48 / 121
ある話
しおりを挟む
トルコのアララト山の山頂付近で、古代遺跡の研究家の
ファルファト教授は、ひと息つくために岩山の麓で折りたたみの椅子を組み立ててコーヒーの入ったポットをカップに注ぎこんだ。
記事で見た写真に関心をいだき行こうと思った。
「ノアの箱舟は、ほんとにあった!」と見出しの記事を見て、写真の中に木造で作られた船が実際に発見されたという記事だった。
まだイスタンブール大学に在学中の時に、歴史考古学を専攻にトルコの歴史を学んでいた。
ある日の昼間に、学内にある図書室を見ていると、古新聞紙のコーナーに目立つように掲載されていた。
「ノアの箱舟は、実在した!」の見出しに、思わず息を呑んていた。
「旧約聖書に登場する「ノアの箱舟」を探す中国とトルコの探検家チームが、漂着したといわれるトルコのアララト山の山頂付近で、方舟の木片を発見したと発表した。」と書いてある。
ファルファトは、行かずには入れなかった。
小さい頃に母から私達は、マルデック人であった血筋は忘れないで、と言われたことがあった。
なにか「繋がり」があるようにファルファトは思えた。
「マルデック」と「ノア」の関係性をこの目で確かめたかった。
コーヒーを飲み終えると、立ち上がり椅子を折りたたんでさらに頂上へと歩いた。
道中に、下山する団体とすれ違った。あいさつを交してさらに奥に進んでゆく。
あることに気付いた。鳥達の鳴声が聞こえてたはずなのにいつの間にか聞こえなくなっていた。
さっきまで平面だった道がごつごつした岩に変わっていく。
その先にあるものに目を向けると不思議な形をした場所へと着いた。
まるで船の底のような形の場所が、周辺の岩肌と比べて見てみるとここだけ凹んでいた。。
なにか巨大で重い物体が置かれていた可能性はある。
でも、周辺を見渡してみるがら船らしき物体は見当たらない。
茂みが少しあるが、どこにも見つからない。
その時だった。断片な形状の岩肌の頂上に、人影が見えた。
ファルファトは、それは幻に見えたのだ。
人影のいる場所まで来た時に気付いた。
立っていた場所から凹んでいた場所を見ると、岩山の奥地に森林が広がっている。
森林の隙間から覗くものがあった。
木造の船が、土と重なり合うように倒れているのに気付いた。
岩山を下っていくと森林の闇へとファルファトは入っていく。
見えてきたのは、確かに先ほど見た船だった。
ノアの箱舟はほんとに実在したのだ。
一眼レフカメラを手に取ると箱舟を撮影しはじめた。
カメラ越しで見るとふと疑問が浮かんでいた。
考古学として考える上で、この船に木の古さを感じない。
古代から古くある物なら、木造の質はカビ色に近くなるはずだ。
それに木造の目は、樹齢のシワがしっかりとついている。そしてシワの数は、5歳ということになる。
つまり、この木造の船が出来て年数が浅いことになる。
「これはノアではない!?」
「どういうことだ。これがもし、ノアの箱舟としよう。あの平たい岩山のあの面積を、この木造の船で広げるのは、明らかに無理だ。もっと、今のような飛行機のようなものでない限り、岩肌の面積は作れない!」
「その通りですよ!」
背後から、声をかけられた。
振り向くと
「ん?日本人?それとも・・・」
いづれにしてもアジア系の軽装な黒色のパーカーにジーンズ姿の男が立っていた。
「君はいったい・・・」
優しい目をしていた。まだ若い顔をしている。
「あなたのような分析ができる方は初めてだ。」
人ひとり分の小岩の上に座っていた。
「この場所には誰もいなかったはずだ!」
怪しい目で黒パーカーの男を睨んでいた。
「自分も今、来たばかりなんですよ。そしたら、お兄さんが先にいらしてたもので。」
「どういうことだ?」
「テレポートで飛んできたと言っても信じますか?」
「ほんとにあるなら信じる価値はあるが。。」
「ちょっと待ってくださいね」と言って姿が一瞬にして消えてしまった。
3分後、一瞬にして小岩の上に戻ってきていた。
「え」
ダウンジャケットにジーンズ姿で服装が変わっていた。
「これでわかりましたか?」
「何者なんだ。君は。ノアと関係があるのか」
「この船はフェイクで作られたものなんですよ」
「ほんとのノアは、」
指を下にさした。
「ここの地下にある」
男の名前は、「羽角蓮」と名乗っていた。
この男と未知なる世界へ行こうとは、この時は思ってなかった。
ファルファト教授は、ひと息つくために岩山の麓で折りたたみの椅子を組み立ててコーヒーの入ったポットをカップに注ぎこんだ。
記事で見た写真に関心をいだき行こうと思った。
「ノアの箱舟は、ほんとにあった!」と見出しの記事を見て、写真の中に木造で作られた船が実際に発見されたという記事だった。
まだイスタンブール大学に在学中の時に、歴史考古学を専攻にトルコの歴史を学んでいた。
ある日の昼間に、学内にある図書室を見ていると、古新聞紙のコーナーに目立つように掲載されていた。
「ノアの箱舟は、実在した!」の見出しに、思わず息を呑んていた。
