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第3章 沢田くんと炎のドッジボール
沢田くんと大ピンチ
しおりを挟むえっ……?
沢田くん、今、なんて──?
私のことが、何だって⁉︎
ひょっとして、す、す、す、好きって言わなかった⁉︎
アイロンにかけられたみたいに私の頬がジュッと熱くなるのが分かった。
思わず顔を上げると、沢田くんも私を見下ろしていて、前髪同士が触れそうなほどの至近距離でばっちりと目が合う。
途端に沢田くんの心から尋常じゃなく慌てた声がした。
「【ハッ……!!Σ(゚д゚lll) お、俺、今何をしてたんだ……⁉︎ 佐藤さんの笑顔を見ていたら急に頭がボーッとして……何かとてつもなく恥ずかしいことを言いそうになった気が……! っていうか、いつの間にか佐藤さんがこんなに近くに!! 思いっきり佐藤さんのパーソナルスペースに飛び込んじゃってるよ!! 俺みたいな底辺のぼっち野郎が調子に乗って近づいちゃってごめんなさいごめんなさいごめんなさーい!!_:(´ཀ`」 ∠): 屋上からちょっと飛び降りてくる】……ごめん」
沢田くんはみるみる赤くなって、私から離れようとした。
えっ、待って行かないで!
あまりにも驚きすぎて、すでに記憶が曖昧なんだけど!
好き? いや、杉だったかも。あれ? 月だったかな?
分かんない、もう一回言って沢田くん! お願いしますっ!!
「げふんっ、げふんっ!」
やばい、興奮しすぎて気管支がなんかおかしくなった。
「だ──【大丈夫っ? 佐藤さん!!Σ(゚д゚lll)】」
「う、うん。大丈夫……」
じゃない。
目が潰れるほどのイケメンがほんのりと色づいた頬とキラキラした瞳で私を心配そうに見ているよーっ!!
【どうしたんだろう、佐藤さん。真っ赤になっちゃって苦しそう……。もしかして俺、いつの間にか佐藤さんに向かって何か毒素のようなものを出したのかもしれない……! そういえば前に母ちゃんが言ってた。俺の半径1メートル以内に入った女子はもれなく呼吸困難になるから、むやみやたらと近づくんじゃないって……! なんてこった、俺のせいで佐藤さんが呼吸困難に!!】
沢田くんのお母さん、あなたの息子さんはマジで危険なアルティメットウエポンです。
っていうかもうぶっちゃけ死んでもいいよ! だから、さっきの言葉をもう一度聞かせてーーっ!!!
その時、カーテンの外から興奮気味に「景子ちゃーん! いるー?」と私を呼ぶ声がした。
この声は……麻由香ちゃんだ!
「聞いてよ、森島くんったらひどいんだよ! ドッジボールで一番活躍した女子とデートするって約束してたのに、沢田くんを倒した私じゃなくて別の子をMVPにしちゃって……。あれ? 今、誰かいた?」
沢田くんが【おんみつ】を使いながらベッドの反対側に身を潜めたのは、麻由香ちゃんがカーテンを開けたのと同時くらいだった。
私もかけ布団を高く持ち上げながら、しゃがみ込んだ沢田くんの黒髪を麻由香ちゃん側から見えないように隠していた。
【お、思わず隠れてしまった……!! どうしよう!!:(;゙゚'ω゚'):】
私もね!! これもし見つかったら大ピンチってやつ──?
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