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じいちゃんがあかちゃんになったんだよね
しおりを挟むカチカチと音を立てながらパソコンと向き合い、真剣な眼差しになっていた。
「う~ん、しっくりこないねーーー」
職場である「ペイントオブデザイン」デザイン事務所で稔はデザイナーをしている。
仕事の内容は、スポーツジム関係のデザインを多い。
「今日も納得してないんですか?」
横からひょっこりと顔を出してきた「長浜涼子」が質問をしてきた。
「なんかねー。クライアントから送られてきた画像がこのポスターに不釣り合いなんだよな」
イライラしながらも作業を進めていく。
自分の席に戻る涼子は
「稔さあ、今日仕事終わり空いてる?」
「え?なんで?」
「一緒にご飯どうかな?と思って」
「今、それどころじゃないんだよね。帰ってから子守しないといけないのよ」
ブランド品のチェアをキコキコと揺らしながら稔が言う。
「え?稔。。赤ちゃんできたの?誰の?」
びっくりした顔で涼子が反応する。
「違うよ。いや違わなくはないけど。説明が難しいな・・・」
頭の中を整理しながら話を進めていく。
「じいちゃんがね。赤ちゃんになっちゃったんだよね」
「それって冗談?」
「だから、説明が難しいって言ったじゃん」
「あ、だったら今日家に来る?」
「え?いいの?」
「母さん、涼子のこと好きだしね。」
階段の上がる音が聞こえてくると
勢いよくドアが開いた。
「おい!スタッフ全員集合!」
社長である末永達夫が呼びかけた。
「へいへい!」ため息をつきながらも
打ち合わせ室へと向かっていった。
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