「旧約聖書に登場する「ノアの箱舟」を探す中国とトルコの探検家チームが、漂着したといわれるトルコのアララト山の山頂付近で、方舟の木片を発見したと発表した。」と書いてある。
ファルファトは、行かずには入れなかった。
小さい頃に母から私達は、マルデック人であった血筋は忘れないで、と言われたことがあった。
なにか「繋がり」があるようにファルファトは思えた。
「マルデック」と「ノア」の関係性をこの目で確かめたかった。
コーヒーを飲み終えると、立ち上がり椅子を折りたたんでさらに頂上へと歩いた。
道中に、下山する団体とすれ違った。あいさつを交してさらに奥に進んでゆく。
あることに気付いた。鳥達の鳴声が聞こえてたはずなのにいつの間にか聞こえなくなっていた。
さっきまで平面だった道がごつごつした岩に変わっていく。
その先にあるものに目を向けると不思議な形をした場所へと着いた。
まるで船の底のような形の場所が、周辺の岩肌と比べて見てみるとここだけ凹んでいた。。
なにか巨大で重い物体が置かれていた可能性はある。
でも、周辺を見渡してみるがら船らしき物体は見当たらない。
茂みが少しあるが、どこにも見つからない。
その時だった。断片な形状の岩肌の頂上に、人影が見えた。
ファルファトは、それは幻に見えたのだ。
人影のいる場所まで来た時に気付いた。
立っていた場所から凹んでいた場所を見ると、岩山の奥地に森林が広がっている。
森林の隙間から覗くものがあった。
木造の船が、土と重なり合うように倒れているのに気付いた。
岩山を下っていくと森林の闇へとファルファトは入っていく。
見えてきたのは、確かに先ほど見た船だった。
ノアの箱舟はほんとに実在したのだ。
一眼レフカメラを手に取ると箱舟を撮影しはじめた。
カメラ越しで見るとふと疑問が浮かんでいた。
考古学として考える上で、この船に木の古さを感じない。
古代から古くある物なら、木造の質はカビ色に近くなるはずだ。
それに木造の目は、樹齢のシワがしっかりとついている。そしてシワの数は、5歳ということになる。
つまり、この木造の船が出来て年数が浅いことになる。
「これはノアではない!?」
「どういうことだ。これがもし、ノアの箱舟としよう。あの平たい岩山のあの面積を、この木造の船で広げるのは、明らかに無理だ。もっと、今のような飛行機のようなものでない限り、岩肌の面積は作れない!」
「その通りですよ!」
背後から、声をかけられた。
振り向くと
「ん?日本人?それとも・・・」
いづれにしてもアジア系の軽装な黒色のパーカーにジーンズ姿の男が立っていた。
「君はいったい・・・」
優しい目をしていた。まだ若い顔をしている。
「あなたのような分析ができる方は初めてだ。」
人ひとり分の小岩の上に座っていた。
「この場所には誰もいなかったはずだ!」
怪しい目で黒パーカーの男を睨んでいた。
「自分も今、来たばかりなんですよ。そしたら、お兄さんが先にいらしてたもので。」
「どういうことだ?」
「テレポートで飛んできたと言っても信じますか?」
「ほんとにあるなら信じる価値はあるが。。」
「ちょっと待ってくださいね」と言って姿が一瞬にして消えてしまった。
3分後、一瞬にして小岩の上に戻ってきていた。
「え」
ダウンジャケットにジーンズ姿で服装が変わっていた。
「これでわかりましたか?」
「何者なんだ。君は。ノアと関係があるのか」
「この船はフェイクで作られたものなんですよ」
「ほんとのノアは、」
指を下にさした。
「ここの地下にある」
男の名前は、「羽角蓮」と名乗っていた。
この男と未知なる世界へ行こうとは、この時は思ってなかった。
0
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
【完結】侍女が王女に転生?!英雄と結婚して破滅の国を救います!
カナタカエデ
ファンタジー
八十歳で生涯を終えた、元王宮侍女カリナ。
その最期の瞬間――枕元に、かつて仕えた王女アメリアが現れた。
「お願い…私の人生をやり直して。国を、私を、救って――」
次に目を開くと、カリナは十八歳の“王女アメリア”として転生していた。
彼女は知っている。
このままでは王国は滅び、愛する主君が破滅する未来を。
未来を変えるため、アメリアは
冷徹と噂される英雄ヴァルクとの政略結婚を選ぶ。
これは、かつて守れなかった主人のための転生。
そのはずなのに――彼への想いは、気づけば変わり始めていた。
王女と英雄が紡ぐ、破滅回避ラブファンタジー開幕。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
挿絵はA I画像を使用
10/20 第一章完結
12/20 第二章完結
2/16 第三章完結
他サイト掲載
(小説家になろう、Caita)
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる