サ……サリシュ」
俺たちを援護しようとしてサリシュが魔法を唱えようとしたその直後、赤鬼が彼女に向けて口を開いて気を発した!
そしてその瞬間に、サリシュは吹き飛ばされてしまったんだ!
―――スキル「咆哮」。
口から発する気合に魔力を込め、遠方の敵に向けて放つ不可視の砲弾だ。その直撃を食らったサリシュは、扉を破り室外まで吹き飛ばされていた!
まずい! 魔法使いのサリシュには、直接攻撃に近いこの攻撃に対する耐性は低い!
しかも、あの分厚い扉をぶち破る様な衝撃を食らったんだ。受けたダメージは、俺たちよりも大きいに違いない!
「ぐ……く」
俺はすぐさま、腰袋からポーションを取り出して口に含んだ。
「マリーシェッ! カミーラッ!」
そして動きを取り戻すと、未だ倒れたままのマリーシェとカミーラに声を掛け、ポーションをそれぞれに放り投げた。
受け取った彼女たちは、すぐさま回復薬を口にして復活を果たしていた。
幸い……なんだろな。まだ赤鬼の動きは本調子とまではいっていない。少なからず、サリシュの電撃が奴の動きに影響を与えていたんだろう。
俺はそこまでを確認して、すぐさまサリシュの方へと向かったんだ!
イチイチ説明しなくても、マリーシェとカミーラは俺の行動の意図を察してくれている。背後からは、再び赤鬼と剣を交えだした撃音が聞こえ出したからな。
「サリシュッ!」
部屋の外に出て、残念ながら俺の想像が間違っていなかった事が立証されちまった。
派手に扉をぶち破って吹き飛んだサリシュは、殆ど満身創痍と言った状態だ。身動ぎさえ出来ないみたいで、仰向けに倒れたまま体を起こそうという気配さえ感じさせなかった。
それに何よりも。
「……痛ぅ」
「動くな、サリシュ」
彼女の右肩には、壊された扉の破片が深々と突き刺さっていたんだ。
これじゃあ、誰でもすぐに動き出せる訳ないよな。ましてやサリシュは魔法使いとしての研鑽を積んではいても、戦士としての訓練はして来なかったんだから。
前衛職の鍛錬を行っていけば、多少は傷ついても動き出そうとする身体作りも出来る。でもそれだって、余程の苦行を積んで漸く……だからなぁ。
そんな事に無縁だったサリシュに、今の状態で傷を気にせず動け……なんて酷な話だろう。
「あうっ!」
そんなサリシュの元へと駆け寄った俺は、ゆっくりと彼女の上半身を抱き起した。
少しでも動かせば、彼女に激痛が走る。そんな事は分かっているが、処置をするにはまず身体を起こさないとな。
「少し痛むだろうけど、我慢しろよ」
脂汗を浮かべているサリシュが、小さく頷いて応じた。彼女も、その事は十分に理解してるんだろうな。
「口を閉じて、歯を食いしばれ」
それだけを告げて、俺は刺さったままの木片に手を掛けそして。
「ふぐっ!」
一気にそれを引き抜いたんだ!
屈強な大人だって、これには泣き言の一つも零れそうなもんだろう。それでも彼女は、小さく悲鳴を上げただけで耐え切ったんだから大したもんだ。
荒い息を吐く彼女の傷口に、すぐさまポーションを振り掛けてやった。そして。
「残りは飲め。それで、この傷は完治する筈だ」
そう言って俺は、残ったポーションをサリシュに差し出し、彼女は素直にそれに従った。
小さい回復光を発して、サリシュの肩に付いていた傷が消え去り、彼女の呼吸も平常のものに変わる。多分、痛みもあっという間に引いたんだろう。
「……やれるか?」
ゆっくりとサリシュを立たせて、俺は彼女にそれだけを問い掛けた。
戦闘中に負った傷と言うのは、中々に厄介だ。
回復薬や魔法で外傷は癒す事が出来ても、その心理状態まで回復させる事は難しいからな。それは、さっきの戦いで一瞬でも重傷を負ったセリルの例を見ても分かる話だ。
普段はあれほど飄々とした男でも、あの場では使い物にならなくなるほど気弱になっちまう。
「……大丈夫や。……行けるでぇ」
それでもサリシュは、そんな「痛みの記憶」を感じさせない口調で、気丈にそう答えたんだ。
さっきまでその身を襲っていた苦痛。
そして、その原因となった赤鬼による攻撃の恐怖。
更には、もう一度その痛みが……いや、それ以上の激痛に襲われるかも知れないという不安。
彼女はそれらを自覚しながらも、それでも強い意思でそう口にしたんだからな。これが賞賛に値しない訳が無いだろう?
いやほんと、セリルにもサリシュの根性を見習って貰わないとな。
「そうか。じゃあ、マリーシェ達の元へ戻ろう。きっと苦戦している筈だ」
それ以上彼女を気遣う様な真似はせず、俺は先を切って部屋の中へと戻った!
サリシュもまた、俺に続いて室内へと踏み入れたんだ!
俺が僅かにその場から離れていただけだと言うのに、形勢は完全に赤鬼に傾いていた!
そんな事は、戦っている彼女達の方へ目を向ければ一目瞭然ってやつだ。
「が……がはっ!」
「マリーシェッ! 一旦退きなさいっ!」
恐らくはマリーシェが赤鬼の一撃を受けたんだろう! 激しく吐血して動きを止めちまってる!
そしてカミーラは、そんなマリーシェへと赤鬼の攻撃が向かない様に、素早く動いて牽制に回っていた。
でも俺の目から見てもその動きは、さっきまでのものとは程遠い。彼女もまた、赤鬼の一撃を受けたのかも知れないな。
「マリーシェッ! カミーラッ!」
俺は再び、タイミングを見計らってポーションを放り投げた。上手く受け取った2人は、鬼の隙をついて回復薬を飲み干していた。
淡い光りを纏って回復したマリーシェとカミーラだが……。
―――このままじゃあ……まずい!
俺の手持ちには、ポーションなんて腐る程ある。即死攻撃さえ受けなければ、幾らでも回復させる事が可能だ。
でもそれじゃあ、持久戦になっちまう。
そしていずれは、赤鬼を倒せるかもしれない……が。
それは、俺たちがその長期戦に耐えきれればって事になる。そんな分の悪い戦い方なんて採れる訳がない!
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