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第8章
爆弾⁉︎
しおりを挟むすると、ジオンがカチカチとどこかで音が鳴っていることに気づいた。
「何の音?」
「これかな」
ジオンは手のひらに乗るサイズの丸いボールのような道具を取り出した。表面には円を描くように並んだ数字盤が浮かんでおり、それを指し示すように動く針に合わせて音が鳴っている。
「何の道具だろ」
ジオンはボールを裏返し、そこについていたネジのつまみを触ってみた。すると、数字盤の針がぐるぐると回り出し、6を指した時、いきなりボールがジリリリリ! と、けたたましい音を出した。
「うわああああっ!!」
ジオンは思わずボールをセイヤに投げつけた。
「何だこれ、爆弾⁉︎ どうやって止めんの⁉︎」
「知らねーよ! どっか遠くに投げろ!」
「どっかって言ってもここ洞窟だし! 崩れたらどうするんだよ!」
「知るか! お前が持ってきたんだからお前が何とかしろ!」
「おいお前ら。何を騒いでる」
その時、二人の父のセンベイがやってきた。
広い洞窟の自然に出来た空間を利用してそれぞれの部屋にしている彼らは、誰かが騒ぐとすぐに気づいて集まることができる。
百戦錬磨という文字を顔に刻みつけているような父は、いつでも冷静沈着でマジカントの常識に囚われず、独自の発想を持ってこの世界を生き抜いてきた非魔法家族の頼れる大黒柱だ。
彼が取り乱すところなど一度も見たことがない兄弟二人は、父の顔を見ると安堵して笑みを浮かべた。
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