【突然変異したウィルスにご注意ください】

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『そろそろ行こうかな』
私が散歩に行く準備をしていると声がした
｢お出かけですか？香織お嬢様｣
『えぇ、気分転換に散歩に行こうと思ってね』
｢私も御一緒してもよろしいですか？｣
『？別に構わないけど何故かしら？』
｢お夕飯の食材を買いに行こうと思いまして…｣
『なるほど。この私に買い物に付き合えと言いたいのね？』
｢あ、いえ…そのようなことは…｣
見るからに焦っている
これだからいたずらは楽しいわ
『冗談よ。ほら、行くのでしょう？支度をしてきなさい』
｢あ、はい！｣
その後ろ姿は思いっきり尻尾を振っていた
『わかりやすい子ね』
しばらくすると支度をして来た
｢すみません、お待たせしました｣
『行きましょう』
この子とこうやって買い物に行くのはいつぶりだろうかなんて考えていると
｢香織お嬢様、私はあなたと出会えてよかったと思っています｣
こんなことをいきなり言い出す
だから､私も
『私もよ』
｢あの時、香織お嬢様がお声をかけてくださったから私はまだ生きていられるのです。ですから､私はあなたに感謝してますし､あなたのことをもっと知りたいと思っています。ですからあなたのことを少し話してはくださいませんか？｣


私は今から5年前くらいのことについて話し始めた